自分の部屋を防音室にするための費用とは?専門業者による防音リフォームの費用相場

今回は、さまざまな音の問題を抱える方が増えている中で、自分の部屋を防音仕様にリフォームしたいと考えた場合、その防音リフォームにいくらかかるのかについて解説します。なお、一口に防音リフォームと言っても、部屋全体を防音室に作り替える工事から、現在気になっている音を軽減できれば良いなど、簡易的な防音工事まで、さまざまな対策が考えられます。もちろん、採用する手法によって防音工事にかかる費用が変わりますので、自分が考えている防音のレベルなら「どのぐらいの費用がかかるの?」と疑問に感じる方が多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、防音工事をいくつかのレベルに分け、専門業者に防音リフォームを依頼する場合の費用感を解説していきます。なお、記事内でご紹介する費用は、あくまでも一般的な概算費用ですので、具体的な費用が知りたい方は、お気軽に防音工事の匠にご相談ください。

防音工事は「どれぐらい防音したいか?」で費用が変わる

防音リフォームを検討している人でも、「なぜ防音工事が必要なのか?」という防音の目的は異なるはずです。例えば、自宅で楽器の演奏を考えているため、近隣の方に配慮したいという方がいれば、その逆に、ご近所さんの飼っているペットの鳴き声に悩んでいるなど、騒音を少しでも軽減したいと考え防音工事を検討するというパターンなどが考えられます。

そして、「どのような防音対策が必要なのか?」は、お客様が抱えている音の悩みによって全く異なり、工事にかかる費用も違ってくるのです。多くの方は「防音工事=高い」というイメージを持っているようですが、日常生活の中にある軽度な生活騒音を軽減するための防音工事の場合、皆さんが考えているほどのコストはかかりません。

ここでは、問題となっている音のレベル別に、防音工事にかかる費用感をご紹介します。

レベル1 今より少しでも音が小さくなれば良い

これは、自分たちが生じさせる生活音レベルの音が外に漏れにくくしたい、または目の前が公園になっている、幹線道路だという方が、外から侵入してくる音を少しでも軽減したいと考えて行うレベルの防音工事です。具体的な例を以下にあげてみます。

  • ・小さな子供がいて、足音や騒いだ時の声でご近所さんに迷惑をかけないようにしたい
  • ・ペットの鳴き声で迷惑をかけたくない。その逆に、近所のペットの声を軽減したい
  • ・目の前が公園で、子供の声がうるさいから少しでも軽減したい
  • ・隣の住人が夜遅くまで大きな音でTVを見ている。寝られないから音を軽減したい

このように、日常生活の中にある生活音を少しでも軽減したいと考え、我々のような防音工事会社に相談してくる方が多くなっています。そして、このレベルの防音リフォームとなると、「窓だけ」「壁だけ」「ドアだけ」など、部分的な防音リフォームとなるので、工事にかかるコストは一般的な防音室工事のイメージよりもかなり安くなります。

費用感としては、「5~25万円前後」となるケースが多いです。注意しておきたいのは、部分的な防音対策となりますので、問題となっていた音は小さくなるだけで聞こえなくなることは少ないです。

レベル2 テレワークや動画配信など、ある程度防音したい

近年増加している防音工事の相談がこのレベルです。例えば、コロナ禍以降もテレワークが続くことになったため、自宅で家族に迷惑をかけないようテレワーク用の部屋を作りたいとか、ユーチューバーなどの動画配信者さんが、多少の大声であれば外に漏れないようにしたいといった要望です。具体的には、以下のような相談があります。

  • ・テレワーク中に、家族が生じさせる音や屋外からの音が侵入しないようにしたい
  • ・ゲーム配信で時々大声を出すので、それなりの防音効果が欲しい
  • ・動画の世界観を壊さないために外から侵入する音を無くしたい

こういった要望の場合、楽器防音など、本格的な防音室の性能まではいかないものの、それなりの性能を持つ防音室にしなければいけません。クローゼットなどを簡易的な防音室に作り替えるケースなどが多いですが、このレベルであれば、35~100万円程度で防音リフォームが可能です。

