オフィスでの防音工事は、情報漏洩対策だけでなく労働環境改善にも有効!
新しいオフィスを開設する際には、レイアウトやインテリア選び、各種回線工事など、考えなければならないことが山積みになってしまい、オフィスの防音性については忘れられがちです。例えば、オフィスの防音性を無視して何の対策も行わないまま事業を開始して、来客者があった時に会議室での会話が外まで筒抜けになっている…なんて状況になるとどう思われるでしょうか?このような状況になってしまうと、当然お客様は情報漏洩のリスクを疑ってしまうことになり、あなたの会社との取引に不安を感じてしまうことになるでしょう。
また、オフィスでは、さまざまな業務が行われていますし、会社の規模によっては数十人から百人以上の人員が同じオフィスで作業することになります。そのような職場で、会議室や応接室からの声が駄々洩れになってしまうと、他の作業を行っている従業員の邪魔になってしまい、作業効率や生産性の低下につながってしまいます。
つまり、オフィスでの防音工事と言うものは、企業の信頼性を向上させることもできますし、従業員の作業環境まで向上させる非常に重要なものだと考えなければいけません。それでは、快適で安全な職場環境を作るためには、どのような点に注意しておけば良いのでしょうか?ここではオフィスでの音漏れ原因や有効な防音対策について解説します。
オフィスでの防音工事の必要性。音漏れ原因はどこ?
それではまず、オフィスでの防音工事の必要性を考えるため、そもそもオフィスでの音漏れは何が原因になるのかを考えてみましょう。適切な防音対策を行うためには、音漏れの原因を探らなければ、見当違いな対処に無駄なお金をかけてしまうことになります。
ここでは、オフィスでの防音対策として、特に注意しておきたいポイントをご紹介しておきます。
オフィスの音漏れ原因について
それでは、オフィスの音漏れについて、何が原因で発生してしまうのかについて考えてみましょう。上述したように、オフィスでの音漏れは顧客に「情報漏洩が心配…」と思わせたり、ノイズで従業員の作業効率が低下したりと、なにも良いことはありません。それでは、こういったデメリットばかり与える音漏れは何が原因となって発生するのでしょうか?
- ・扉や窓、パーテンションなどの隙間
まずは、オフィス内に存在する隙間です。例えば、扉や窓は閉めていれば隙間はないと思う方が多いのですが、実はスムーズに開閉できるように、それなりの隙間が存在します。音は小さな隙間を通って伝わりますので、窓やドアが対策されていなければ、音漏れ原因になります。他にも、パーテーションによって簡易的な応接室を作るオフィスは多いのですが、可動式で上部・下部に隙間が生じるタイプは、何の防音性もないと考えましょう。情報漏洩や、会議の声がノイズにならないように…と考えるのであれば、天井と床を完全につなぐタイプの物を選ぶ必要があります。 - ・壁・床を伝わる振動
一般の方が見落としがちなのが、音は空気を伝わるだけでなく、物体を介して他者に伝わるという特性を持つという事実です。専門的な用語でいうと、空気伝搬音や固体伝搬音と呼ばれるもので、物体を介して伝わるのが固体伝搬音です。個体伝搬音は、床や壁、天井などに振動や衝撃として伝わる音で、隙間など目に見える原因が確認できないため、騒音を出しているという認識を持てないことが非常に厄介です。例えば、オフィス内に会議室や応接室を作る際、防音性を軽視して薄い壁材などを採用してしまうと、十分な遮音性・吸音性が得られず、室内の音が外部の人に簡単に伝わってしまうことになります。会議室で、秘匿性が高い話をしていた場合、それが筒抜けになって情報漏洩してしまうリスクが生じます。さらに、床に関しては、振動が構造体にまで伝わることで、階下にまで音が響いてしまい、他社との騒音トラブルに発展してしまう恐れもあります。商業ビルに入っている飲食店での騒音トラブルは、床の防音を無視した結果、客の足音や椅子を引きずる音が階下に伝わることで起きるケースが非常に多いです。
このように、オフィスでの音漏れは、隙間がある事や簡単に振動が伝わるような薄い素材を利用していることが原因になります。逆に言えば、こういった箇所を的確に対策することで、オフィスでの音漏れを防ぐことができるわけです。
具体的な防音対策について
それでは、オフィスで取り入れられる具体的な防音工事の手法についていくつかご紹介していきましょう。そもそも、オフィスでの防音工事については、「どういった部屋で取り入れられるのか?」についても疑問に思う方がいると思います。一般的に、オフィスでの防音工事は、以下のような目的がある部屋で施されるケースが多いです。
- ・会議室
