防音室作りの第一歩について!最初の計画が値段に大きく影響する!
サンテレビ「アサスマ! 」で防音工事の匠が紹介されました!
今回は、専門業者に依頼して、自宅に防音室を作りたいと考えている方に向け、防音室作りの最初の一歩について解説していきたいと思います。
楽器演奏やホームシアターなど、本格的な防音室については、普段の生活であまり関わり合いがないこともあり、防音工事に関する知識を持たないという方が多いです。そのため、自宅に防音室が欲しいと考えた時も、事前に何も調べずに「とりあえず防音工事業者に連絡してみよう!」と考える方が多いのです。防音工事は、特殊な要望を持っている方のみが実施する工事で、その他の住宅リフォームと比較すると、専門性が非常に高く「素人があれこれ考えても仕方ない」と考えてしまうのだと思います。
しかし実は、希望する性能を持つ防音室を、適正価格で作ってもらうことを考えた時には、業者の言いなりになるのではなく、お客様側の希望や計画をきちんとまとめたうえで相談するという体制を作っておいた方が良いのです。防音に関する知識が何もないまま相談してしまうと、業者側が提案してくる内容が適切なのか、また防音工事にかかる費用として提示された値段が適正なのかの判断すらできません。その結果、用途のことを考えると、過剰すぎる性能の防音室を依頼してしまい、無駄な費用が掛かってしまうといった失敗に繋がる恐れがあるのです。
そこでこの記事では、防音室を自宅に作ろうと考えた時、まず第一歩として皆さんに行ってほしい事前準備をご紹介します。最初にしっかりとした計画を立てることが、防音室の値段を大きく左右するので、ぜひ押さえておきましょう。
防音工事会社に相談する前に必要な作業とは?
理想の防音室を作るためには、事前に目的に合わせた計画を立てることが非常に重要です。防音工事業者に「防音室を作りたいのですが?」と言った漠然とした問い合わせをしてしまうと、過剰な性能を持つ防音室の提案を受け、本来かける必要のない無駄なお金を使うことになってしまう可能性があります。
あなたが防音室を必要としている理由は何か、どのような音をどこまで防ぎたいのか、求めている防音室の性能によって、工事の内容やそれにかかる費用は大きく変わるのです。したがって、自宅に防音室を作ろうと思い立った時には、以下で紹介するようなポイントについてきちんと計画を立てていきましょう。
その計画を持って防音工事会社に相談すれば、的確な防音室の提案を受けることができるようになります。
ポイント1 防音室の用途は何か?
防音室作りを考えた時には、まず最初に「何のために防音室を使うのか?」という用途をはっきりさせることが大切です。防音室の中で生じさせる音の種類によって、必要な対策が大きく変わります。
例えば、楽器用の防音室だとしても、バイオリンやサックスなど、中高音域が特徴の楽器で人が手に持って演奏する楽器と、ピアノやドラムなど、楽器そのものが地面に接しているタイプでは、対策すべき音の種類が大きく変わります。また、音の周波数帯によっても求められる対策が異なるのです。
他にも、ゲーム配信やボイスチャット、音声の録音などを目的とした防音室の場合、外部への音漏れだけでなく、防音室への音の侵入を防ぐ、室内の音響バランスの調整なども強く求められるようになるのです。
どのような防音室を作らなければならないのかは、お客様が考えている用途が非常に重要になります。用途がはっきりすれば、防音工事の際に遮音、吸音、防音、どれを重視し、さらにどのようなバランスに調整すべきかが見えてきて、的確な提案ができるようになります。
ポイント2 どこまでの性能を求めるのか?
防音室の用途が明確化した後は、「どこまで音を抑える必要があるのか?」という防音性能の目標設定を検討します。お客様の住まいの状況によって、防音室からの音漏れの許容度が大きく変わります。許容できる範囲が大きくなるほど、防音工事にかかる予算も変わってきます。例えば、以下のような点について検討してみましょう。
- ・防音室を利用する時間帯は?
- ・建物の構造や種類は?(戸建てかマンションかなど)
- ・宅内の音漏れはどこまで許容できるのか?
