自分で行う簡易防音対策!ホームセンターで手に入る防音対策に使えるアイテムは?
今回は、賃貸住宅に住んでいる方など、本格的な工事が難しくて、何とか自分で防音対策をしてみよう…とお考えの方に向けた記事です。
戸建住宅や分譲マンションなどであれば、必要に応じて本格的な防音対策を専門業者に依頼することができます。壁を一度壊してしまい防音仕様にする、部屋の中に防音室を作るなど、希望する防音能力に応じて臨機応変な対策をとることができるのです。しかし、これが賃貸住宅であった場合、いくら音の問題が生じたとしても勝手に壁のリフォームや窓の取り換えなど認めてもらうことはできません。
それでは、賃貸住宅に住む限りは、音の問題を我慢し続けなければならないのでしょうか?実はそのようなことはなく、自分で簡易的な防音対策を行い、音の問題を軽減することも不可能ではないのです。特に近年では、身近にあるホームセンターなどで本格的な建材が販売されるようになっていますし、ある程度器用な方であれば材料を集めて防音対策を進めることは可能です。
そこでこの記事では、一般的なホームセンターで手に入る、防音対策に有効なアイテムをいくつかご紹介していきたいと思います。
ホームセンターで手に入る防音対策アイテム
皆さんも一度はホームセンターに足を運んだことがあると思うのですが、近年ではプロ仕様のホームセンターなども登場しており、ホームセンターに置いてある商品だけで家を建てれるのではないかと思えるほどの商品ラインナップとなっています。もちろん、内装や建築関係に疎い方であれば、「こんなもの何に使うのだろうか?」と使用用途すらイメージできないような商品も普通に置いてあるお店が増えています。
実は、こういったホームセンターでは、居室の防音性能を高めてくれるアイテムもたくさん販売されているのです。ただし、一般の方からすれば、商品点数が多すぎて「どれを購入すればいいのかさっぱり分からない…」と考えてしまっているのではないでしょうか?そこでここでは、家の防音対策に効果的な商品をいくつかご紹介していきたいと思います。
カーペット・じゅうたん
『カーペットやじゅうたん』ときくと「防音には関係のない、ただの家具じゃん…」と考えてしまう人が多いです。しかし、適切な場所に利用するカーペットやじゅうたんは、決して馬鹿にできな防音効果があるのです。
特に最近では、フローリング仕上げのマンションが増加していることから、椅子を引く、硬質なものを落とすなどと言ったごく当たり前の行為でも、部屋の中に音が響いてしまい、階下の人が不快感を感じてしまう…なんてことがあるのです。実は、布団などの繊維質の物が部屋の中にあるだけでも、音の響き方が変わってくるほどなのです。
階下の人へ配慮するためにカーペットを購入しようと思う場合、ジョイント式のカーペットがオススメです。面積を測って、必要な枚数だけを購入すれば費用もおさえられますし、それなりの防音効果を期待することができます。なお、近年では、防音仕様のジョイントマットなども登場していますので、「遮音等級」などを確認し購入すると良いでしょう。
カーテン
これまた「普通の家具じゃん…」と思ってしまう方が多いです。しかし、室内からの音漏れや外部から侵入してくる騒音は、窓の防音性能の低さが原因となっている場合が多く、この部分をカーテンで対策してあげることで、「今まで気になっていた音が気にならなくなった…」なんてケースは多いのです。
特に最近では、『防音カーテン』などと呼ばれる厚手で重たいカーテンが登場しており、このタイプは吸音だけでなく遮音効果まで持っていますので、音漏れ・音の侵入両面の対策となります。カーテンはピンキリですし、陽を遮れれば良い…と言うのであれば、安価な薄手の物を購入するでしょうが、防音効果まで見込むのであれば、防音カーテンと呼ばれるタイプのどっしりとしたものを購入しましょう。
ウレタンスポンジ
ここからは少し本格的な防音アイテムになります。ウレタンスポンジは、防音用の発泡ウレタンシートになります。
このウレタンスポンジは、非常に吸音効果が高く、吸音のバランスも良いことで知られている防音材です。簡単に切り貼りもできますので、一般の方でも取り扱いやすいのも嬉しいポイントになるはずです。
