戸建て住宅に住む方が考えておきたい、ペットの鳴き声対策について
今回は、戸建て住宅でワンちゃんを飼っている方に向け、防音対策の必要性や、どのような対策が有効なのかについてご紹介したいと思います。
近年、ペットが生じさせる騒音トラブルが増加していると言われているのですが、意外に勘違いしている方が多いのは「ペットによる騒音問題は集合住宅で起きている」という考えです。マンションなどでも、ペット可の物件が増えており、室内で犬や猫を飼育する方が増加傾向にあるのは確かです。そして集合住宅は、各家庭の生活空間が非常に近いことから、ペットの鳴き声や足音が伝わってしまい、騒音トラブルになってしまうのだと考えるのだと思います。もちろん、集合住宅でペットによるトラブルが増加しているのは確かですが、ペット可物件は、そういった問題があることを前提で住んでいる方が多いですし、ペット好きの方が多いことから意外に問題にならないケースも多いようです。
一方、戸建て住宅の場合、ご近所関係が希薄になってきた現在では、周辺にどのような方が住んでいるのか分からないケースが多く、ペットによるトラブルは意外にも多いと言われています。実際に、弊社のWebサイトにアクセスしてくるお客様に関しては「近所のペットがうるさい」などのキーワードを利用している方がかなり多くなっています。
そこでこの記事では、戸建て住宅に住んでいる方が押さえておきたい、ペットの音問題についてご紹介します。
戸建て住宅でも室内飼いがオススメ
日本では、『番犬』という言葉があるように、戸建て住宅で犬を飼う場合には、外に犬小屋を設置して繋いでおくというイメージがありますよね。実際に、TVアニメやドラマなどに登場するペットは、外に繋がれている表現がされているケースが多いと思います。筆者の子どもの頃を思い出してみても、犬は外で飼うものという印象が非常に強かったと思います。
ただし、犬を外で飼育する場合には、騒音トラブルの原因になってしまう可能性が急激に高くなると考えておいた方が良いです。なぜなら、犬の鳴き声は、約90~100dBもの音量に達すると言われており、これは人間が絶叫する時の声や電車が通る時のガード下の音に匹敵するほどの大きさになります。
つまり、夜間や早朝など、周囲が静かな時に犬が大きな声で鳴いてしまうとご近所さんの迷惑になることはほぼ確実なわけです。したがって、戸建て住宅で犬を飼う場合でも、ご近所さんに配慮することを考えると、基本的に音が伝わりにくくなる室内飼いにするのがオススメです。室内で飼育するのであれば、音を遮るための障害物がありますので、ダイレクトに鳴き声が拡散するよりはかなりマシになるはずです。
なお、注意しておきたいのは、大阪市内などの都市部に建てられる戸建て住宅の場合、家と家の距離が非常に近くなってきていることから、室内飼いをしている場合でも、何の対策も無ければペットの鳴き声による騒音トラブルが起きてしまう恐れがあります。防音対策について、弊社に相談してくるお客様の中にも、お隣が飼育しているペットの鳴き声に悩まされているというものは少なくありません。
戸建て住宅でのペットの音漏れ対策について
それではここから、戸建て住宅に住んでいる方がペットを飼う場合の防音対策についてご紹介していきます。上述しているように、都市部では家と家の距離が非常に近くなっていることから、室内でペットを飼育していたとしても、鳴き声がご近所さんに迷惑を掛けてしまうケースが増えているようです。もちろん、集合住宅のように、足音が階下に伝わってトラブルに…なんて心配がない分、防音対策は容易になります。
ここでは、戸建て住宅でペットを飼う際、騒音トラブルを防止するために行っておきたい対策をいくつかご紹介します。
①しつけをする
これは、ペットを飼う際の大前提となる対策ですね。犬の鳴き声による騒音トラブルを防止したい場合、最も有効な方法は、犬が無駄吠えしなくなるようにしつけをするというものです。
