業者選びを失敗すると防音工事でトラブルになるケースがある!
防音工事は、住宅リフォームの一種なのですが、目に見える部分を手直しするような工事ではなく、音の問題を解消するための工事となるので、工事を依頼する業者さん選びが非常に重要になります。というのも、コロナ問題以降、防音対策の需要が高くなっていることから、防音工事の経験が少ない一般リフォーム業者が防音工事の依頼を受け付けるようになっているのです。
そして、そういった防音工事に関する知識や経験が少ない業者に工事を依頼し、完成した防音室に不満を感じてしまう方が急増しています。実際に弊社にも、他社で防音工事を行ったばかりのお客様から、「思うような防音室にならなかったので、手直ししてもらえませんか?」といった問い合わせが増えています。
それでは、音の問題を解消しようと、専門業者に工事を依頼したはずなのに、どういったトラブルが考えられるのでしょうか?この記事では、防音工事中や工事後に業者とトラブルに発展してしまう要因をいくつかご紹介しておきます。
なお、皆さんに注意しておいてほしいのは、「要望通りの防音室に仕上がっていない…」というケースでも、その全てが業者の責任とは言えないのも実情です。なぜなら、防音工事は目に見えない音の問題を解消するためのものですので、お客様が上手く説明できず、業者との間に認識のズレが生じてしまっているケースも意外に多いのです。そこで、これから防音工事を検討中の方は、以下で紹介するトラブル事例を頭に入れておき、自分の身に起きないように注意を払いましょう。
防音工事でのトラブルとは
防音工事は、一般の住宅リフォームと比較すると割高な工事といえます。当然、大金をかけて工事を行う訳ですので、誰もが失敗は避けたいと考えることでしょう。
そこで、実際の防音工事のトラブル事例を頭に入れておき、自分が工事を行う時にどういったことに注意すべきかをきちんと押さえておきましょう。
近隣住民からクレームを受ける
本格的な防音室を作るとなると、大掛かりな住宅リフォーム工事となるわけですので、工事中はそれなりに大きな機械音や作業音が発生します。また、材料などの搬入などのため、大型車が出入りすることも多くなります。そのため、工事が長期にわたる、常識の範囲外の時間に工事を行うといったことになれば、近隣住民からのクレームに繋がりやすいです。
したがって、防音工事をスタートする前には、きちんと近隣住民宅に挨拶に伺い、工事を行う旨、工事に伴う騒音があるかもしれない旨、工事車両の出入りなどについて説明しておきましょう。また、挨拶に伺う時には、工事の簡単な日程と、大きな音が生じる可能性がある日程などを伝えておくことで、近隣住民さんも対策をとることが可能です。
集合住宅の場合、文書を作成し、ポストに投函しておくという対策を行う方が多いのですが、実際に訪問して挨拶しておく方が理解が深まりますので、クレームの可能性を低くすることが可能です。
思っていた防音効果が発揮できていない
お金をかけて防音工事を行ったのに、工事後も騒音や音漏れが気になるなど、問題が解決できなかった…というトラブルも増えています。
これについては、単純に防音工事業者選びを間違っているケースと、工事自体はきちんとできているという2つのケースが考えられます。上述しているように、ここ数年、防音工事の需要が非常に高くなっていることから、一般の内装リフォーム業者などがWebを利用して防音工事の営業を行うようになっています。消費者からすると、一見防音工事の専門家に見えますので、工事を依頼するのですが、こういった業者が防音工事に失敗してしまうことが多いのです。
ただ、皆さんに抑えておいてほしいのは、何らかの音の悩みを抱えたとして、防音工事を行えば100%その音を聞こえなくできるかというとそうではないのです。防音工事は、数十dBの防音効果を期待することができますが、完全に無音状態を作るようなことは基本的に不可能で、音に敏感な方であれば、工事を行っても気になってしまうケースは普通にあり得るのです。要は、設計通りの防音効果は発揮しているものの、それでは満足できないケースでも「工事に失敗した…」と考えてしまっているわけです。こういったことを防ぐためには、防音工事を行う前に、工事を行えばどの程度の防音効果が得られるのか、体験ルームなどで見学しておくのがオススメです。
