子供が部活でフルートを始める!ところでフルートってどうやって選んだらいいの?
今回は、お子様が吹奏楽部に入って、フルートを始める…といった方のため、フルートを購入する場合に知っておきたいフルートの基礎知識についてご紹介していきたいと思います。
フルートは、非常に美しい音色を奏でる楽器ですが、一般人にとっては、あまり馴染みのない楽器だということもあり、「子供のためにフルートを購入したいけどどれを選んだらいいの?」「そもそもいくらぐらいするものなの?」と言った感じに、基礎的な部分からイマイチ分からない…という方が多いと思います。そもそもフルートと言っても、いくつかの種類が存在するということすら知らないという方が多いと思います。
- ピッコロ
- ソプラノフルート
- コンサートフルート(フルート)
- アルトフルート
- バスフルート
- コントラバス・フルート
上記のように、フルートと言っても、いくつかの種類が存在しており、みなさまがイメージする一般的なフルートは『コンサートフルート』になります。吹奏楽やプロの中でも最も使用されるサイズとなりますので、お子様がフルートを始めるという場合には、コンサートフルートを購入することになると思います。
この記事では、初心者さんがおさえておきたいフルート選びの基礎知識についてご紹介していきたいと思います。
フルート選びのポイントは?
それでは、フルート初心者さんが初めてフルートを購入する場合に、頭に入れておきたいポイントをご紹介しておきます。この記事では、基本的に構造等の部分をご紹介しておきます。
フルートの素材について
まずは、フルートの素材についてです。美しい銀色をしていますので、何らかの金属が素材になっているのはイメージできるかと思いますが、実なさまざまな素材のものが存在しており、どれを選ぶのかによって音色や価格などが変わってしまうのです。ここでは、フルート大手メーカーのスタンダードシリーズによく採用されている3つの素材について比較しておきます。なお、フルートの素材には、以下の3つ以外にも存在しています。
- 白銅が素材のフルート
素材が『白銅』のものは、一般的に初心者向けとされます。さまざまな素材の中でも一番安価で購入しやすいのが特徴です。音色に関しては、フルート特有の深みがある音というよりも、抵抗感が無く音が鳴りやすいので、初心者でも使いやすいはずです。ただし、1年ほど練習すると、表現の幅が少し狭く感じ、物足りなくなるという方も多いそうです。 - 洋銀(洋白)素材のフルート
各音域がバランス良く響き、明るい音色が特徴と言われています。洋銀は、銅・亜鉛・ニッケルの合金の事で、こちらも初心者向けの素材と言われています。 - 銀(シルバー)素材のフルート
柔らかな音色で、音色の変化をつけやすいのが特徴と言われています。ちなみに、この素材のフルートは、初心者から中級者まで幅広い方にお勧めできるグレードと言われています。強弱や表現の幅を広げやすいので、中学・高校と6年間吹奏楽部を続けるという方は、この素材の方が良いかもしれませんね。
楽器店などで購入する普及品のフルートに関しては、そのほとんどが洋銀が素材となっています。なお、フルートの価格が上がっていくと、「リッププレートが銀製」⇒「頭部管が銀製」⇒「管体が銀製」と言った感じに、銀が採用される部分が増えていきます。
カバードキイかリングキイか
フルートを触ったことがない人であれば知らないのが当たり前ですが、実はフルートには2種類のキイが存在しています。それぞれの特徴を以下でご紹介しておきます。
- カバードキイとは
カバードキイは指でキイを抑えるだけで音が出る仕組みです。初心者の方でも演奏が容易になるため、初めてフルートに触れるという方にはオススメです。なお、各メーカーでは、低価格帯のフルートから高価格帯のものまでカバードキイを作っていますので、選ぶ幅も広いです。 - リングキイとは
リングキイは、自分の指で穴を塞がなければならないフルートです。慣れないうちはうまく穴を塞ぐ事ができず、演奏が難しく感じてしまうと思います。しかし、正しい位置に指を置けるように矯正してくれる役割があるそうです。リングキイは、音抜けが良く、音色が明るくなりますし、指先で息を感じる事ができるようになるため、細かなニュアンスをコントロールできるようになると言われます。リングキイの穴の大きさは、シリコンやシールで調節できますので、指がまだ小さな人でも問題なく使用できるはずです。
オフセットかインラインか
フルートは、上述のように2種類のキイが存在しています。そして、キイの並び方に関しても2つの種類があるのです。以下で、キイの並びに関してもご紹介しておきます。
- オフセットとは
オフセットは、「とにかく持ちやすい」のが特徴のキイの並びになっています。オフセットのフルートは、左手薬指で操作するGキイがせり出しているなど、指の長さに合わせた配列になっています。オフセットのフルートは、まだ手の大きさが成長しきっていないお子様が練習するには、非常にオススメのキイの並びと言えます。 - インラインとは
インラインは、全てのキイが一直線に並んでいるタイプで、音の立ち上がりが早いと言われています。フルートの操作性の関係から、インラインはリングキイに多く採用されています。
Eメカニズム
楽器店などでは『Eメカ』などと呼ばれています。Eメカは、フルートの構造上出しづらい第3オクターブのE(高音域のミの音 / High E)を簡単に出せるように補助してくれる機構です。ギターなどで「Fコードで躓く…」なんて話が多いように、フルートでは第3オクターブのEで躓く…ということが多いので、つけておくのがオススメです。
基本的には、普及品の多くはデフォルトでついているのですが、メーカーによってオプションで付けなければならない…という場合があるので、『Eメカニズム』という名前だけは憶えておきましょう。
まとめ
今回は、お子様が吹奏楽などでフルートを始めるといった場合、フルートの購入前に知っておきたいポイントをご紹介してきました。ちなみに、学校の部活などでフルートを始める場合、「学校が貸してくれるのでは?」と考えてしまう方も多いでしょう。実際に、吹奏楽部などで使用する楽器であれば、学校に借りて練習することは可能です。しかし、中には学校からの持ち出しが不可となっていたり、音が出るように自分で調節するために数万円の費用が必要になる…なんて場合も少なく無いようです。
楽器の上達を目指すのであれば、何よりも練習時間が重要になりますので、お子様の本気度によっては自宅で練習できるよう購入してあげるのオススメです。フルートは、安い物であれば、1万円程度で購入できる物もありますし、お子様が何年使用するのかによって最適なものを購入してあげると良いのではないでしょうか?なお、あまり安いフルートの場合、後からの音の調節ができなかったりしますので、中学・高校と6年間は続けるという場合、最低10万円程度のものを購入したほうが良いと思います。
また、マンションなどに住んでいるのであれば、ご近所の方に配慮して、きちんと防音対策をしたうえで練習するようにしましょう。フルートの音量は約100デシベル(dB)と言われていますので、集合住宅などで演奏すると、ほぼ間違いなく騒音トラブルに発展してしまうと思います!