賃貸住宅だけど防音室が欲しい!賃貸で防音工事を希望する時におさえておくべきポイント

今回は、最近増えている賃貸住宅に対する防音工事の問い合わせについてまとめてみたいと思います。

日本では昔から人生の目標としてマイホームの購入をあげる方が多く、結婚などを機に戸建て住宅の購入を決断する方が多いです。ただ、日本国内の持ち家率は未婚率が上昇するのに伴い、年々低下しているというデータがあります。総務省が定期的に行っている日本国内の住宅関連に調査によると、2018年における日本国内の持ち家率は61%程度となっており、約4割の方は賃貸住宅で生活しています。これは、日本人の晩婚化や未婚率の上昇により、マイホームを購入するきっかけを失っている方が多いからではないかと予測されています。

賃貸住宅であれば、立地や隣人関係などに何らかの問題が生じた時でも、自由に引っ越しすることができるなどと言った気軽さをメリットと考える方が多くなっており、特に若者世代であれば「一生賃貸住宅でも構わない!」と考えている方の割合が増えているように思えます。ただ、賃貸住宅はあくまでも物件オーナー様のものですので、部屋の内装や機能面などについて、住人が自由にカスタマイズすることができないという点は注意が必要です。
弊社にも、「賃貸住宅に住んでいるのですが、動画配信用に防音室を作りたいのですが?」といった問い合わせが増えています。しかし、こういった希望を持っていたとしても、賃貸の場合は持ち家と同じような対応が難しいケースも少なくありません。そこでこの記事では、賃貸住宅に住んでいる方が防音室を作るためにおさえておくべきポイントをご紹介します。

賃貸住宅で防音室を作ることは可能?

まず結論からご紹介しておきますが、「賃貸住宅で防音室が作れるのか?」という問題について、その答えは大家さんの許可があるのであれば賃貸でも問題なく防音室が作れます。

ただ注意しておきたいのは、持ち家に防音室を設置する場合と異なり、防音室を作るための工事費用以外にも、退去時に原状回復費用が発生してしまうということです。賃貸住宅は、上述したように物件オーナー様の所有物であり、住人は一時的に借り受けている状態です。そして、借りている部屋について、経年劣化による損傷など以外については「借りていた状態」まで原状回復をして返さなければならないという決まりになっているのです。これは防音室など、本格的な工事に限らず、細かな部分の劣化やカスタマイズも借りた状態に戻す必要があります。(※実際には、元に戻すために工事費を請求される形です。)

つまり、賃貸住宅に防音室を作りたいと考えている時には、現状回復を前提として、「どこまで戻さなければならないのか?」を事前に大家さんと打ち合わせしておく必要があります。もちろん、原状回復のラインについては、大家さんとの打ち合わせに防音工事業者も立ち会ってもらい、必ず書面で取り決めておく必要があります。これをしなければ、後から「言った・言わない」のトラブルに発展する恐れがあります。

なお、近年では戸建て賃貸の需要が高くなっています。そして、賃貸の中でも戸建ての場合は、防音工事を行ったとしても原状回復をしなくても良いと言われるケースがあるようです。

賃貸住宅で防音室を作る場合のポイント

それでは、賃貸住宅に住んでいる方が、本格的な防音室を作りたいと考えた時、絶対におさえておかなければならないいくつかのポイントをご紹介します。

①原状回復義務について

上でも少し触れているように、賃貸物件に何らかの手を加える場合には、退去時に現状復旧費がかかるということを抑えておかなければいけません。賃貸物件は、原則として住人に現状回復義務がありますので、防音室を作るといった工事を行った場合、退去時には元の状態に戻さなければいけません。

賃貸物件は、住人さんが毎月家賃を支払っているとはいえ、所有者はあくまでも物件オーナー様です。したがって、日本の法律では、賃借人は退去する際には、原状回復をしなければならないと定めているわけです。なお、原状回復については、「入居時の綺麗な状態にまで戻さなければならない」と認識している方が多いのですが、実際には「通常の居住の仕方では壊れたり汚れたりしなかったはずの状態にまで戻す」というのが現状の解釈の主流です。

例えば、どのような方が生活している場合でも、住居というのは経年劣化が進みます。タバコを吸わない、ペットも飼育していない、定期的に部屋の掃除を行っているという良質な賃借人であっても、長年同じ場所に住んでいれば、フローリングに傷がついたり、クロスが黒ずんだりしてしまいます。そして、こういった住人にはどうすることもできない経年劣化による損傷などは、原状回復の対象にはなりません。

