防音カーペットの基礎知識。カーペット選びの際におさえておきたいポイント!
マンション暮らしをする方が増えてきた近年では、集合住宅での騒音トラブルが非常に多くなっていると言われています。特に新型コロナウイルスの影響で、テレワークが普及し始めたことにより、小さなお子様が走り回る足音やペットの足音などにより、階下の人からクレームを入れられてしまった…なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。
小さなお子様やペットなどは、口で言っても言うことを聞かせるのにも限界がありますし、親世代は「また下の階の人から苦情を言われるのでは…」などとびくびくしながらの生活になり、ストレスが溜まってしまうことも少なくありません。
そこで注目されているのでが「防音カーペット」などと呼ばれる製品で、フローリングが当たり前のマンションなどでは、床の防音対策として非常に有効だと言われているのです。最近では、ネット通販などでも、カーペットの防音性能を前面に押し出した広告なども増えており、多種多様な製品が登場しています。しかし、多くの製品が登場してきたことで、逆に「どれを選んだら良いのだろう?」と防音カーペット選びに困ってしまっている方も少なく無いようです。
そこでこの記事では、防音カーペット選びの際にぜひ押さえておきたいポイントをご紹介していきます。
カーペットの性能を表す「遮音等級」
マンションなどで生活する場合、お隣から聞こえてくる話し声やTVなどの音も気になりますが、最も多い騒音問題が上の階から聞こえてくる足音などです。こういった音は、重く響く音になりますので、想像以上に不快感を与えてしまう場合も珍しくなく、テレワーク中にずっと走り回る足音が聞こえてきてしまうと、「仕事に集中できない…」とクレームの一つもいれたくなるものなのです。もともと、マンションなどではフローリングが採用されているのが普通で、掃除などを考えると便利なのですが、階下への防音のことを考えると、少し心もとないのです。そこで注目されているのが、防音カーペットなどと呼ばれる製品です。
もちろん、カーペットにも防音が目的となっているわけではない、一般的なものもあるのですが、中には「高い遮音性を持っている」ということがメリットの製品があるのです。そして、こういった防音カーペットと呼ばれる製品は『遮音等級』と言うものが「どの程度の防音効果を持っているのか?」の基準となります。
カーペットをはじめとする床材の遮音性については『L値』による表記が一般的で、このL値は、「スプーンなどの硬質な物体が床に落下した時」や「イスを引き摺った時」などに発生する音の遮音性を表しています。
なお、このL値に関しては「△LL-3」などと表記され、LLの後に続く数字が大きくなればなるほど遮音性能が高いという意味になります。
防音目的にカーペットを探す場合には、このL値を確認しながら探すのがオススメです。ただし、この遮音等級の表記が無いからと言って、そのカーペットに全く遮音性がないのかというと、そうではないのであくまでも参考として考える程度でよいでしょう。
新基準「△L等級」について
床衝撃音の遮音等級については、もととも「推定L等級」が使用されていました。しかし、2007年にJIS規格(床衝撃音レベル低減量の測定方法)が改訂されたことで、新基準となる「△L等級」が定められています。「△L等級」は、正確な製品の相互比較を可能にするという目的で、試験方法及び床材の材料や構造などの条件が統一されています。
なお、現在は、「推定L等級」から新「△L等級」への移行が実施されている所です。そのため、「△L等級」ではなく、従来の「推定L等級」が記載されているから「遮音等級が無い」というわけではありません。旧基準に関しても、検査結果に基づいた数値ですので、遮音効果が期待できる防音カーペットであることに間違いありません。
防音カーペット選びのポイント
それでは、防音カーペットを選ぶときに考えておきたいポイントをご紹介していきましょう。通常のカーペットではなく、防音カーペットを選ぶというのは、自分たちが生じさせる生活音が、階下に迷惑にならないようにと考えてのことだと思います。しかし、カーペットというものは、室内のインテリアとしても目立つものですし、日常的なお掃除のしやすさなども考えておかなければいけません。
