電車の音がうるさい!線路沿いに住むデメリットと防音対策

線路沿いの物件は、駅から近い場合が多いため、利便性の面で選ばれることが多いです。しかし、実際に線路沿いの物件に住んでみると、予想していた以上に電車の音や振動が気になってしまう…という声を聞く機会が多いです。特に、コロナ禍以降は、在宅ワークの機会が増えてきたことで、線路沿いにある物件のうるささに、その物件を選んだことを後悔してしまう人が増加しているとされています。

さらに、線路沿いにある道路は、その利便性ゆえに電車だけでなく、車やバイクの走行、人通りなども多くなるケースが多いです。そのため、電車が走っていない時でもうるさく感じてしまうような物件もあり、静かな住環境を作り出すための方法はないかと悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、現在、線路沿いの物件に住んでいる方で、電車の音などに悩んでいる場合の防音対策などについて解説します。

線路沿いの物件のメリット・デメリット

それではまず、線路沿いの物件に住むことで得られるメリットと注意すべきデメリットについて解説します。線路沿いの物件は、目の前を電車が頻繁に行き来することになると誰でも理解できているはずです。しかし、それでも、多くの物件が線路沿いに建てられていて、きちんとそこに居住者がいるということは、デメリットに勝るメリットもあるのだろうと予想できますよね。

ここでは、線路沿いの物件に存在するメリット・デメリットを解説します。

線路沿いの物件のメリット

まずは線路沿いの物件に住むメリット面からご紹介します。線路沿いの物件には、以下のようなメリットがあるとされています。

  • メリット1 利便性が高い
    線路沿いの物件は、多くの場合、駅が近くにあるため、公共交通機関の利用を考えた時には理想的な立地と考えられます。さらに、駅周辺は、商業施設が集まることが多いため、日常生活の買い物の面を考えても利便性が高くなります。
  • メリット2 家賃や物件価格が割安
    線路沿いの物件は、騒音問題があるというネガティブなイメージがあることから、その他の立地と比較すると、物件価格や家賃が安く設定されるケースが多いです。そのため、コストパフォーマンスに優れているというメリットが得られます。
  • メリット3 日当たりが良好
    線路沿いは、高い建築物が立ちにくいと言われています。そのため、戸建て住宅や低層階のアパートなどでも、日照に恵まれることが多いとされています。

線路沿いの物件は、騒音問題を抜きにして考えると、かなり理想的と思える条件がそろっています。

線路沿いの物件のデメリット

線路沿いの物件のデメリット面もしっかりと押さえておきましょう。

  • デメリット1 騒音問題
    線路沿いの物件に存在する最大のデメリットは、やはり電車の音による騒音問題でしょう。電車が走行していない時は気にならないものの、通過時には100dBを超えるような騒音が周囲に存在することになります。その他にも、線路沿いの道路は交通量や人通りが多くなる場所も多いため、それに当てはまると電車の通過に関わらず音に悩まされる可能性があります。
  • デメリット2 振動問題
    意外に見落とされがちなのですが、線路沿いの物件は、振動問題に悩まされる方も多いです。電車の通過時は、騒音だけでなく振動も周囲に拡散するため、物件の構造によってはその振動が生活空間に悪影響を及ぼすことがあるのです。
  • デメリット3 プライバシー問題
    住宅の構造によっては、通過する電車の中から室内が見えてしまう可能性があります。

線路沿いの物件は、電車の通過による騒音や振動に悩まされる可能性が非常に高いです。ただ、逆に考えると、この騒音・振動問題を解消できるのであれば、利便性や物件価格の安さという大きなメリットを享受することが可能です。

線路沿いに存在する騒音の種類について

前項でご紹介したように、線路沿いの物件は、騒音や振動問題を抜きにして考えると、かなり好条件の立地と考えられます。ただ、良い面だけを見て線路沿いの物件に決めると、さまざまな種類の騒音に悩まされる可能性があるのです。

一般的に、線路沿いの物件にある騒音と聞くと、電車の走行音をイメージする方が多いのですが、実はこれ以外にもさまざまな騒音が存在するのです。ここでは、線路沿いの物件で考えられる騒音の種類をご紹介します。

①電車の走行音

線路沿いの物件において、最も一般的な騒音源は電車が家の前を通過する際に発生する走行音です。なお、電車の走行音も、通過時のスピードや電車の種類によって、大きさや音の質は異なります。

一般的には、人が就寝する深夜帯は、電車が通らなくなるため「線路沿いでも構わないのでは?」と考える人がいるのですが、実は線路によっては深夜に貨物列車などが走る場合もあり、夜間の騒音に悩まされる場合があります。

②踏切の警報音

これは、線路沿いかつ、近くに踏切が存在する物件に言えることです。道路と線路が交差する部分には、人の安全性を考えて踏切が設置されています。そして、踏切は電車が通過する前後に遮断機が下りて、大きな音の警報音が生じるようになっているのです。そのため、踏切の近くにある物件では、電車の音以上に悩ましい音に感じるケースがあります。

なお、踏切の警報音は反復的に生じるため、日中は定期的に音に悩まされる点を嫌う人が多いです。

③電車の走行による振動音

電車が高速で通過する線路沿いの物件では、電車の走行に伴う地響きのような振動音に悩まされるケースが多いです。線路に近ければ、室内の物がガタガタ動くレベルの振動が伝わってしまいます。