- ・周辺環境について
上記のような部分について、しっかりと検討することで、防音室に無駄なコストをかけなくて済むようになります。例えば、防音室を利用する時間帯について、「昼間しか使用する予定がない」というケースと「夜間でも音が出せる環境にしたい」というケースでは、求められる性能が大きく変わります。日中にしか防音室を利用しない場合、周囲に雑音が多いため、多少の音漏れがあっても問題ないのです。しかし、周囲が寝静まる夜中でも大きな音を出したいという場合、音漏れを可能な限り防止できるような高性能な防音室が必要になります。
この他、「戸建てか共同住宅か?」「音で影響を与える可能性がある隣家からどの程度離れているのか?」「家族への音漏れはどこまで許容してもらえるのか?」などについてもしっかりと計画をしていきましょう。
防音室は、性能が上がれば上がるほど、壁の厚みなどが増し、使える空間が小さくなります。また、工事に使用する建材の量が増えていく、グレードの高い建具を採用する必要が出てくるため、費用や工期も増加していくのです。防音工事のコストを抑えたいと考えるなら、防音室の使い方に注意すると良いです。
ポイント3 どの部屋を防音室にするのか、スペースを確保できる?
3つ目のポイントは、物理的に防音室にできるだけのスペースがあるのかというポイントです。また、どの部屋を防音室にするのが良いのかも合わせて検討しておくと、防音工事にかかる費用を抑えることができます。
防音室は、既存の部屋を防音構造に作り変えることで実現します。そしてこの防音構造は、通常の居室とは異なり、空気層や吸音材・遮音材の設置などが必要になるため、どうしても元々の部屋よりもサイズが狭くなってしまうのです。例えば、元々4畳半だった部屋を本格的な防音室に作り変える場合、部屋として使えるスペースは、3畳程度まで狭くなる可能性があり、さらに天井高も低くなります。
防音室の用途として、グランドピアノを設置したいと考えた時に、この楽器が入るだけのスペースを確保できる部屋が存在するのか確認しておく必要があります。また、防音室内に、楽器以外の家具などを設置するのであれば、その分のスペースが確保できるのかも考慮する必要があります。つまり、単に普段使っていない空き部屋を防音室にすれば良いほど単純なものではないので、どの部屋を防音室にするのかは慎重に検討しましょう。
なお、防音室にする部屋を選ぶときには、「スペースが確保できるのか?」という点だけを考えるのではなく、「どの部屋を防音室にするのが最も有利なのか?」という視点を持つことも大切です。というのも、音漏れを防がなければならない隣家に接している部屋を防音室にすると、間に他の部屋が挟まれる部屋を防音室にするのでは、後者の方が防音室の性能を抑えられるのです。音は、距離で減退しますし、間に部屋が挟まれている、音を遮る障害物が増えるため、音が伝わりにくくなるのです。したがって、防音工事のコストのことも考慮すると、「どの部屋の防音工事を施すべきか?」という視点で物事を考えることも大切です。
ポイント4 照明や空調などの設備について
防音室は、音漏れの原因となる隙間を可能な限り埋めるという対策が施されます。そのため、通常の居室と比較すると、防音室の気密性は非常に高くなるのです。気密性が高いということは、室内で生じた熱などがこもりやすくなることを意味します。
そのため、本格的な防音室を作った場合、夏場はエアコンなしで長時間使用し続けることは難しいと考えなければいけません。また、清潔な空気環境を維持するためには、換気設備の導入も重要です。ただ、エアコンや換気設備の導入に関しては、防音性能の面では弱点になるので、この部分の対策はしっかりと行ってもらう必要があります。
この他、防音室の快適な利用環境を維持するためには、用途に合わせた適切な照明環境を作ってもらうことも大切です。この他、インターネットの通信環境や湿気対策など、設備面に関してさまざまなことを計画する必要があります。防音室は、Wi-Fiの電波が届きにくくなるので、可能であれば有線でつなげる環境を作ってもらうと安心です。
防音室は、単に音漏れが防げれば良いのではなく、そこを利用する人の使い勝手や快適性まで考慮しておく必要があります。
ポイント5 防音工事の費用目安と予算について