ウレタンスポンジは、厚みや密度によってグレードが変わり、賃貸住宅の簡易防音で利用するシンプルなタイプだと「20×1000×2000mm・・・4,000円弱」で手に入ります。なお、高い吸音効果を得るために表面に凹凸がつけられているものもあるのですが、こういったタイプはもう少し高くなります。
部屋全面に張り付けるといった使い方ではなく、隣家に配慮してテレビの後ろに貼り付けておくなど、必要な場所にスポット的に利用するのがコストパフォーマンスも良いと思います。
グラスウール
住宅の断熱材としてもよく利用されるグラスウールも防音材として利用できます。グラスウールは、ガラス繊維で出来た綿のような素材で、上述したウレタンスポンジよりは吸音効果が若干低いものの、安価に手に入れることができるというメリットがあります。
ただし、他の吸音材と比較すれば、かなり安いというメリットがある一方で、自分で切り貼りする時などにガラス繊維が手にくっつく…など、取り扱いは少し悪いです。
有孔ボード
有孔ボードは、その防音効果を知らずに使っている人も多いかもしれません。要は、表面にたくさんの穴が空けられている木の板のことです。
この有孔ボードは、通常、吸音が難しいと言われる低音にも効果があるのですが、使い方は意外とコツがいりますので注意しましょう。なお、ホームセンターなどで販売されている有孔ボードは、「4×910×1820mm」程度の大きさの板で2500円程度と意外に高い点も注意が必要ですね。
音の問題が「低音」の防音や吸音であれば、非常に有効なアイテムになりますので、導入を検討するのも良いのではないでしょうか?
隙間テープ
これは、簡易防音対策のアイテムとしては非常に有名です。音漏れは、窓やドアの小さな隙間から生じてしまいますので、その隙間を埋めることで、居室の防音性を高めるという考え方です。
例えば、ドアを閉める時に大きな音が鳴って苦情を入れられた…なんて場合には、戸当たりテープとして使用することもできますし、ドア下に大きな隙間があれば、その隙間を埋めるためにも使えます。ホームセンターなどでは、切り売りされていますので、必要な分だけを購入することができるのも嬉しいポイントです。ちなみに、こういったドアの隙間埋めは、エアコンなどの冷気・暖気が逃げていくことも防げますので、光熱費削減にも一役買ってくれます。
ちなみに、隙間テープは100円均一などでも販売されていますが、耐久性の問題などもあり、こちらはあまり防音効果はないと考えた方が良いです。
制振ゴム系素材
制振ゴムや防振ゴムなどとして販売されている重たくてどっしりとしてゴム板です。
このゴム素材は、滑り止めなどにも利用されているのですが、簡易防音対策アイテムとしても有効です。例えば、ドアの隙間を塞ぐために利用する場合があります。他には、洗濯機やエアコンの室外機など、振動音を生じる設備について、振動を抑える効果があります。
あまり意識する人がいないのですが、洗濯機や室外機の振動音は、気になる人も多く騒音トラブルの原因になるケースも少なくありません。使い方は、洗濯機や室外機を設置する際に、下に敷くだけです。
まとめ
今回は、ホームセンターなどでも手に入る簡易防音対策アイテムについてご紹介してきました。この記事でもご紹介したように、賃貸住宅で音の問題を抱えてしまった場合、専門業者に防音工事を依頼することもできず、ずっと音の問題に悩まされてしまう…と言う方が近年増えています。マンションやアパートなどは、壁一枚で住空間を区切っているだけですので、建物の構造によっては本当に何気ない生活音からトラブルに発展してしまうことがあるのです。
もしあなたが、音の問題を抱えてしまった時には、この記事でご紹介したようなアイテムを使って、騒音の軽減に試みてください。もちろん、あくまでも簡易的な防音対策ですので、劇的に耳に入る音が小さくなるなどと言った事は少ないのですが、許容範囲までは何とか小さくなることも考えられます。
賃貸住宅での騒音問題については、簡易防音対策をしても無理な場合、思い切って引っ越してしまうのも手だと思いますよ。