違う音が気になるようになる
防音工事後、その環境に慣れてきたときに、他の音が気になるようになってしまう…なんてケースも意外に多いです。
例えば、窓や壁の防音工事を完了させ、その結果に満足していたけれど、しばらくその環境で過ごしてみると、上階からの足音が気になるようになってしまう…などというパターンです。正直、このケースに関しては、業者も住人さんも悪いとは言えないのが難しいポイントです。
ただ、防音工事は後から追加で行う場合、手間がかかってしまいますし、余計なコストがかかってしまうことになるので、最初のヒアリングの段階で気になる音について詳細に伝えておきましょう。そうすることで、現地調査の段階で騒音の原因をしっかりと追究し、適切な対策を施してもらえます。
音の聞こえ方に違和感を感じる
これは、防音の専門業者ではないリフォーム業者に工事を依頼する場合に多いです。要は、防音工事を行ったら、部屋の中で聞こえる音に違和感を感じるようになってしまう…というトラブルです。
このような防音工事の失敗は、防音性能のことばかりに注目し、防音室内の音響を無視してしまったことにより引き起こされるケースがほとんどです。いくら音漏れや音の侵入を防ぎたいとしても、部屋の中が無響になってしまうと、逆に過ごしにくく不快に感じてしまうようになるのです。
防音工事は、外部の音を遮断する「遮音」効果や内部の音を吸収する「吸音」効果について、適切なバランスで自然な音の響きまで考慮しなければならないことから、高い知識や経験が必要になるのです。
部屋の見栄えが悪い
防音工事後に、性能そのものには満足できても、部屋のデザインなどに不満を感じてしまうケースも多いです。例えば、防音のために二重窓や防音ドアを設置するのですが、こういった製品は、デザインよりも防音性能を重視していますので、部屋の見た目がシンプルになり、それが気に入らない…と思ってしまう方も多いのです。
他にも、防音性能を重視すると、どうしても元の部屋よりも狭くなってしまうことから、閉塞感を感じたり、部屋の使い勝手が悪くなってしまうケースもあります。こういったトラブルを防ぐためには、カタログなどでのみ確認するだけでなく、弊社が用意しているような防音体験ルームを実際に確認してみるのがオススメです。
まとめ
今回は、防音工事に存在する業者とのトラブルリスクについて解説してきました。何らかの音の悩みを感じた時、DIYなどではなかなか解消することができないため、防音専門の施工業者に相談する方が多くなっています。特に、コロナ禍を経験した現在では、人々の在宅時間が長くなっており、近隣の方と音の問題を抱えてしまう方が多くなっていると言われているのです。
ただ、注意しておきたいのは、インターネットでの業者探しが一般的となっている現在では、本来、防音に関する知識などを持っていない、一般のリフォーム業者でも防音工事業者を装って集客が可能だという事実です。そして、実際に、そういった業者に工事を依頼してしまい、防音工事完了後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔している方が急増していると言われているのです。
近年では、建物を構成するさまざまな建材も急激に性能が高くなっていますので、防音性の高い建材を使用さえすれば、誰でも簡単に防音工事ができると考えてしまう方が増えています。確かに、単板ガラスを真空ガラスに交換すれば窓部分の防音性能が高くなるのは間違いありません。
しかし、防音工事で最も難しいのは、騒音の原因がどこから来ているのか、またその騒音を軽減するにはどこに工事を行えば良いのかという適切な設計を行うことです。そして、こういった防音工事の根本は、長年の経験や知識が非常に重要になるので、一般のリフォーム会社に工事を依頼した場合、全く見当違いな対策を行い、騒音が収まらない…なんてトラブルに発展してしまうのです。
あなたの音の悩みに対して、適切な対処が行えるのは、やはり防音に関する深い知識とスキルを持った専門業者だけです。防音工事は、最初の業者選びで成否が決定してしまう可能性が高いので、身長に業者選びを行いましょう。