生活騒音がトラブルに!そもそも生活騒音ってなんだ?

今回は、近隣トラブルの原因になることが多い『生活騒音』の基礎知識についてご紹介していきたいと思います。

皆さんは、今まで生活していて近隣住宅から聞こえてくる音で「騒がしいな…」「静かにしてくれないかな…」などと、不満に思った事はありませんか?一般的には、近隣住宅から聞こえてくる楽器演奏やエアコン・エコキュートの室外機の音、集合住宅の水回りの音やペットの音、自動車のアイドリング音などが生活騒音と呼ばれるのですが、近年では、こういった生活騒音による苦情件数が非常に多いと言われいます。
少し古いデータですが、以下に平成28年に発生した生活騒音が原因の苦情件数をご紹介しておきます。環境省の調査によると、この年には全国で1308件の生活騒音が原因の騒音規制法施行事例があったのですが、その内訳は以下のようになっています。

  • 電気機器・・・23%
  • 楽器・音響機器・・・9%
  • 人の声・足音・給排水音・・・13%
  • ペット・・・11%
  • アイドリングなど・・・22%
  • その他・・・22%

誰でもそうですが、生活をしている限り、音を絶対に出さないようにするなんてことは不可能です。上記の生活騒音の原因でも、足音や給排水の音など、どうしようもないような事が生活騒音として問題になるような事があるのです。つまり、人は誰でも、生きているだけで生活騒音の被害者にも加害者にもなりうるということです。
そこでこの記事では、誰もが注意しておきたい、生活騒音の種類やそれぞれの対処法についてご紹介していきたいと思います。

参照データ:環境省「生活騒音」より

生活騒音に関する配慮とは

上述しているように、人が日常生活を進めるうえでは、必ず何らかの音が発生してしまうものです。例えば、音楽鑑賞が趣味だという人であれば、家にいる時は常に音楽を流しており、それでリラックスできると考えている人も多いでしょう。しかし、あなたにとって快適な音だからと言って、それが他人にとっても快適とは限らないのです。そのため、周辺に何の配慮もせずにいると、あなたにとって快適な音が「不快な音…」「うるさい音…」と受け取られてしまっている場合もあるのです。

生活騒音による問題を生じさせないためには、各個人が「自分の出す音を不快に感じる人がいるかも…」ということを認識し、それによる生活騒音問題を生じさせないための配慮をする必要があります。基本的なモラルやマナーを守っておけば、日常生活で生じる音によって近隣住民と致命的なトラブルに発展してしまう危険も少なくなるはずです。まずは、以下のような点に注意して、近隣住民と良好な関係を築き上げていくことを心がけましょう。

  • 時間帯に配慮した音の大きさを考える
  • 自分でも音が漏れないように工夫しましょう
  • 音が小さくなるように工夫しましょう
  • できるだけ音の小さな機器を選びましょう
  • 普段からご近所との関係を良好に保ちましょう

上記のような配慮をして生活することで、生活騒音によるトラブルの多くを未然に防ぐことができるはずです。

具体的な生活騒音の種類と配慮について

それではここからは、具体的な生活騒音の種類と、その音に関する配慮はどうすれば良いのか…についてご紹介していきましょう。一口に『生活騒音』といっても、さまざまな種類の音が存在しており、必要な対策は変わってきてしまうのです。
以下で、代表的な生活騒音を、いくつかの種類に分けてご紹介します。

家庭用機器から生じる騒音

日常生活の中で使用するさまざまな家庭機器が騒音トラブルの原因になることがあります。以下に、その種類と対策方法についてご紹介しておきます。

  • 洗濯機や冷蔵庫
    洗濯機や冷蔵庫は、振動音による騒音トラブルが考えられます。したがって、防振マットの上に設置するなど、振動が伝わらない置き方をしましょう。また、使用する時間にも配慮する必要があります。
  • 掃除機
    掃除機は大きな音が生じます。したがって、早朝や深夜を避けるなど、使用時間に配慮しましょう。最近では、静音タイプなども登場していますので、そういったタイプを購入するのも良いかもしれません。
  • エアコンの室外機
    エアコンの室外機も振動音がありますので、防振対策を行いましょう。また、風がでますので室外機の向きも配慮して設置するのがオススメです。
  • エコキュート
    主に深夜帯に稼働させる設備ですので、振動音による騒音トラブルが考えられます。こちらもしっかりと防振対策を行いましょう。なお、隣家との距離が近ければ、箱のような物で覆ってもらうなどの防音対策も考えましょう。

住宅設備や住宅の構造が原因となる騒音

住宅設備などは、使う人の使用方法に騒音レベルが左右されるため、「不快な思いをさせないように」という配慮をしましょう。なお、建物の窓や床、壁などの遮音性能を高めることで、音の伝搬を減退させることができます。

  • ドアの開閉音
    集合住宅などでは、勢いよくドアを閉める音が騒音トラブルのもとになります。したがって、開閉時は音が出ないように配慮する、どうしても音が鳴るドアなら、戸当たりテープなどで対策を施すなどの配慮が必要です。
  • 給排水音
    こちらも集合住宅の騒音トラブルの原因になりやすいです。トイレなどは仕方ないのですが、風呂に関しては深夜や早朝に入るのは控えるなどの配慮をしましょう。
  • 家具の移動音
    フローリングの部屋でイスを引く音などが階下の人に不快な思いをさせることがあります。どうしても移動音が生じるような場合は、マットを敷いておくなどの配慮をしましょう。

その他の騒音

上記以外にも、騒音トラブルを引き起こしてしまう生活騒音はたくさんあります。以下のような種類の音は注意が必要です。

  • テレビやオーディオ
    テレビやオーディオの音は、意外に隣家に音漏れしてしまいます。音漏れしないように適正な音量に設定することや、設置位置に配慮しましょう。
  • ペット
    ペットを飼うご家庭が増えていることから、ペットの鳴き声や足音が原因のトラブルも増えています。対策としては、小さい時に無駄吠えしないようしつける、フローリングは音が響くためカーペットなどを敷くといった対策を行いましょう。
  • 話し声
    近隣住民に配慮した音量で話すようにしましょう。特に近年では、電話の話し声が不快…という苦情が多いので、室内で電話する時は、時間帯に配慮する、窓を閉めて話すなどの対策を行いましょう。
  • 車のアイドリング音
    集合住宅での騒音苦情で多いのがこれです。エンジンをつけたまま人を待つなどは普通にあることですが、深夜帯にアイドリング状態になると、周辺が静かなことから、その音が非常に響いてしまうのです。注意しましょう。

まとめ

今回は、日常生活を進めるうえで、誰もが無視することができない生活騒音に関する基礎知識をご紹介してきました。この記事でもご紹介したように、人が生活をする限りは、何らかの音が絶対に発生してしまうものです。しかし、そういった音を「出るものだから仕方ない」と考えるのではなく、近隣に迷惑をかけないように配慮するのでは、騒音レベルが全く違ってくるはずなのです。

特に、テレビやオーディオ、楽器の音などは、自分にとっては快適な音に聞こえていますので、何も考えていない限り、この音が他人に不快感を与えている…なんて思いもしません。しかし、音の感じ方は個人差がかなり大きなものですので、「不快に感じる人がいるかもしれない…」ということを考慮して生活をしていくのがオススメです。
そうすることで、余計な近隣トラブルを抱えることもなくなるはずです。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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