防音工事は、その他の住宅リフォームと比較すると、専門性が高いということもあり、コストが高くなる傾向にあります。もちろん、防音室に求める性能や広さなどによって費用感は大きく変わります。
ただ、楽器演奏に耐えられるような高性能な防音室を作る場合、最低でも100万円以上のコストがかかると考えておいた方が良いです。例えば、6畳程度の部屋をピアノの演奏に耐えられるような本格的な防音室に作り変える場合、工事にかかる費用の目安としては150~250万円前後になるとされています。ユニット型防音室を選ぶことで、防音室にかかる費用を抑えることはできますが、ユニット型にはそれなりのデメリットもあるので、用途に見合う性能が得られるのかは慎重に検討しなければいけません。
防音工事を検討したとには、自分が想定している用途の防音室が、どの程度の費用で作れるのか、インターネットなどで情報を仕入れておきましょう。また、費用目安を調べるのに合わせて、防音室にかけられる予算の上限もしっかりと決めておく必要があります。予算を決めずに防音工事業者に相談すると、性能重視で防音工事の計画を立てていくため、費用面に関してはどうしても高くなってしまいがちなのです。
問い合わせの段階で「予算は200万円です」などと、明確に指定すれば、その予算の範囲でお客様の用途や要望に見合う防音室が作れるのか、しっかりと計画を立ててくれるはずです。予算的に不可能な場合、「何を妥協しなくてはならないのか?」「追加でどれぐらいの費用をかければ要望に見合うものが作れるのか?」を提案してもらうことができます。
ポイント6 マンションの場合、管理規約の確認
マンションなど、共同住宅で防音室を作りたいと考えた時には、業者に相談する前に管理規約を確認する必要があります。一戸建てと違い、同じ建物内に多くの人が生活しているマンションは、専有部分の工事であっても、住人が勝手な判断で工事を進めることができないのです。管理規約では、以下のような部分について確認してみましょう。
- ・宅内工事を実施する際、管理組合の許可が必要か?
- ・防音工事など、大規模なリフォームが認められているのか?
- ・防音室を作る意味があるのか?
マンションのような共同住宅は、専有部分でも、音や振動が構造体に影響を与える可能性があるため、防音工事そのものが認められない可能性があります。また、防音工事が認められているとしても、「楽器の演奏が禁止」といったルールが設けられている場合、作る意味がなくなってしまう可能性があります。したがって、まずは、管理規約などを確認して防音工事が実施できるのかをチェックしましょう。管理規約を見ただけでは判断できない場合、管理会社などに確認してみると良いです。
なお、管理組合の許可については、基本的に必要と考えておいた方が良いです。これは、工事の際には、騒音や振動で、近隣の方に迷惑をかける可能性がある、建材の搬入時にはエレベーターを使用するため、他の住人に影響を与えるためです。防音工事が可能な場合でも、事前にチラシや配布物によって、工事期間や作業音が出る時間帯を明示するなどの対策が必要になると思うので、どのような対策が必要なのかも確認しておきましょう。
マンションの場合、これらの確認ができてから防音工事業者に相談するという流れがスムーズです。
まとめ
今回は、自宅に防音室を作ろうと考えている方に向け、専門業者に相談する前に確認しておきたいポイントについて解説しました。
防音工事は、非常に専門性が高い工事であるため、素人があれこれ考えても答えが出ないのだし、何も考えずに業者に連絡したほうが話が早いと考えている人も多いです。しかし、記事内でご紹介した通り、お客様側が防音室に求めている物や想定している利用方法が定まっていないという状況で防音工事業者に相談しても、適切な提案を受けられない可能性があるのです。
場合によっては、本来不必要なレベルの防音工事を提案され、業者の言いなりになって無駄なお金を使ってしまうという状況に陥る可能性もあるのです。適切な性能を持つ防音室を適正価格で作るためには、防音工事業者に相談する前に、自分の希望をきちんとまとめておくことが非常に重要です。したがって、これから防音室作りを考えているという方は、記事内の内容について、今一度考えてみましょう。