近所迷惑にならない楽器はある?自宅で楽器の練習をしたい時の対策もご紹介

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日本は、子供の音感教育への関心の高さなどが要因となり、大人になっても楽器の演奏を続けているという方が非常に多いです。実は、社会生活基本調査によると、日本の楽器人口は約1,100万〜1,200万人規模(10歳以上)と言われていて、全人口の約10%が楽器の演奏をしているという計算になるのです。
ただ、楽器の演奏を日常的に行っているという方が多いということは、演奏時に生じる音によって騒音トラブルが発生する可能性が高くなるという問題が考えられます。楽器の演奏は、楽しい趣味の一つとしている方も多いのですが、音量が大きい楽器の演奏は、時に近隣住民に迷惑をかけてしまうことがあるのです。特に、昨今の日本の住環境は、集合住宅で生活する人が増えている、戸建ても家と家の距離が近くなっているなど、各家庭の生活空間が非常に近いことを要因に、誰でも生じさせてしまうような生活音が騒音問題の原因となるケースが増えているとされるのです。
このような中、大きな音が生じると考えられる楽器は、何の配慮もなく演奏すると、高確率で騒音トラブルに発展すると考えられます。そこでこの記事では、近所に迷惑をかけずに楽しめる楽器の選び方や、演奏時に考えたい防音対策などについて解説します。
近所迷惑にならない楽器とは?
楽器は、音を生じさせる物ですし、どのような楽器を選んだとしても、近所に迷惑をかけてしまうのではないか…と考えている方も多いです。しかし実は、楽器の中には住宅密集地などで演奏を楽しんだとしても、外に騒音を漏らさないタイプの楽器もあるのです。
ここでは、「楽器の演奏を楽しみたいけど、近隣との関係を壊したくない!」と考えている方に向け、騒音問題を引き起こしにくい楽器を紹介します。
①デジタル楽器
一つ目はデジタル楽器です。デジタル楽器は、本体側で音量調節が可能ですし、ヘッドフォンを接続して演奏すれば、音をほとんど外に漏らすことなく楽しむことが可能です。そのため、マンションやアパートなど、集合住宅に住んでいる方が楽器の演奏を楽しみたいと思った時に最適なアイテムと言えます。
デジタル楽器について、分かりやすく製品を紹介すると、電子ピアノや電子ドラムが分かりやすいでしょう。
電子ピアノや電子ドラムは、アコースティックモデルの楽器と比較すると、演奏による騒音トラブルの可能性を大幅に減少させることが可能です。周辺住民に配慮しながら、楽器活動を充実させることができるようになるため、昨今では、自宅練習用にデジタル楽器を用意するという方が多くなっています。
例えば、電子ピアノの中には、アコースティックモデルにかなり近い鍵盤のタッチや音色を再現できるようになっているものがあるため、演奏者の技術向上を目的とした楽器としても使えます。デジタル楽器に関しては、大きな音を一切発生させずに演奏することができるため、深夜でも気兼ねなく練習することができるとされています。
なお、デジタル楽器でも、ピアノの打鍵音などを完全に消すことは難しいので、その点は注意しましょう。
②弦楽器の中で静かなもの
二つ目は、弦楽器の中でもウクレレやクラシックギターなど、比較的音量が少なめの楽器を選ぶと、近隣への影響が小さくなります。これらの楽器は、小さな体積と柔らかい音質であるという点から、自然と音量を抑えられるという効果を持っているのです。
なお、演奏時にちょっとした工夫を実施することでさらに音量を抑えることができます。例えば、楽器を身体に密着させながら演奏すると、音が直接体に吸収されるため、外に漏れる音を最小限に抑えられ、近隣への音による影響を少なくすることが可能です。
ただ、音が生じることは間違いないので、木造アパートなど、建物の防音性能が低い環境の場合、夜間の演奏は避けた方が良いです。
③吹奏楽器は楽器選びに注意
管楽器は、演奏する楽器や演奏方法によって近隣への音の影響を小さくすることが可能です。
管楽器は、息の強さを調節することにより、さまざまな音量で演奏する技術を身につけます。逆に言うと、この技術を練習することで、音が直接外に漏れていくことを防ぐことができるようになるのです。音量コントロールが上手にできるようになれば、住宅密集地や夜間など静かな時間帯でも楽器の練習をすることができるようになるでしょう。
特に、フルートやリコーダーと言った管楽器については、息の強さを微調整することで、音量を下げつつ音色の美しさを保つことができるので、近隣に配慮しながら楽器の演奏を楽しむには最適な楽器と言えます。吹奏楽器の演奏は、技術的な音量コントロールを通じて、演奏の楽しさを追求しつつも、社会的な配慮を行う必要があります。
楽器の演奏で迷惑をかけないための対策
それでは次に、楽器の演奏による騒音トラブルを防止するための対策についてもご紹介します。上述しているように、楽器の中には演奏によって生じる音を小さくできるものがあるため、これを利用することで騒音トラブルを防ぐことが期待出来ます。
しかし、住環境によっては、音が生じにくい楽器を使ったとしても騒音の苦情が出てしまうこともあるのです。これは、上で紹介した楽器は、完全に無音にするという対策ではないからです。例えば、デジタル楽器を利用する場合、演奏音は表に出なくなったとしても、鍵盤をたたく音やそれによる振動が周囲に伝わってしまうことになり「うるさい!」という苦情が出ることもあるのです。
そこでここでは、演奏する楽器を選ぶ以外の対策について解説します。
消音器を利用する
楽器の演奏音による騒音トラブルが増えていることから、楽器メーカーなどが音漏れを防ぐためのアイテムを開発しています。
いわゆる、消音器と呼ばれるアイテムなのですが、各楽器ごとに消音器が用意されていて、それを取り付けて演奏することで、表に出る音量を小さくすることができるようになっているのです。例えば、ピアノの消音器は、後付けすることで、電子ピアノのような機能を持つようになるため、音が表に出なくなります。
吹奏楽器については、ベルの部分に装着することで音が生じなくなるような製品があるので、演奏したい楽器を購入する際、併せて消音器も一緒に用意すると良いのではないでしょうか?
