防音工事っていくらかかる?方法別に防音対策の費用相場をご紹介します!

今回は、ご自宅の防音対策を業者に依頼しようと考えた時に、誰もが気になる防音工事の費用相場について簡単にご紹介したいと思います。

マンションなどの集合住宅で暮らす方が増えてきた近年では、「子供が家の中を走り回るけど、迷惑をかけていないかな?」「楽器やテレビの音が外に漏れていないか心配…」などと言ったお悩みを持つ方が多くなっています。こういった生活上で生じる音については、きちんと防音対策をしておけば、近隣住民との騒音トラブルに発展することもなく、安心して生活することができるようになるのです。

しかし、防音工事は、通常のリフォーム工事とは異なり、特殊な技術を持った専門業者が施工を行うことになりますので、「防音対策をしたいけれど、いったいいくらぐらいかかるのかな?」と費用面に不安を感じてしまう方が非常に多いと言われています。確かに、プロの演奏家などが自宅に作る防音ルームに関しては、それなりのコストがかかってしまうのも事実なのですが、簡易的な防音対策として安価に音漏れを抑える方法もあるのです。
そこでこの記事では、防音対策の方法別に実際に工事を依頼する場合にかかる費用相場をご紹介していきたいと思います。

「何を防ぎたいか?」で防音工事の内容が異なる!

それではまず、皆さんが防音工事を業者に依頼する前に知っておきたい「防音の基礎知識」から簡単にご紹介しておきます。皆さんは『防音工事』や『防音対策』と聞くと、どのような対策がとられていると思うでしょうか?結局は「音漏れを防ぐための対策」として行うものですので、どのような住宅でも同じよな工事が行われていると考えるかもしれませんね。しかし防音工事というものは、そこまで単純なものではないのです。

そもそも、防音工事を思い立つ場合でも、「外からの騒音に悩んでいる…」「子供が家の中を走り回るから騒音を出していないか心配…」「自宅で楽器の練習が思いっきりしたい…」など、ご家庭ごとにその理由は全く異なるものです。つまり、無駄な防音リフォームをしないようにするためには、「どのような音を防ぎたいのか?」ということを明確にして、必要な場所に適切な防音対策を施す必要があるのです。
防音工事の内容については、以下のように『防ぎたい音』によって工事箇所や必要な対策が異なります。

外部からの騒音を防ぎたい…

防音工事は、何も自分が出す音が近隣に迷惑をかけないために…と考えて行うだけではありません。例えば、幹線道路や線路に面した住宅などであれば、屋外からの騒音を防ぐため防音対策を行うという場合もあるのです。こういった外からの騒音に対する防音対策としては、窓や壁の防音が効果的です。
そもそも音というものは、空気やものを振動させて伝わるものですので、窓や壁が薄い住宅などであれば、簡単に騒音が室内まで伝わってしまうのです。したがって、音を通してしまっている窓や壁に防音対策を施すことで、悩みの種となっている外からの騒音を遮ることができるようになるのです。
方法としては、窓を防音効果のあるガラスに交換する、壁に吸音材や遮音シートを使ってリフォームするなどが効果的です。ちなみに、窓や壁に防音対策を施したとしても、エアコンの配管などの隙間がしっかりと埋められていない場合、その隙間から音が入ってきてしまいます。こういった細かな隙間もきちんと埋めるように提案してくれる業者に依頼するようにしましょう。

生活音を外部に漏らさないようにしたい…

マンションなどの集合住宅であれば、周囲を他の住居に囲まれているので、生活音で近隣トラブルが発生してしまう…なんてことが多いです。特に小さなお子様がいるご家庭であれば、お子様が走り回る足音や大声が近隣に響いてしまい、クレームにつながる…といった事が多いのです。
生活音に関しては、ある程度致し方ない問題でもあるのですが、「近隣の迷惑になっていないかな…」などと不安を感じながらの生活は、ストレスになってしまいますので簡易的な防音対策を行うご家庭は多いです。例えば、階下への防音対策としては、壁の防音リフォームに加えて、床材に防音素材を用いるなどと言った対策があります。逆に、上の階の騒音に悩んでいる…といった場合には、ご自宅の天井に防音対策を施し、騒音をやわらげる方法もあります。