④車の走行音や人の話し声

線路沿いの物件は、交通量や人通りが多い立地になっているケースが多いです。そのため、電車の走行に関わる騒音以外にも、自動車やバイクの走行音、家の前を通る人の話し声などに悩まされることがあるのです。

電車の騒音に比べると、そこまで大きな音ではないため、気にならないのでは…と感じますが、仕事に集中したい時や就寝中に聞こえてきた場合、十分に騒音に感じるレベルの音となります。特に、交通騒音や人による騒音は、電車の騒音と異なり、不規則で発生するため、電車の騒音以上にイライラを感じる人も多いです。

線路沿いの物件で考えたい防音対策

ここまでの解説で分かるように、線路沿いの物件は、生活利便性が高くなるというメリットがあるものの、騒音や振動に悩まされる可能性が高いという大きなデメリットが存在します。それでは、実際に線路沿いの物件に住んでみた時、騒音や振動に悩まないようにするための対策とはどのような方法があるのでしょうか?

ここでは、いくつかの項目に分けて有効な防音対策をご紹介します。

①窓の防音対策

線路沿いの物件で真っ先に行いたいのが窓部分の防音対策です。というのも、住宅における窓は、防音上の大きな弱点になってしまっているからです。一般的な窓は、壁などと比較すると、非常に薄い素材で構成されているため、そもそもの防音性が低いです。また、窓はスムーズに開閉できるようにしなければならないため、閉めていても小さな隙間が生じる構造になっているのです。

こういった窓の特徴から、外部騒音の侵入原因となってしまいやすく、線路沿いに住むのであれば、この部分の防音性を高める対策を施しましょう。窓の防音対策は、いくつかの手段があるので、簡易的なもの、専門業者に依頼すべきもの、両方の対策をご紹介します。

  • すきまテープを設置する
    最も安価な対策が、窓に隙間テープを設置するという方法です。先ほどご紹介したように、窓は閉めていても小さな隙間が生じてしまうものなので、そこから外部騒音が侵入します。隙間テープは、そういった騒音の侵入口を閉じることができるので、安価な割に効果的な対策と言えます。隙間テープは、ホームセンターや100円均一などで販売されているので、試しやすいのもメリットです。
  • 防音カーテンを設置
    カーテンは、日射を遮ったり、人の視線を遮る目的で設置する物というイメージが強いはずです。ただ、カーテンの中には、窓部分の防音性を高めるための商品があり、通常の物を防音カーテンに交換すれば、窓からの音の侵入を軽減することができるようになるのです。ただ、防音カーテンによる対策の場合、日中でもカーテンを閉めなければならなくなる点に注意しましょう。昼間のテレワークのための対策という場合、常に照明に頼る必要が生じ、電気代が高くなる可能性があるので、あまりオススメではありません。
  • 専門業者による窓の防音リフォーム
    窓部分からの音の侵入をしっかりと防ぎたい場合、専門業者に依頼して窓の防音リフォームを施すのがおすすめです。例えば、窓ガラスを防音ガラスに交換する、既存窓の内側にもう一枚窓を設置して二重窓にするという対策があります。上で紹介した簡易的な方法と比較すると、コスト面がかなり高くなりますが、防音性に関しては圧倒的に高くなります。

窓は、住宅において防音上の大きな弱点になりがちです。したがって、線路沿いの物件で騒音に悩みたくない…と考えるなら、真っ先に窓の防音対策を検討しましょう。

②壁の防音対策

築年数が経過している建物の場合、壁の防音性が低いことから、窓の対策を施したとしても騒音をストップできない…なんてことになる場合もあります。この場合、壁の防音対策が必要となるでしょう。

  • 防音パネルを設置する
    防音パネルは、遮音材と吸音材を組み合わせたパネルで、壁の防音対策グッズとして販売されています。ホームセンターなどで購入し、騒音源側の壁に貼り付けることで、騒音の侵入や音漏れを防止することができるようになります。なお、防音パネルは、DIYで施工も可能なのですが、ちょっとした隙間が残ってしまうと、そこから音の侵入を許してしまうため、慎重に施工を行ってください。
  • 専門業者による防音リフォーム
    壁の防音対策についても、専門業者に依頼することが可能です。この場合、既存の壁を一度壊し、壁内部に吸音材や遮音材を設置するという手法が採用されます。いわゆる防音壁に作り直すという施工で、電車の走行音なども防止することができるようになります。なお、壁の防音リフォームは、断熱性を高めるという効果も得られるため、防音性が高まるだけでなく空調効率を高めてくれ、光熱費削減なども実現可能です。

窓部分の防音対策をいくら行ったとしても、壁の防音性が低ければ意味がありません。またその逆も同じで、電車の走行音を防止する場合には、壁と窓について、同時に防音性を高めてあげる必要があるのです。線路沿いの物件に住んでいる方で、騒音で夜も眠れない…仕事が手につかない…などといった悩みを抱えているのであれば、お早めに専門業者に相談すると良いでしょう。

まとめ/h2>
今回は、線路沿いの物件について、この条件を選択する場合のメリット・デメリットと騒音に悩んだ時の対策について解説しました。

線路沿いの物件は、騒音に悩まされるというイメージが非常に強く、一般的には敬遠される立地となっています。しかし、線路沿いは駅近で交通アクセスが良い、商業施設が集まりやすい、家賃などが安い傾向にあるなど、騒音問題を解消できれば、非常に好条件の立地に様変わりする場合があるのです。

もちろん、線路沿いの騒音問題を解消するのはなかなか難しいものですが、しっかりと防音対策を施すことで、音の問題は解消することも可能です。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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