自宅にドラム用の防音室を作る時の注意点について!

今回は、自宅にドラム用の防音室を作りたいという方に向け、実際にドラム室の防音工事を依頼する前に知っておきたいポイントをご紹介していきたいと思います。

楽器用の防音室では、ピアノやギター、管楽器などを演奏するための防音室もありますが、これらと比較して、ドラム用の防音室は工事にかかる費用がかなり高くなってしまうというイメージがあると思います。実際に、ピアノ室は200~350万円程度(6畳ぐらいの防音室)が一般的なのに対し、ドラム室に関しては、同じような部屋の広さでも500万円以上の見積り金額になってしまう場合が多いです。

実は、ドラムという楽器は、ギターやピアノなどの楽器とは音の伝わり方が異なることから、防音室を作る際の注意点なども大きく変わってくるのです。そこでこの記事では、自宅のドラム用の防音室を作る時に気負浸けておくべきポイントをまとめておきます。

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ドラム音の特徴について

ドラム用の防音室を作る時には、ドラムから生じる音の特徴を掴んでおかなければいけません。楽器の音に関しては、好みの問題はあるにしても、基本的に音には違いないので、それぞれに特徴があるなどというイメージを持っていない方が多いです。しかし、ドラムから生じる音は、ギターやピアノなどの楽器とは伝わり方が異なるという特徴があるのです。

一般的に、高い音というものは、窓やドアの隙間などから漏れ出ていく、もしくは侵入して周囲に伝わっていきます。しかし、低い音というものは、地面や壁、床などを振動させて伝わるという特徴があるのです。

つまり、ギターやピアノなど、比較的高い音が生じる楽器の防音室を作る場合には、ドアや窓の防音性能に重点を置いて防音工事を行う必要があると考えてください。一方、ドラムやベースなどの低い音が特徴の楽器の場合、床、壁、天井などの防音・防振工事が非常に重要になるのです。
例えば、ドラムの練習を家でしたいからと、ドアや窓について、防音性の高い製品に交換したとしても、それだけではドラムの防音室としては全く不十分な性能になってしまい、騒音トラブルの可能性が高いわけです。

ドラム用の防音室は広さも重要

ドラム用の防音室を作る場合に、他の楽器と異なるポイントとしては、防音室の広さも重要というポイントです。これは、単純にドラムセットを設置できるだけのスペースを確保しないといけないからです。

一般的なドラムセットを設置できる防音室になると、最低でも3畳程度のスペースは必要になると考えてください。ちなみに、「BOX in BOX」タイプの防音室の場合、元の部屋よりも防音工事後は狭くなってしまいます。例えば、防音室の仕上がりが3畳未満となってしまう場合、ギリギリドラムセットは設置できるかもしれませんが、防音室に出入りする時には、その都度、ドラムセットを動かさないといけない…など、かなり使い勝手が悪くなってしまいます。また、あまりに狭い防音室になると、演奏した時に音が反響しすぎてしまい、正確な音が分かりにくい…などの弊害もあります。

防音室を作る時には、その構造的な問題で、元の部屋よりも仕上がりの部屋面積が狭くなるということを頭に入れておき、仕上がりを見越して設計してもらうようにしましょう。ドラム室であれば、出入りのことも考えて、理想の仕上がり面積プラス、2畳程度の広さを確保しておくのが理想です。
なお、一人でドラムの練習をするという場合であれば、3畳程度の仕上がりになるように計算すれば良いのですが、たまにはバンド練習などもしたいと考えている場合は、仕上がり面積が6畳程度が理想だと思います。つまり、防音工事をする前の部屋の広さとしては、8畳程度の部屋が理想ですね。(ドラム単体なら5畳程度で構いません。)

ドラム用防音室を依頼する時の注意点

それではドラム用防音室の工事を依頼する場合の注意点についてご紹介していきます。正直どのような防音工事でも、一般の住宅リフォームより専門性が高いことから、注意点が多いのですが、特にドラムに関しては事前にさまざまなことを確認しておかなければならないと考えておきましょう。