自宅で楽器の練習がしたい…

自宅でピアノやドラムなどの楽器を演奏したいという場合、何の対策もしなければ、大きな音が外に漏れてしまい、騒音トラブルに発展してしまう可能性が高いです。特に集合住宅などであれば、防音対策は必要不可欠だと考えておいた方が良いでしょう。
楽器演奏のための防音対策となると、部屋ごと防音リフォームを施し、防音ルームを作る必要があるでしょう。使用する楽器により、必要な対策が異なりますので、専門家と相談の上、防音室の仕様を決定する形となるでしょう。なお、ホームシアターを設置して映画館のような大音量で楽しみたいと考えている場合も、防音室を作るのがオススメです。

上記に様に、「どんな音を防ぎたいのか?」によって、必要な対策がかなり違ってきます。もちろん、防音工事にかかるコストも違いますので、まずは防音工事の目的を明確にすることからスタートしましょう。

方法別!防音工事にかかる費用相場

それでは、方法別に防音工事を依頼する場合の費用相場をご紹介していきましょう。

窓の防音対策の費用相場

まずは、窓に対する防音工事の費用相場です。採光などのことを考えると、住宅窓は必要不可欠なものと言えるのですが、こと『防音対策』だけを考えた場合、何の対策もしなければ確実に音漏れの原因となってしまう場所なのです。窓の防音対策としては、基本的に以下のような対策が考えられます。

  • 二重窓(内窓)にする・・・8~15万円程度
    既存窓の内側に内窓を取り付け二重窓にするという方法です。この方法は、単純に窓が2枚になり防音効果が得られるというだけでなく、外窓と内窓の間にできる空気層がクッションの役割を果たし、防音効果を発揮するのです。この対策にかかるコストは、新たに取り付ける窓のグレードによっても上下します。
  • 既存窓を防音ガラスに交換・・・5~15万円程度
    窓ガラスにもいろいろな種類があり、中には遮音性が高い防音ガラス(複層ガラス)というものがあるのです。したがって、既存窓を遮音効果が高い防音ガラスに交換することで防音効果を高めることが可能です。ただし、得られる防音効果は二重窓にする方法より劣ると考えておきましょう。

窓に施す防音対策は上記のような物が一般的です。下で紹介する『防音ルームを作る』といった手法では、窓自体を無くしてしまうこともあります。

壁の防音対策の費用相場

次は壁の防音対策です。壁の防音対策としては、壁の中に防音材を敷き詰めるという手法となります。なお、エアコンの配管などで、壁に開口部ができている場合、そういった隙間を塞ぐのもとても大切です。

  • 壁に防音材を入れる・・・12万円~
    壁の内側に防音材を敷き詰め、防音効果を高めます。壁の防音対策にかかる費用に関しては、部屋の広さや使用する防音材の種類によって変動します。ちなみに、防音材には音を吸収する「吸音材」、音を通さない「遮音材」、振動を伝えづらくする「防振材」などがあり、目的によって使用する物が変わります。
  • 壁の開口部を塞ぐ・・・1万円~
    壁にしっかりと防音対策をしたとしても、換気口や配管穴などの隙間があれば、そこから音漏れが発生します。したがって、こういった開口部も防音仕様にする必要があります。費用に関しては、なんでできた隙間なのかによって大きく変動しますので、専門業者確認してもらいましょう。

