防音工事を依頼する人が増えている?実際、防音工事を決断する人って何に悩んでいるの?
近年では、戸建て住宅やマンションなど、お住いの種類に関係なく自宅の防音対策のために専門業者に防音工事を依頼する方が増加していると言われています。
これは、マンションなどの集合住宅で暮らす方が増えているのも大きな要因ですが、都市部などとなると、家を建てるために広い土地を確保するのも難しく、近隣住宅との距離が非常に近くなっているため、何気ない生活音などでも騒音トラブルに発展してしまうことがあるからです。
実際に、この記事を見ていただいている方の中にも、日常生活上で発生する音に悩んでしまい「うちも防音工事が必要かな?」などと、専門業者による防音工事を検討中だ…という方も多いのではないでしょうか?しかし、DIYなどで行う簡易的な防音対策ではなく、専門業者による工事となると、やはり「いくらぐらいかかるのだろう?」ということが気になるのではないでしょうか?ネットで少し調べてみると、本格的な防音工事を行う場合には、数百万円単位の費用が必要になるなんて情報もありますし、実際に防音工事を決断する人は「どんな悩みを抱えているのだろう?」ということが気になってしまうものです。
そこでこの記事では、専門業者に防音工事を依頼する方が「どんな音の悩みを持っているのか?」について、代表的な防音工事の目的をご紹介していきたいと思います。
防音工事を決断する主な要因とは?
冒頭でもご紹介したように、近年では高い防音性能を求めて、専門業者による防音工事に踏み切る方が増加していると言われています。これは、マンションなどで暮らす方が増加し、隣家との生活空間が一昔前よりも近くなってしまったというのが大きな要因でしょう。
例えば、しっかりとした防音性能を持っていそうなマンションなどであっても、「上階から聞こえてくる足音が気になる…」「隣の家の子供の泣き声で眠れない…」なんて話はしばしば聞かれますし、こういった生活音を原因とした近隣トラブルも急増していると言われているのです。「うちは戸建住宅だから大丈夫!」なんて考えている人がいるかもしれませんが、最近の都市部の戸建て住宅などになると、庭などが無く、隣の家との距離がわずか数十センチしかない…なんて場合も少なく無いのです。
このような状況では、毎日楽器の練習をしたい、映画館のような大音量で映像を楽しみたいなどと思ってもとても難しい話です。しかし、専門業者による防音工事を行えば、家の中でどれだけ音を鳴らしたとしても、その音が外に漏れ出ることがなく、周辺の居住環境やご近所づきあいを良好に保つことができるようになるのです。
実際に、ここ数年、以下のような目的で防音工事に踏み切る方が増加していると言われています。
目的① 生活音の悩みを解消したい…
小さなお子様がいるご家庭であれば、『音』の問題とは切っても切れない関係があるのです。小さな子供に、常に静かにしていろと言っても難しい話ですし、そもそも子供の成長を考えると、多少の音で叱るのもかわいそうです。一昔前であれば「子供は泣くのが仕事」などと言った考えもあり、特に防音工事が必要になることも少なかったのですが、プライベートを重視する近年では、こういった生活音がトラブルの原因になるのです。
そこで小さなお子様がいるご家庭では、子供が飛び跳ねたり泣いたりしても迷惑にならないようにする、気兼ねなく子供が遊べるようにするなどと言った目的で防音工事を行うご家庭が多いのです。特にマンションで暮らす家族の場合、床や窓などの防音対策を相談する方が多いです。
なお、賃貸住宅の場合は、オーナーさんの許可が必要になりますので、きちんと確認を取ってから対策をするようにしましょう。
目的② ペットの対策として
今や3世帯に1世帯は何らかのペットを飼っていると言われるほどで、この記事を読んでいる方の家にも犬や猫などのペットがいるかもしれませんね。マンションに暮らしている方でも当たり前のように室内で犬を飼うご家庭が増えており、ペットの足音や鳴き声がトラブルになることも少なくありません。
したがって、犬や猫などのペットを飼っているご家庭が、近隣の迷惑にならないように防音リフォームを検討するという場合が多いのです。ペットを飼っている方はあまり気にならないかもしれませんが、フローリングの上を犬が歩くときには、爪が床に当たるカチャカチャという音が階下に響いてしまう…ということは多いのです。他にも、留守中の鳴き声の問題などもありますので、近隣住人のことを考えて防音対策が必要になっているのです。
目的③ 楽器演奏のため
これは、マンション、戸建て共に防音工事を検討する方に多い理由です。音楽が趣味の方、音楽関係の仕事をしている方など、自宅で楽器の練習がしたい、演奏を楽しみたいと考える方は多いです。しかし、何の対策も行わないまま、ピアノやギター、ドラムなどを演奏してしまうと、その音で周囲の住民に多大な迷惑をかけてしまうことになるのです。