他の防音室よりも工事費が高額になる分、後から後悔しなくても良いよう、以下のようなポイントはしっかりと確認しておいてください。

①信頼できる業者に依頼する

防音工事は、非常に専門性が高い工事ですので、信頼できる業者に工事を依頼するということが非常に大切になります。

最近では、一般の内装リフォーム業者などが防音工事業界に進出してきており、防音室を作ってくれる業者自体はたくさん存在します。しかし、どの業者に頼むのかによって、防音室の仕上がりが全く違ってしまいますので、事前に本当に技術と知識を持った業者なのかはチェックしておきましょう。

一般的な防音室を作る場合には、窓などの開口部を無くす、防音仕様のドアを設置する、吸音材を壁に使用する程度で、高い音の防音が可能です。しかし、上述したように、低い音が出るドラムなどは、床や天井などの防音・防振が非常に大切です。そして、「一般的な防音室は作れます」というような業者でも、このような床の防振などを苦手とする施工業者は少なくないのです。

また、もともと一般のリフォームを生業としているような業者であれば、防音の専門知識を持っておらず、建材メーカーの仕様書通りに作るだけで顧客に最適な防音については全く考慮しないなんてケースもあると言われています。
こういった事から、ドラム用の防音室を依頼する場合には、遮音保証、遮音測定をきちんとしてくれる業者を選ぶのがオススメです。遮音測定をしながら防音室を作れば、しっかりと低音も防いでくれる防音室に仕上がるはずです。業者選びを進める時に、工事後の遮音保証などがどうなっているのかをしっかりと確認しておきましょう。

②演奏用のスペースのことも考える

お客様が意外に見落としてしまうポイントとして、仕上がり後のスペースをイメージできていない…というものがあります。上述したように、3畳未満の仕上がりになるドラム室などになると、ドラムの設置はできるものの、出入りに困ってしまう…、反響しすぎてしまう…などといった問題が後から生じてしまい、結局使わない部屋になってしまうなんてケースが考えられます。

防音工事を行う時には、その部屋をどのように使用する予定なのかをしっかりと考え、使用用途に適したスペースがきちんと確保できるのかを確認しておきましょう。ドラム室などのように、防振対策が重要な防音室を作る場合、仕上がりのスペースは結構狭くなるので、そのことも十分に考慮してどこに防音工事を施すのかも慎重に検討しましょう。

③一階や地下がオススメ

ドラムの低音は床など、低い場所を伝わります。したがって、ドラムの演奏による騒音トラブルを防ぐには、できるだけ低層階に防音室を作ることがおすすめなのです。

地下スペースのある戸建住宅なのであれば、地下に防音室を作れば、低音がより伝わりにくい部屋を作れますので、非常にオススメです。新築時に防音室を作る場合、地下にコンクリート仕様の床で防音室を作っておけば、思い切りドラムを叩いても、騒音問題の心配はないと思います。

まとめ

今回は、自宅にドラム用の防音室を作る場合の注意点についてご紹介してきました。近年では、戸建ての距離が近くなってきたことから、建物が独立している一戸建て住宅でも、生活音による騒音トラブルが増加しています。そのため、近隣住宅とのトラブルを防止する目的で、部分的な防音リフォームを行う方が非常に多くなっているのです。

ただし、ドラムなど本格的な防音室の工事となると、上述のような生活音を防止する工事と同一視してはいけません。というのも、ドラムによる騒音は、単純な空気音だけでなく、床などを伝わる振動音があることから、窓やドア、壁などの防音工事を行っただけでは、不十分な防音室にしかならないのです。
ドラム室を作る場合、振動音を外に伝えないようにするため、防振対策をしっかりと行わなければいけないのですが、こういった工事は防音工事に携わる業者の中にも苦手としている場合も多いです。したがって、ドラム室などの工事は、過去にどのような工事を行っているのか、しっかりと業者の施工実績なども確認したうえで依頼するようにしましょう。基本的に、楽器の防音室などになると、ライブハウスや音楽スタジオなど、商業用の防音工事まで行っているような業者に依頼するのがオススメです。そうしなければ、高いお金をかけたのに、音漏れでトラブルになるなど…何のために工事をしたのか分からなくなります。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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