もちろん、ワンちゃんにもそれぞれ性格がありますので、きちんとしつけをしたつもりでもどうしても無駄吠えしてしまう…なんてことが考えられます。そういった時には、以下で紹介する防音対策を行うしかないのですが、まずはワンちゃんがむやみやたらに吠えなくなるよう、しつけを行うようにしましょう。最近では、ワンちゃん専用のしつけサービスなどもありますので、初めてペットを飼う場合は、そういったサービスを利用するのもオススメです。
②窓の防音対策
二つ目は、具体的な防音対策となります。そもそも、室内で飼育している犬の声が外にまで漏れる原因は何なのだと思いますか?もちろん、上述したように、犬の鳴き声が非常に大きいというのも一つの要因なのですが、実は住宅には防音上の明確な弱点が存在しているのが意外に大きな要因となります。
近年建てられる住宅は、高気密・高断熱がキーワードとなっていて、一昔前の建物と比較すれば、そもそもの防音性能は比較的高くなっています。当然、築年数が経過していけば、徐々に気密性が低くなっていき、音漏れが生じやすくなるのですが、それでも昔の日本家屋よりはかなり高い防音性を維持できると考えても構いません。
このように、それなりの防音性を持っている住宅ですが、窓部分が音漏れや騒音の侵入原因となるケースが非常に多いのです。なぜなら、窓は、その他の建材と比較すると、非常に薄い素材で作られているため、どうしても建材が持つ防音性が低くならざるを得ないわけです。そのため、音漏れや音の侵入を防止する目的できちんと窓を閉めていたとしても、壁などよりも薄い分、音漏れが生じてしまい、近隣に騒音で迷惑を掛けてしまう訳です。
こういった住宅の弱点を解消するには、窓の防音性を高める防音工事がオススメです。例えば、窓ガラスを防音ガラスに交換するとか、内窓を設置して二重窓にするといった対策を施すことで、窓部分からの音漏れを大幅に抑えることができ、騒音トラブルを防止することができます。なお、窓部分のリフォームは住宅の気密性・断熱性を高めることができますので、家の断熱化リフォームに対する補助金を利用できる場合も多いです。この辺りは、実際に工事を行う前に業者さんに質問してみましょう。
③その他の防音対策
ワンちゃんの飼育スペースがある程度限定されている場合、そのスペースのみを防音化することが非常に有効です。例えば、壁やドアなどの防音工事を行うことで、自分たちもペットの鳴き声をうるさく感じることがなくなり、自宅でリラックスして過ごすことができるようになるでしょう。
防音工事と聞くと、どうしても楽器用の防音室を作る本格的なリフォーム工事をイメージしてしまいますが、実は、お客様の悩みに合わせてピンポイントな対策を施すことも可能です。
番外編 防音犬小屋を設置する
番外編としてご紹介しておきますが、ペットの鳴き声によるご近所トラブルが増加傾向にある中、防音犬小屋なるものが販売されるようになっています。弊社では取り扱っていませんので、具体的な効果のほどは不明ですが、楽器用のユニット型防音室を設置するように利用することを考えると、それなりの効果は見込めるのではないかと思います。
防音犬小屋の詳細は、ネットで検索してみて調べてみてください。
まとめ
今回は、戸建て住宅でペットを飼う場合に抑えておきたい、防音上の注意点をご紹介しました。この記事でご紹介したように、戸建て住宅も、都市部では狭小地に建てられるようになっており、家と家の距離が非常に近くなっていることから、犬の鳴き声などでご近所トラブルに発展するケースが多くなっているようです。この記事を読んでいただいている方の中には、「ペットによる騒音トラブルは集合住宅で起きている」と考えていた方も多いかもしれませんが、実は戸建て住宅でも普通に考えられる問題だと思ってください。
特に、外に犬を繋いで飼育している場合、きちんとしつけをしておかなければご近所さんにかなりの迷惑を掛けてしまう恐れがあります。家と家の距離が近くなってきた現在では、騒音トラブルを防止するために大型犬でも室内で飼育する方が増えているのかもしれませんね。