要は、カーペットの遮音性能だけに注目するのではなく、単純にカーペットとしても気に入っている製品なのかも考えなければいけないわけです。ここでは、カーペット選びをする際に注意しておきたい、いくつかのポイントをご紹介しておきます。
遮音等級に関して
引用:楽天より
床の防音目的でカーペットを購入する場合、遮音性を客観的な数値で表してくれているカーペットを購入するのがオススメです。遮音等級が表記されている製品は、検査機関できちんと測定がなされたという証拠でもありますので、数値通りの遮音性を期待することができます。
なお、遮音等級が付いていないということで、「防音性が期待できない!」ということではないので、その辺りは注意しましょう。
そもそもカーペットというものは、フローリングやコンクリートなど、他の床材と比較すれば、防音性が高い素材という特徴を持っています。つまり、遮音等級のあるなしに関わらず、カーペットを敷けば、階下に響く音を緩和させることは可能だということです。遮音等級をつけるには、莫大な費用をかけて検査を行わなければならないため、遮音等級が付いたカーペットは、ない物と比較すれば高くなってしまいがちです。そのため、「防音仕様」などと記載されているのに遮音等級がない製品は、ウソを言っているわけではなく、リーズナブルに販売するため、わざと遮音等級をつけていないのです。
防音目的の場合、遮音等級に目が行ってしまうものですが、カーペットの目付量(毛の密度)、クッション性、アンダーフェルトのあるなしなどで、防音性が期待できるかどうかがある程度判断できますので、無理に遮音等級に拘らなくても良いです。
大きさに関して
カーペットを選ぶときには、大きさも重要です。例えば、部屋全体に敷き込むのか、部分的に敷くのかによって必要な製品が変わりますよね。まずは、どのぐらいのサイズが必要なのかを検討しましょう。
部屋全体に敷き込みたいと考えるのであれば、サイズオーダーができるようなお店、製品を選択する世にしましょう。隅々まで防音カーペットを敷き込めば、お子様が室内で駆け回っても、ゆったりした気持ちで見守ることができます。また、転んでも怪我しにくくなるという副次効果まであるでしょう。お店によっては、柱などの凹凸部分に合わせてカットしてくれるようなサービスもあります。
一方、部分的に使用したいというのであれば、ウレタンフォーム入りの低反発ラグなどがオススメです。これであれば、音が生じやすい部分を中心に設置できます。
機能性に関して
防音カーペットは、防音だけにこだわるのではなく、その他の機能性にも注目するのがオススメです。最近のカーペットは、さまざまな機能性が付属されており、例えば「はっ水」「防ダニ」「防炎」「抗菌消臭」などの機能を持った製品があるのです。
小さなお子様がいて、食べ物や飲み物をこぼしても大丈夫なようにと考えるなら「はっ水加工」がオススメですし、「抗菌・消臭機能」付きであれば、部屋の空気をクリーンに保ってくれます。せっかくカーペットを購入するのであれば、日常生活での使い勝手などもよく考えて、付属機能にも注目しましょう。
さらに、デザイン性に関しても、さまざまなモノが登場していますので、部屋のインテリアなどのことも考えて、デザインを選ぶのがオススメです。防音目的だから…と、部屋の雰囲気が壊れてしまうのはよくありません。
まとめ
今回は、階下の方へ配慮として、床の防音対策に効果的と考えられている防音カーペットの基礎知識をご紹介してきました。防音カーペットの性能に関しては、遮音等級というものが存在しており、客観的な数値で確認することが可能です。したがって、床の防音目的でカーペットを購入する場合には、この遮音等級に注目するという方がほとんどだと思います。
しかし実は、遮音等級が付いていないカーペットの中にも、十分な防音性能を持った製品も存在しており、「遮音等級がない物は防音の役に立たない」わけではないのです。遮音等級をつけるには、高額な試験が必要になりますので、その分、製品価格が高くなってしまい、消費者にとってはあまりうれしくない状況になってしまいます。
カーペットの防音性能に関しては、カーペットの目付量(毛の密度)、クッション性、アンダーフェルトのあるなしなど、製品のつくりなどである程度判断できますし、そういったものの中から選ぶのも良いと思いますよ。