防音効果も光熱費削減効果も期待できる二重窓リフォームのメリット・デメリットについて
今回は、住宅の部分的なリフォームとして、近年非常に人気が高くなっている二重窓リフォームについて解説していきたいと思います。
防音工事の視点から二重窓リフォームを考えた時には、音を遮るための障害物が単純に二倍になるだけでなく、窓ガラスと窓ガラスの間に空気層ができることから、窓部分の防音性能をかなり向上させる効果が得られます。住宅の窓は、開閉がスムーズにできるような構造になっていますので、きちんと閉めていても、レール部分などに隙間が生じていて、外部からの音の侵入原因の多くは窓からと言われています。二重窓リフォームは、既存の窓の内側にもう一枚窓ガラスを設置する工事なのですが、こうすることで隙間から侵入する音が少なくなる、障害物が増える、空気層ができるといったことから、大きな防音効果が期待できるのです。
さらに、二重窓の空気層は、防音効果だけでなく、断熱効果をもたらせてくれると言われており、エアコンなどの空調効率を高めてくれるというメリットもあります。実際に、二重窓にする窓リフォームは、国や自治体が推奨する住宅の省エネリフォームに該当しますので、いくつかの条件を満たしていればリフォーム工事に対して補助金が出ます。
つまり、その他の工事と比較すると、住人さんの負担も少ない状態で、防音効果や断熱効果を見込める非常に優れた工事が二重窓リフォームなのです。この記事では、実際に二重窓リフォームを行うことで得られるメリットとデメリットをご紹介します。
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二重窓リフォームのメリット
それではまず、住宅の窓について、二重窓リフォームを実行することで得られるメリットについて解説します。
メリット① 防音効果が得られる
近年、二重窓リフォームが注目されている理由の一つとして、窓を二重窓にすることで、高い防音効果が得られるという防音工事目的があります。そもそも、一般的な住宅窓は、外壁などと比較すると、非常に薄い素材ですので、高い防音効果を期待することができません。そのため、幹線道路沿い、線路沿い、公園や学校が近いなどと言った立地条件の場合、外部騒音が家の中に侵入することに悩む方が多いのです。
これが、窓を二重窓にすることで、窓ガラスが2枚になるため、物理的な遮音効果も2倍になります。さらに、ガラスとガラスの間に空気層ができることから、非常に高い減音効果を得られるようになるなど、防音工事の目線から見ても、非常に効果的な手段となるのです。なお、新たに設置する窓について、高い防音性を持つ真空ガラスなどを導入すれば、さらに高い防音効果を期待できます。
メリット② 断熱効果が得られる
二重窓は、窓ガラスと窓ガラスの間に空気層ができることから、窓部分の断熱性を高めてくれます。実際に、冬場の気温が極端に下がるような地域は、新築の段階で二重窓が採用されている住宅が多いです。
二重窓にすることで、窓部分の断熱性が高まりますので、エアコンなどの空調効率が高くなります。したがって、空調機器の稼働率が低下することで、省エネが実現し、光熱費削減を目指すことができます。なお、国や自治体の補助金は、この省エネ効果の高さが認められたことで制定されています。
メリット③ 防犯効果が期待できる
警視庁が公表している情報によると、戸建て住宅での空き巣被害は、窓破りなど、窓を侵入経路とされている場合が最も多いそうです。防犯ガラス以外の窓であれば、意外と簡単に破ることができますので、通行人などから死角になるような位置に人が通れるような窓がある場合、防犯上の弱点になる可能性があります。
ただ、空き巣犯というのは、窓を破るのに時間がかかると判断する場合、その住宅を狙わなくなるとされます。当然、侵入するのに時間がかかれば、それだけ発見される可能性が高くなるわけですので、その他の侵入しやすそうな住宅を狙うはずです。つまり、窓が二重になった場合、破壊する窓が2倍になりますので、時間がかかりますし、大きな音が二回生じるので発見される危険が高くなります。特に、新たに導入する窓ガラスを、割れにくい防犯ガラスにすると、より安全になるでしょう。
空き巣犯は、「侵入に時間がかかりそう」と判断できる家はあまりターゲットにしないと言われており、一説によると、侵入に5分以上かかると7割の空き巣が侵入を諦めるとされていますので、二重窓リフォームは、防犯効果も期待することができます。
メリット④ 結露防止
二重窓は、結露が発生しにくくなるというのも大きなメリットです。結露は、部屋の中の空気が冷たい窓ガラスに当たって冷やされ、空気中の水分が水に変わるために発生するのですが、二重窓にすると内側の窓ガラスの温度がそれほど低くならないため、結露を防止できるわけです。
木造住宅が多い日本では、結露による水分が非常に大きなデメリットになりますので、二重窓リフォームの大きなメリットとみなされています。
二重窓リフォームのデメリット
二重窓リフォームは、上記のように、防音・断熱・防犯など、住宅の機能性を高めてくれるさまざまなメリットが存在します。ただ、実際に工事を行う場合には、いくつかの注意点も存在しますので、ここでは二重窓のデメリット面もご紹介しておきます。
デメリット① コストがかかる
二重窓は、一般的な住宅窓と比較すれば、窓が一枚増える分、コスト高になってしまいます。なお、内窓として新たに設置する窓ガラスの種類によって、二重窓リフォームにかかる費用は変わります。基本的に、機能性が高い窓ガラスほど材料コストが高くなります。例えば、一般的な住宅用の単板ガラスであれば、1枚2万円程度なのですが、これが高断熱ペアガラスなどになると、1枚で10万円以上のコストになります。
二重窓リフォームを行う場合、新たに採用するガラスの種類によって異なりますが、1箇所5~12万円程度が費用相場です。なお、上述した省エネ関連の補助金を活用すれば、コスト負担を抑えることは可能です。
デメリット② 窓としての使い勝手が悪くなる
二重窓を導入した場合、窓の開閉を行う時は、単純に同じ行動を2回行わなければならなくなります。つまり、日常生活を考えた時には、窓の使い勝手が確実に悪くなるという点はデメリットと言えるでしょう。特に、リビングの窓のように、開閉頻度が高い部分になると、使い勝手の悪さに二重窓にしたことを後悔する人までいるようです。
デメリット③ 掃除の手間
窓が二枚になりますので、掃除の手間も二倍になるという点はデメリットですね。また、二重窓は、導入する場所によって、掃除が非常に難しくなる可能性があるということも覚えておきましょう。
まとめ
今回は、住宅リフォームの中でも、近年非常に高い人気を誇っている二重窓リフォームについて解説しました。この記事でご紹介したように、二重窓リフォームは、窓部分の防音性能を高めてくれるという効果が期待できるのですが、実はそれだけでなく、窓部分の断熱性能の向上や防音性の向上など、さまざまな機能的メリットがあるのです。
もちろん、窓を二重窓にする工事を行う場合、それなりのコストがかかりますので、その点についてはデメリットに感じると思います。ただ、コスト面に関しても、省エネ関連の補助金を活用することが可能なので、かなりの負担軽減を期待することができます。注意が必要なのは、省エネ関連の補助金を利用して窓のリフォームを行う場合、住宅全体の窓の工事が必要になり、防音目的と考えると、不用な部分の工事まで行わなければならなくなる可能性がある点です。
どちらにせよ、二重窓リフォームは、防音だけでなく、断熱効果を高めることで光熱費削減が目指せるなど、非常に大きなメリットが存在するので、検討の余地はあると思いますよ!