オフィス内で、最も防音性が重視される場所です。会議室は、秘匿性の高い打ち合わせを行うことが多いですし、業種によっては特に隠す内容ではないものの、頻繁に会議を行うというケースも考えられます。会議室の防音性が低い場合、情報漏洩のリスクが高くなりますし、音漏れが他の従業員の作業効率を低下させてしまうという問題も引き起こします。 - ・社長室
社長室も防音工事の依頼が多い部屋の一つです。当然、企業の方向性を決める社長が滞在する部屋ですし、毎日のように重要案件が持ち込まれます。社長室は、防音対策による秘密保持に合わせて、セキュリティ対策を行うケースも多いです。 - ・応接室
来客者をもてなす応接室も防音対策が必要です。応接室内での会話が漏れないようにするだけでなく、オフィス内の騒音が応接室の中まで伝わらないようにするという配慮もあります。
オフィス内でも、上記のような少し特殊な用途の部屋に防音対策が施されることが多いです。それでは、具体的にどのような対処がなされるのかも以下で見ておきましょう。
壁や床に吸音材を
オフィスでの防音工事で、壁の素材まで選べるという場合、コンクリートなど密度の高い素材を採用すれば、高い遮音性を発揮します。ただ、ほとんどのケースはそこまで出来ませんし、パーテーションなどで会議室を区切るといった対応が一般的です。そしてこの方法で会議室を作る場合、天井や床とつなげるようにして、さらにグラスウールやロックウールといった吸音性の高い素材が使われたパーテーションを採用すると良いでしょう。
床に関しては、フローリングを採用するよりも、吸音性の高いカーペットを採用するのがオススメです。タイルカーペットを利用すれば、区画に合わせて可変できますし、デザイン性も豊富なのでオフィス内のデザインを壊すこともありません。タイルカーペットは、土足でも汚れがあまり目立ちませんし、万一汚れたとしても部分的な張替えで対処することができます。足音などを階下に伝えないという防音効果も得られるので、オフィスの床には最適です。
ちなみに、後付けで会議室や応接室を構築する場合には、可能な限り隙間ができるのを防ぐように材料を選ぶのがオススメです。移動可能なパーテーションは非常に便利ですが、会議室や応接室など、秘匿性の高い話をする、会議や打ち合わせの邪魔になる騒音が入らないようにするには隙間なく区切るようにしましょう。ドアなどに関しても、音楽用とまでは言いませんが、簡易的な防音ドアを採用しておくのがオススメです。
サウンドマスキングを活用する
サウンドマスキングは、ヒーリング音楽などを背景音として流すことで、会話など聞こえてほしくない音を上書きするという方法です。静まり返った状況での会話は良く聞こえるものですが、背景音があると、人の声が拾いにくくなるので、騒音に感じないような背景音をわざと流しておくという技術になります。
音源とスピーカーがあればすぐに導入可能で、比較的ハードルが低い防音対策になります。
防音ガラスで仕切る
オフィス内のデザイン性も重視したいという場合に人気なのが、遮音性が高いツインガラスを用いて各エリアを区切るという手法です。皆さんも、窓の防音性を高めるため、複層ガラスと言うものがあるというのがご存知だと思います。複層ガラスは、複数のガラスを組み合わせて、ガラスとガラスの間に空気層を作り、遮音性と断熱性を高めることができる素材です。
会議室の壁としてガラスを採用すれば、クリアで清潔感のある素敵なオフィスに仕上げることができます。会議室を利用していない時は、空間を広く演出することができるようになりますし、会議中はブラインドなどで視線を遮れば、落ち着いて会議ができるでしょう。近年、オフィス内のデザインにこだわる企業が多いのですが、これは「綺麗なオフィス」であることが、従業員のモチベーションを向上させることにつながり、作業効率や生産性を高めると言われているからです。防音性を高めながら、従業員のモチベーションまで高められる方法ですので、非常にオススメです。
まとめ
今回は、オフィスでの防音工事について、オフィスの音漏れ原因や実際に防音工事をする場合には、どのような対策が考えられるのかをご紹介してきました。この記事でご紹介したように、オフィスの音漏れは、会議室としてパーテーションなどで区切っていたとしても、上下に隙間ができるような状態で終わらせているというケースが非常に多いです。この場合、会議室内での会話は外に筒抜けになってしまいますし、会議エリア以外で生じる音が入ってきて、会議の邪魔になってしまうことすら考えられます。
オフィスでは、秘匿性の高い情報も多いですし、中には一部の従業員のみで共有して、他の社員には聞かせられないような話もある事でしょう。そういった秘匿性の高い話をする場合、しっかりとした防音対策を施しておかなければ、どこから情報が洩れるのか分かったものではありません。
現在、オフィス内の音環境の改善をご検討中の企業様があれば、お気軽に弊社までお問い合わせください。防音工事の匠は、一般住宅の防音工事だけでなく、店舗やオフィスでの防音対策も請け負っています。