注意点としては、自分の演奏音を聞きながら楽器の練習をするということが難しくなるため、楽器の上達には不向きだとされている点です。
演奏時間を考慮する
上で紹介した、大きな音が生じにくくなる楽器を使用する場合、楽器を演奏する時間に配慮することで、近隣への影響を少なくすることが可能です。
例えば、楽器の演奏は、雑音が多くなる日中に限り、周囲も静かになる夜間や早朝を避けるという方法です。私たちの周りには、常に何らかの音が存在しています。人が静かだと感じているような環境でも、完全に無音な状況な訳ではなく、そこには何らかの音が存在しているのです。例えば、小さな昆虫(蚊など)が室内を飛んでいたとしても、普通の人はその羽音を聞き取りうるさいと感じるような事はありませんよね。しかし、耳のすぐそばで虫が飛んでいた場合、その音を不快に感じてしまいます。
つまり、人はある程度の音が存在していたとしても、それを騒音に感じないケースもあるのです。日中は、家の周りを走行する車の音や人の話し声など、たくさんの騒音が近くに存在しているため、楽器の音が多少漏れたとしても、それらの音に紛れて目立たなくなります。この場合、わざわざあなたの音だけを指定して「うるさい」と苦情を言ってくるようなことはないでしょう。
しかし、人が寝静まる深夜やまだ人が活動しない早朝になると、周囲に存在する騒音も少なくなるため、ちょっとした音が目立ってしまうようになるのです。この場合、楽器の音が聞こえてしまうことで、あなたが騒音を出していると感じられ、苦情に繋がるわけです。
楽器の演奏は、近隣住人のライフスタイルに合わせて、迷惑にならない範囲で行えば、多少の音が出たとしてもトラブルにまでは発展しないケースが多いです。
防音対策を施す
最後は防音対策を施して、部屋から音が漏れなくするというものです。上で紹介したような、大きな音が生じない楽器の場合、本格的な防音室を作らなくても、近隣に迷惑をかけるような音が漏れなくなるでしょう。例えば、振動を防ぐには、ピアノの下に防音マットを敷く、窓から音漏れがしないよう防音カーテンを設置するなど、簡易的な防音対策でも十分な効果が期待できると思います。
ただ、楽器の上達のために、自分の演奏音を聞きながら練習したいと考える場合は、専門業者に依頼して本格的な防音室を作る必要があるでしょう。演奏を予定している楽器の種類に合わせて、的確な対策を実施してもらうことができるようになるので、日中に思い切り音を出したとしても騒音トラブルになるようなことはないと思います。
まとめ
今回は、楽器の演奏で近隣の方に迷惑をかけないようにするにはどうすれば良いのかについて解説しました。
記事内でご紹介したように、楽器の中には演奏音を表に出さないようにすることができるデジタル楽器があるので、ピアノの演奏などであれば、電子ピアノを利用すれば、自宅で演奏しても問題になりにくいです。また、その他の楽器についても、消音器と呼ばれるアイテムが開発されているため、それを利用することで騒音トラブルを防止することができるようになるでしょう。
しかし、デジタル楽器や消音器を利用したとしても、演奏によって生じる音が完全に無音になるわけではないという点は注意が必要です。例えば、電子ピアノを演奏する場合、鍵盤をたたくときの打鍵音やペダルを踏むときの振動が生じてしまうため、それが近隣に伝わりうるさいとなってしまうケースがあるのです。また、ギターなどに関しては、消音器を使用しても弦を弾く音に対して苦情が出るケースがあるとされています。
さらに、楽器の上達を目的とした場合、自分が出した音を聞きながら演奏する方が良いとされているため、音が表に出なくなるという状況はあまり望ましいとは言えないかもしれません。自宅で楽器の演奏を考えている人手、近隣に迷惑をかけないよう思い切り練習がしたいなら、専門業者に相談して防音室を作るといった防音対策がおすすめです!