ちなみに、防音工事を行い防音室を作るというのは、「通常の居住の仕方」ではありませんので、原状回復義務がありますよ。それでは、原状回復費を想定しておけば、住人が自由に防音室を作って構わないものなのでしょうか?実は、原状回復費を支払う想定でも、勝手に防音工事を行うことはできません。

②防音室を作るなら「大家さんの許可」が必須

楽器演奏などにも耐えられるような本格的な防音室を作りたい場合、壁や床、天井などに手を加えなければいけません。そして、「退去時に原状回復をすれば良い!」と住人さんが勝手に判断し、大家さんに無断で行ってしまうと、「用法遵守義務」に違反したとみなされてしまう恐れがあります。

「用法遵守義務」は、民法で定められているもので、「賃貸借契約によって定められた用法に従って、目的物を使用しなければならない」という義務の事を指しています。例えば、ペット禁止の物件にて隠れてペットを飼育している、一般住居として借りているのに店舗や事務所利用しているといった状況が該当します。そして、建物の構造に影響を与えるような大掛かりなリフォーム工事を勝手に行うことも、「用法遵守義務」違反に該当するのです。

したがって、賃貸物件に防音室を設置するような大掛かりなリフォーム工事を行いたいのであれば、まず最初に大家さんもしくは管理会社さんに相談し、工事の許可をとらなければならないと考えてください。

物件の価値が上がるのでは?

賃貸物件での防音工事は、原状回復費がかかる、物件オーナー様の許可が必要という2点を抑えておかなければいけません。なお、物件オーナー様の許可については、「防音室ができれば物件の価値が上がるし、工事費を住人が支払うなら大家さん的にも得なのでは?」と考える方もいます。そして、こういった考えのもと、勝手に大掛かりなリフォーム工事を行ってしまう人は一定数いるそうです。
ちなみに、現代の賃貸需要に合わせて、「和式トイレをウォシュレット付きの洋式トイレに交換する」など、誰にとっても有益な工事の場合、『有益費』として工事にかかる費用を大家さんに請求できるケースがあります。ただし、こういったケースについても、事前に大家さんに相談して、許可が得られているものに限られます。

防音工事については、ほとんどの方にとって有益だと考えられる工事ですし、防音室付き物件としてアピールできるようになるので、大家さんにとっても有益なはずです。しかし、賃貸経営というものはそこまで単純なものではなく、他の物件と比較した時に「奢侈(しゃし:度を過ぎてぜいたくなこと)」とみなされ、大家さんから許可が下りないケースも珍しくありません。
賃貸で暮らしたい方で、どうしても防音室が欲しいのであれば、防音物件を探すか、物件探しの際に「後から防音工事などのリフォームを認めてくれる」という条件を付けくわえておくのがオススメです。

賃貸住宅はどうしても防音室を作れない場合もある

ここまでの内容で分かるように、賃貸住宅に住んでいる方が、楽器用など本格的な防音室を求める場合、防音工事にかかるコスト以外にも、将来的な原状回復費や物件オーナー様からの許可が必要不可欠です。逆に言うと、物件オーナー様からの許可が無ければ、いくらお金を持っていたとしても、防音室を作る工事を行うことができません。

この場合には、問題となっている音の大きさや種類ごとに適切な防音対策を自分で行うしかないでしょう。

  • 外からの騒音が気になる場合
    窓や換気口から騒音が侵入していると考えられます。防音工事を認めてもらえない場合、カーテンを防音仕様のカーテンに交換する、換気口に消音材を設置するなどと言った対策を行うと良いでしょう。
  • お隣の住人の声やTVの音が気になる場合
    お隣に住む人の声やTVの音など生活音に悩まされている場合、壁に防音パネルなどを設置する方法があります。この他にも、大型家具を騒音源側の壁に設置するなどと言った方法も有効です。
  • 足音がうるさいと言われた場合
    階下の人から足音がうるさいなどと苦情を言われたときには、床に防音カーペットやコルクマットなどを敷くと良いです。この他にも、室内を移動する時にはスリッパをはくようにするなどと言った対策で足音を軽減することが可能です。

上記のように、生活音レベルの音の問題であれば、自分で防音対策を施すことで音を軽減させることが可能です。ただ、防音室を求める理由が「自宅で楽器の練習をしたい」など、大きな音が生じると想定できるのであれば、こういった対策では不十分だと考えなければならないでしょう。楽器の演奏目的に防音室を作りたいと考えたものの、大家さんからの許可が出ない場合、自宅での演奏を諦めるか、思い切って防音室付き物件に引っ越しするのがオススメです。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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