レベル3 楽器やホームシアターなど、本格的な防音室が欲しい

最後は、楽器やホームシアター、カラオケルームなど、通常の生活音とは比較にならないほど大きな音を生じさせると想定している時の防音工事です。この場合は、近隣に音で迷惑をかけないよう、最も高いレベルの防音工事が必要になります。簡単に言うと、専門業者に目的に合わせた防音室を作ってもらうといった防音リフォームになります。

楽器やカラオケ、ホームシアターレベルの防音室となると、工事にかかる費用も上で紹介した部分的なリフォームよりもかなり高くなります。なお、演奏する楽器の種類や演奏する時間帯などによって必要な性能が異なるので、その辺りは注意してください。ただ、本格的な防音性能を持つ防音室を作る場合、最低でも200万円前後の費用がかかりますし、ドラムなど振動を伴う楽器の防音となると、500万円以上のコストがかかるケースも珍しくありません。

ちなみに、防音室工事は、部屋が広くなるほど価格が高くなります。

防音リフォームではどのようなことが行われるの?

それでは、上述したレベル別の防音リフォームについて、具体的にどのような対策が行われているのかについても簡単に解説します。

レベル1 今より少しでも音が小さくなれば良い場合の対策

レベル1の防音対策となると、専門業者に依頼せずに、自分で対策を行うことも可能だと思います。もちろん、窓を二重窓にするといった対策までになると、専門業者に依頼しなければいけませんが、以下のような対策でも多少の効果を見込むことができます。

  • ・窓やドアに隙間テープを設置し、隙間を埋める
  • ・壁に吸音ボードを貼り付ける
  • ・防音カーテンを設置する

近年では、ホームセンターやネット通販で、誰でも防音対策グッズを手に入れることができるようになっています。したがって、費用をあまりかけずに音の問題を少しでも解消できれば…と考えているのであれば、自分で対策を施してみるのもオススメです。

レベル2 ある程度防音したい場合の対策

次は、外からの音の侵入で仕事に集中できない…、動画配信の音で家族や近隣の人に迷惑をかけたくないなど、ある程度の防音効果を求めている場合の対策です。このレベルになってくると、防音の知識を持っていない一般の方が自分で対策を施すのは難しいと思います。

  • ・窓ガラスを防音ガラスに交換する
  • ・二重窓にする
  • ・防音ドアに交換する
  • ・壁の中に吸音材や遮音シートを設置し、防音壁にする

上記のように、部分的に防音リフォームを施すケースが多いです。ただ、狭くても良いので「テレワーク用の防音室が欲しい」という要望も多くなっていて、この場合、クローゼットを簡易の防音室に作り替えるといった対策が施される場合が多いです。

レベル3 本格的に防音したい場合の対策

これは、言うまでもなく、既存の部屋を防音室に作り替えるという工事になります。なお、ユニット型防音室を購入し、部屋の片隅に設置するという方法もありますが、防音室としての性能や使い勝手は、防音リフォームで自分専用の防音室を作る方が優れた性能を発揮します。

防音室を作る工事については、窓やドアなどの開口部はもちろん、壁や床、天井など、部屋の全ての部分に対して防音対策を施します。そのため、工事にかかるコストは高くなるのですが、高い防音効果を実現できます。

まとめ

今回は、音の悩み別に、業者に防音対策を依頼した時の費用感や、具体的にどのような対策が行われるのかについて解説しました。記事内でご紹介したように、防音工事と聞くと、非常に高額なリフォーム工事というイメージを持っている方が多いのですが、抱えている音の悩みによっては10万円以下で対策が可能な場合もあるのです。

防音対策は、皆さんが考えている以上に複雑なもので、悩んでいる音の種類によって必要な対策は全く違ってきます。そのため、防音に関する知識が無い人が対策を施した場合、コストをかけたのに音が軽減されなかった…なんてことになる可能性があります。現在、何らかの音の問題を抱えているという方がいれば、お気軽に弊社までお問い合わせください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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