賃貸物件における騒音トラブルについて。騒音問題を避けるためにおさえておきたい物件探しのコツ
今回は、賃貸物件の騒音トラブル被害について、マンションやアパートなどの賃貸物件で騒音問題が生じてしまう理由や、騒音トラブルに遭わないためにおさえておきたい物件探しのポイントをご紹介していきたいと思います。
マンションなどの集合住宅で生活する方が増加している近年では、ご家庭ごとの生活スペースの距離が近くなっていることから、ちょっとした生活音で騒音トラブルに発展することも珍しくありません。特に、単身者用のマンションやアパートであれば、壁一枚で生活空間を隔てているだけですので、隣の部屋の方の電話の声やテレビの音、掃除機や洗濯機の音に悩まされてしまう…なんてことは珍しくないのです。
もちろん、音を出す側は「迷惑をかけている」なんて意識もないまま生活しているのですが、周囲への配慮を怠ってしまい騒音を出してしまっていることで、近隣住民とトラブルになり、傷害事件にまで発展してしまうなんてケースも見受けられるのです。
それでは、こういった賃貸住宅での騒音トラブルは、何が原因となって起こるものなのでしょうか?騒音問題の主な原因を知っておけば、自分が原因となるトラブルを防ぐことができますので、この記事では賃貸物件でよくある騒音問題の原因などもご紹介します。
賃貸物件の騒音トラブルの原因とは?
賃貸物件は、分譲マンションなどと比較しても、近隣住民との生活空間がより近くなってしまいます。そのため、普通に過ごしているつもりでも、ちょっとしたことで近隣住民を悩ませている…なんて場合も少なくありません。アパートやマンションなどで引き起こされる騒音トラブルについては、主に以下のような事が原因となります。
- 季節的な騒音問題
- 入居者のマナー不足
- 被害を受ける本人の感覚
- 住宅設備や建物の構造
賃貸住宅などで起こる騒音トラブルを大きく分ければ、上記の4つが主な原因となります。一つ目の「季節的な騒音問題」というのは、4月や12月など、飲み会が増える時期に夜通し部屋で騒ぐ…といった事が増えるため、大声で騒ぐ音や話し声が悩みの種となるのです。特に学生さんが多く住むマンションなどでありがちです。
二つ目に関しては、音を出す側のマナー不足です。例えば、集合住宅なのに大音量で音楽を聴く、楽器を弾く、ペット禁止なのにペットを飼うなどが該当します。三つ目の「本人の感覚」についてですが、これが音の難しさで、騒音というのはある意味主観的な被害ですので、同じ音でも騒音と感じる方と何も気にしない方が存在してしまうのです。ちなみに、この問題に関しては、騒音と感じてしまう方が新しい場所に引っ越してきた際に感じることが多いです。例えば、今までは閑静な住宅に住んでいたのに、引っ越し先は目の前に幼稚園があり、子供の声に悩んでしまう…などと言ったケースが該当します。こういった周辺環境による騒音問題は、しばらくすれば慣れてくる場合も多いです。
4つ目は、建物の構造や使用する設備による騒音トラブルです。例えば、木造や軽量鉄筋のアパートでは、構造的な問題で騒音トラブルが起きやすくなります。特に建物自体が経年劣化している場合、ドアを開ける際に大きな音が鳴り、ライフスタイルの違いでトラブルになる…といったケースがあるのです。
以下で、もう少し具体的に騒音トラブルの原因をご紹介していきましょう。
掃除機や洗濯機など、日常的な生活音
近隣住民との生活空間が近いマンションやアパートなどでは、日常生活における生活音が『騒音トラブル』の原因となることがあります。特に多いのが、掃除機や洗濯機の音です。これらの設備は、皆さんご存知の通り、使用時のそれなりの音が生じてしまいます。そのため、深夜や早朝などに使用している場合、近隣住民が「うるさい!」と感じてしまうことになるのです。
特に注意しておきたいのは、壁際に掃除機をかける際、壁に掃除機が当たってしまうと、隣の家に響いてしまい不快感を与えてしまうことが多いということです。ご自身のライフスタイルもあるかと思いますが、音が出る設備を使用する場合は、時間帯に気を付けるようにしましょう。
テレビの音や楽器の音
テレビや音楽は大音量で聞きたいと考える方もいますが、集合住宅の場合は注意が必要です。あまり大きな音量設定にしてしまうと、音が漏れて近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性があるのです。また、楽器の演奏については、特にトラブルになりやすいので注意しましょう。そもそも物件によっては賃貸借契約において、楽器の演奏を禁止されている場合もありますので、そういった場合には退去させられてしまう可能性もあります。
テレビや音楽の音に関しては、ヘッドホンを用いる、スピーカーの位置を変えるなどの対策もありますので、近隣住宅へきちんと配慮しましょう。
子供の騒ぐ音やしかりつける声
小さなお子様がいるご家庭であれば、室内を子供が走り回る音や泣き声で騒音トラブルになってしまうことがあります。お子様と一緒に入居する場合には、下の階やお隣の部屋に必ず挨拶に行っておくなど、未然にトラブルを防ぐための対策も必要です。
なお、意外に多いのが、「子供が騒ぐことをしかりつける」際の、親側が出す音が騒音になるパターンです。静かにさせるためとは言え、大きな声で叱っては意味がありません。これは自分ではなかなか気付きにくいポイントですので、意識しておくと良いでしょう。度が過ぎれば警察を呼ばれてしまうこともあるのです。
ペットの出す音
ペットの鳴き声や足音も騒音トラブルのもとです。近年では、一人暮らしの方が小型のペットを飼う場合が多くなっており、それに比例してペットが原因のトラブルも増えているのです。特に「うちの子はあまり鳴かない」から大丈夫と思っていても、ペットがフローリングを歩く音は、階下にかなり響いてしまうのです。
中にはペット禁止の部屋で飼っている人もいますが、その場合は強制退去を命じられることもあるでしょう。ペットOKの物件でも、フローリングにはカーペットを敷いておくなどの対策がオススメです。
騒音トラブルを抱えないための物件選びとは?