使用する楽器によって必要になる対策が異なりますし、本格的な防音対策のため、専門業者による防音工事が必須と考えましょう。
目的④ ホームシアターを設置するため
家を購入した時には、ホームシアターを設置したいと考えている方は多いです。しかし、映画館さながらの迫力を求める場合には、優れた音響システムも必須となるため、防音工事が必要不可欠なのです。せっかくホームシアターまで設置するのに、音漏れを気にして小さな音しか出せない…なんてことになっては意味がありません。しかし、何の対策もしないまま大音量で映像を楽しめば、ほぼ確実にクレームにつながることでしょう。
したがって、ホームシアターを作る際には、同時に防音工事を行うのが一般的となっています。
主な防音工事の種類と費用相場
ご自宅の防音対策を専門業者に依頼するのは、上記のような目的があるからです。ただし、一口に防音工事と言っても、実際に行われる対策はさまざまなものがあり、どういった工事を進めるのかによって大幅に費用が変わってしまうのです。
ここでは、主な防音対策の種類と、その費用相場を簡単にご紹介しておきます。
床の防音リフォーム
まずは、足音などの対策として行われる床の防音対策です。床の防音工事を業者に依頼する場合、20~60万円程度が費用相場と考えておきましょう。
具体的な対策としては、「防音性の高い床材を敷く」「床材の下に遮音性の高い建材を敷く」などと言ったものが多く、ドラム演奏の為など、本格的な防音の場合は「浮き床にする」などと言った対策があります。なお、床の防音対策に関しては、大掛かりな工事をしなくても「低反発素材のカーペットを敷く」「タイルカーペットを敷く」などと言った感じで、ご自身で行うこともできます。(もちろん、業者が行う物より性能は落ちます)
悩んでいる音の種類やご予算などから最適な方法を提案してもらいましょう。
壁の防音リフォーム
次は壁の防音対策です。壁のみの防音対策であれば、最大で70万円程度までというのが費用相場と考えておきましょう。
具体的な手法としては、「壁の内側に吸音材を敷き詰める」「部屋の内側に断熱性に優れたパネルを貼り増しする(少し狭くなりますが、部屋の快適性を高めることもできます)」などがあります。
なお、音漏れの原因がエアコンホースの穴や、換気口などと言った場合、穴をふさぐ対策や防音仕様の換気扇にするなどといった対策も有効です。この程度であれば、かなり安く済むでしょう。
窓の防音リフォーム
防音の面から考えると、窓はあくまでも開口部となってしまいますので、音漏れの原因になります。したがって、窓の防音対策もかなり有効です。
窓に施す防音対策は、「防音性の高い窓ガラスに変更する」「内窓をつけて二重窓にする」などと言った方法があります。窓への防音対策は、断熱性能も高めてくれますので、一石二鳥です。
費用は、新たに取り付ける窓のグレードのよっても大きく変わりますが、窓だけであれば15万円程度に収まる工事が多いです。
防音室を作る
楽器の演奏やホームシアターの設置などが目的の場合、本格的な防音室が必要になります。部屋全体への対策となりますので、最低でも100万円以上が費用相場となり、求める性能によっては500万円以上かかってしまうこともざらです。
対策としては非常に単純で、部屋の中に高い防音性能を持った防音室を作ると考えておけば良いでしょう。なお、既に防音ルームが出来上がっているキッドなども販売されており、それを設置する場合もあります。
※ここでご紹介した費用相場はあくまでも参考的な価格です。実際の防音工事では、「どんな音を防ぐのか?」「どの程度の性能が欲しいのか?」がご家庭ごとに異なるため、防音工事にかかる費用も大幅に違ってしまいます。
まとめ
今回は、近年増加していると言われている専門業者による防音対策について、実際に防音工事に踏み切る方が何を目的として業者に依頼しているのか?についてご紹介してきました。
この記事でもご紹介したように、マンション暮らしが当たり前となった近年では、隣家との生活空間が非常に近くなってしまったため、本当にちょっとした生活音から騒音トラブルに発展してしまうことも珍しくないのです。したがって、周囲の住民への配慮として、きちんと防音工事をしておこうと考えるわけです。もちろん、防音工事を進める場合には、それなりのコストがかかってしまうものですので、「どんな音を防ぎたいのか?」をしっかりと考えて、それに最適な対策を取ってもらうようにしましょう。
ちなみに、ご自宅で楽器の演奏を行う、大音量でホームシアターを楽しみたいと考えている方であれば、近隣住民に迷惑をかけないよう防音工事を行うのがマナーだと思いますよ。美しい楽器の音でも、迷惑に感じてしまう人がいるということを忘れてはいけません!