床の防音対策の費用相場

次は床の防音対策です。床の防音対策については、どの程度の衝撃音に備えるのかによって大きく異なります。床の衝撃音には、スプーンなどの硬質な物を床に落とした時に生じる比較的軽めで高音域の「軽量衝撃音(LL)」と、子供が飛び跳ねたり椅子を動かすときに生じる鈍くて低い「重量衝撃音(LH)」が存在します。
したがって、対策を行いたい衝撃音の違いによって必要な対策が異なり、コストも違ってくるのです。床の防音対策は、以下のような対策があります。

  • 床をカーペットに張り替え・・・5~12万円程度
    軽量衝撃音に対する防音に効果的なのが床材をカーペットに張り替えるという手法です。ちなみに、フローリングの上にカーペットを敷く方法とは違います。使用する材料によっても費用が変わります。
  • フローリング、カーペットを防音タイプにする・・・5~25万円程度
    こちらも軽量衝撃音対策です。床材の中には、防音タイプのフローリングやカーペットなどがあり、それらに交換する方法です。防音タイプの床材は、防音性能を表す遮音等級などがつけられており、防音効果が高いものほど高額になります。上述したカーペットへの張替えよりはコストがかかってしまいますが、より高い防音効果を得ることができます。使用材料や床面積により費用が変わります。
  • 重量衝撃音の対策・・・内容によりコストが変わる
    重量衝撃音の防音対策としては、床材の下に遮音材を充填することや、二重床にして防音材を置くといった手法が考えられます。重量衝撃音への対策は、構造部分に関わる問題でもありますので、大規模なリフォーム工事になり、工事内容によってコストも大きく違ってきます。まずは、どの程度まで防音が可能か、そもそも住宅がリフォームに耐えられるかなどを専門業者に相談してみましょう。

本格的な防音対策の費用相場

最後は、ピアノやドラム、ギターなどの楽器を、自宅でも思いっきり演奏したいと考える方が必要になる本格的な防音対策の費用相場です。楽器演奏のために防音ルームを作ろうと思えば、やはりそれなりのコストがかかってしまいます。また、使用する楽器によって音の性質が異なり、必要になる防音ルームのグレードが違ってきます。当然、グレードが高くなれば、それに比例してコストも高くなります。

  • 防音室を作る・・・200~400万円程度
    本格的な防音室を作ろうと思えば、どうしてもそれなりのコストがかかってしまいます。ちなみに、木造の場合は、もともと音が漏れやすいという特性があるため、同じような工事でも必要な対策異なり、費用が割高になってしまいます。一般的には、200~400万円程度が目安となるのですが、ドラムなどの、音が漏れやすい打楽器の高度な防音性を求める場合には、500万円を超えてしまうこともあります。
  • 組み立て式の防音室を設置する・・・50~250万円程度
    近年では、組み立て式の防音室が販売されており、それを購入して設置するという方法もあります。部屋を丸ごと防音リフォームするよりはコストを抑えることができるでしょう。組み立て式の防音室は、性能や広さなど、さまざまな商品の中から自分が求める物を探すことになります。そのため、完全なオーダーメイドではなくなりますので、何かしら我慢しなければならないポイントがあるでしょう。

まとめ

今回は、方法別の防音対策にかかる費用相場をご紹介してきました。この記事でもご紹介したように、一口に防音工事と言っても、どのような目的で防音対策がしたいのかはご家庭ごとに全く異なり、必要な対策も違ってくるのです。

まずは、「どのような音を防ぎたいのか?」という目的を明確にして、専門業者に相談するのがオススメです。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

[trustindex no-registration=google]

古民家再生ショールーム防音工事の匠はショールームがあります

ピアノ防音室

実際に防音工事の匠が施工した防音室で防音性能を体験することで、当社の防音室の機能・音響などを体感していただけます。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物にショールームがある会社さんが多い中、特に施工後にショールームと性能や音の反響がちがうといったトラブルが戸建てのお客様に多い業界ですが、町家再生事業として難易度の高い防音室を防音性能が最も出にくいとされる木造町家のショールームをご用意いたしました。

このページの先頭へ