アパートやマンションなどの集合住宅であれば、生活空間の近さから何気ない生活音からトラブルに発展してしまう危険もあるのです。それでは、こういった騒音トラブルのリスクをできる限り低くするためにはどうすれば良いのでしょうか?
ここでは、騒音問題を抱えにくくするための物件選びのポイントをいくつかご紹介しておきます。なお、以下でご紹介する対策で、完全に騒音トラブルの可能性をゼロにするわけではありません。
建物の構造を確認する
騒音トラブルを抱えたくないのであれば、より防音性能が高い構造の建物を選択するようにしましょう。実は、建物の構造によって防音性能に違いがあるのです。
一般的に、建物の構造の違いによる防音性能は『鉄骨鉄筋コンクリート造>鉄筋コンクリート>鉄骨造>木造』といった感じになりますので、可能であれば鉄筋コンクリート造以上のマンションタイプを選ぶのがオススメです。なお、最近では『防音工事』が施された賃貸物件も増えていますので、自宅でも楽器の練習をしたいという場合には、こういった物件を選ぶと安心だと思います。
現在の入居者のタイプを聞いておく
マンションにどのような方が住んでいるのかも非常に重要なポイントです。
例えば、学生が多く住んでいるマンション、一部の部屋が民泊として利用されているなどと言った場合、騒音に悩まされる可能性が高くなります。
部屋の位置を選ぶ
賃貸マンションの部屋選びをする場合、角部屋や最上階の部屋を選択すると、騒音問題に悩まされるリスクが減ります。最上階の部屋であれば、上階の足音や椅子を引き摺る音などに悩まされることはありませんし、角部屋であれば、片方の空間に部屋がなくなるため、騒音のリスクが減るのです。
角部屋や最上階の部屋は、賃料が割高になってしまう場合が多いですが、これは騒音問題を抱えるリスクが減るという側面もあるからなのです。
夜に内見してみる
一般的に、内見は昼間に行う場合が多いのですが、昼間仕事をしている方が実際に音に悩まされるのは夜間なのです。したがって、昼間の内見時には何の問題も見いだせなかったのに、実際に入居してみると隣の部屋がうるさかった…なんてことが起こるのです。
騒音問題に悩まされたくない…と考えている方が物件探しをする場合には、夜に内見をさせてもらうのがオススメです。そうすることで、実際に自分が家で過ごす時間帯の部屋の状況を確認することができ、騒がしさを確認したうえで入居できるようになるのです。
まとめ
今回は、賃貸住宅で発生する騒音トラブルの原因や、騒音問題を抱えないためにおさえておきたい物件選びのポイントをご紹介してきました。
マンションで生活する方が増加してきた近年では、各家庭の生活空間が近くなったことにより、日常生活で発生する生活音で騒音トラブルを抱えてしまう…という方が増えています。特に賃貸住宅の中には、築年数が経過してしまい、防音性能が低下している…なんて物件も多いため、住んでみたら周囲の騒音に悩まされて困ってしまうことも珍しくないのです。
分譲マンションなどであれば、防音工事などを行い、内外の音漏れを防ぐこともできます。しかし、賃貸の場合は防音工事したくても、オーナー様が認めてくれない…場合も多いですし、いずれ引っ越しするのに、大金をかけて工事するのも何か違いますよね。
したがって、賃貸住宅で騒音トラブルを防ぐためには、最初の物件選びが非常に重要になるのです。音の問題は人それぞれ感じ方が違いますので、不動産屋さんに「うるさいなんて苦情が入ったことがない物件なので安心です!」と説明されたとしても、きちんと内見で確認しておくのが大切です。他の人には問題ない音でも、自分には耐えられなかった…なんてことも珍しくないのです。