防音物件とは?一般的な賃貸住宅との違いを考えてみましょう!

今回は、近年、賃貸業界でも人気が急上昇している『防音物件』の基礎知識についてご紹介します。音楽関係の仕事をしている、音楽大学で楽器を学んでいるという方であれば、自宅でも楽器の練習が行いたいという希望を持っている方が多いはずです。しかし、賃貸住宅に住むとなると、壁一枚で隣家と接しているため、夜間に楽器の演奏などしようものなら、すぐにクレームを入れられてしまいますので、なかなか自宅で楽器の演奏などはできません。

さらに、コロナ禍以降は、テレワークと呼ばれる新たな働き方が日本国内でも広く普及するようになっていて、在宅で仕事をするようになった方の中には、賃貸住宅の防音性の低さに辟易している…なんて方が増えていると言われています。テレワークでは、web会議システムを利用して商談や打ち合わせなどを行うことも多いのですが、つい話し声が大きくなってしまい、隣家に迷惑をかけてしまう…なんてことが考えられます。その逆に、隣家から漏れてくる音で、仕事に集中できない…なんて声も非常に多く、テレワークは便利だけど仕事の効率がどうしても落ちてしまう…と悩んしまう方も少なくないとされています。

こういった状況もあり、一気に注目度が高くなっているのが、一般の賃貸物件よりも高い防音性を誇る『防音物件』と呼ばれる部屋です。そこでこの記事では、「防音物件に引っ越そうかな?」とお考えの方のため、これがどういったものなのかを簡単にご紹介していきます。中には、「楽器可」を防音物件を間違えて借りてしまい、入居後に困ってしまった…なんて方もいますので、防音物件がどういったものかは理解しておきましょう。

防音物件の種類について

賃貸住宅を探す際に、『防音』に注目する方の多くは、楽器の演奏などを考えているため、自分が出す音で他人に迷惑をかけないために…と言った配慮の気持ちからだと思います。そして、注意が必要なのは、防音物件や防音マンションと呼ばれる物件に関しては、いくつかの種類が存在するということです。
ここではまず、防音マンションに存在する種類について簡単にご紹介しておきます。

一般的な楽器可の防音物件

楽器の演奏を考えている方が賃貸住宅を探す場合、最低でも「楽器可」となっている物件を探す必要があります。楽器の演奏が認められていない物件であれば、楽器の演奏により騒音トラブルを引き起こすると、問答無用で退去を命じられてしまう危険があります。したがって、部屋探しをする際には「楽器可」なのかどうかは必ず確認しましょう。

ただし注意が必要なのは、「楽器可」と記載されている物件に関して、すべてが専用の防音設備が整えられているわけではないということです。本格的な防音対策が施された物件であれば、大きな楽器の音を出してもクレームの心配はないのですが、楽器可の物件の中には、時間帯や音の大きさに制限がかかる場合があるのです。

要は、「楽器可=防音対策がされている」ということではなく、多少防音性が高いものの、一般の賃貸住宅の性能とそこまで変わらない物件も存在します。そういった物件は、あくまでも楽器の演奏が認められているだけで、楽器による音漏れは気をつけなければいけないのです。基本的には、演奏可能な時間帯が決まっていたり、使用可能な楽器が制限されていたりします。楽器可の物件は、そういった細かなポイントもきちんとチェックしておきましょう。

24時間楽器演奏可能な防音物件

物件数はそこまで多くないのですが、賃貸物件の中にも、本格的な防音対策が施されており、24時間演奏可能な物件も存在します。こういった物件は、各居室に専用の防音設備が整えられており、楽器演奏の自由度が非常に高いのが特徴です。

東京や大阪などの大都市圏であれば、探せば防音物件が見つかると思います。ただし、防音設備を整えるのに多額のコストがかかる、普通の賃貸と比べて特殊な需要があるという点から、家賃がかなり高く設定されている場合が多いです。また、一度入居すると、なかなか退去しないことから、空き物件を見つけるのもかなり難しいです。
本格的な防音物件は、騒音トラブルの心配が少ないものの、住むためのコストがかなり高くなるため、頻繁に楽器の演奏が必要と言った人以外にはデメリット面も大きいと思います。

共用の防音室が備え付けられている

最近では、各居室に専用の防音室を備えるのではなく、入居者が共用できる防音室を備えた物件などが登場しています。他人が使用している場合は使えない…など、いくつかの制限がかかりますが、上述した防音物件よりも家賃が安くなるというメリットがあります。
最近では、こういった同じ趣味の人が集まることを想定したコミュニケーション物件が増えていますので、探してみるのも良いかもしれませんね。

防音物件を探すときの注意点

それでは、何らかの目的で防音物件を探しているという方のため、実際に借りる前におさえておきたいポイントをご紹介しておきましょう。上述したように、防音物件と呼ばれるものでも、いくつかの種類が存在しており、中にはあなたの希望とはかなりズレている…という場合も考えられるのです。

「楽器相談可」はやめた方が良い

まずは、物件詳細に「楽器相談可」と記載されている物件についてです。「楽器可」と同じ程度の防音性があると考えてしまいますが、これは大きな間違いです。

「楽器相談可」となっている物件については、同じエリアにある一般的な賃貸住宅と同じような家賃設定になっていますので、「この条件で楽器の演奏ができるならラッキー」と考えてしまう方が多いです。しかし、この考えをもとに、こういった物件を借りてしまい、楽器の演奏をすると、周辺からの苦情で後から「楽器NG」とされてしまう恐れもあるのです。
楽器相談可と記載されている賃貸物件の場合、基本的に何の防音設備も導入されていないと考えた方が良いです。要は、普通の賃貸住宅が、空室対策のために「入居希望者の要望に応えているだけ」なのです。したがって、お隣や階下に住んでいる人からすれば、「普通の賃貸で楽器の演奏なんて…なんて非常識な奴だ!」と思われてしまってもおかしくありません。

不動産会社に「楽器の演奏が出来る物件が良い」なんて要望を出せば、こういった物件を紹介されることもありますので、頻繁に楽器の演奏をする方は「楽器の演奏をするので、防音性が高い部屋が良い」と伝えるようにしましょう。

「楽器可」は防音性がまちまち

「楽器可」の物件に関しては、それなりに防音対策を施されている物件と、楽器相談可と同じく「防音性は高くないけど楽器を認めている」といった物件など、さまざまなパターンが考えられます。
したがって、「楽器可」の場合は、どういった防音設備が整えられているのかを不動産会社にきちんと確認しておいた方が良いですよ。また、ほとんどの場合、「ギターはOKだけどピアノはNG」「23時以降は演奏禁止」など、何らかの条件が付いていますので、その条件が自分に合っているのかはしっかりとチェックしておきましょう。

「防音物件」は家賃が高い

防音物件と記載されていれば、それなりにしっかりした防音設備が整っていると考えられます。ただし、防音室の性能などに関しては、物件によってまちまちですので、備え付けられている部屋の防音性はしっかりと確認しておきましょう。

なお、防音物件に関しては、物件の数自体がそこまで多くありません。一般的に、近くに音楽大学があるなど、特殊な立地条件のエリアに存在していることがあるという程度ですので、空いている部屋を見つけること自体がなかなか難しいと考えた方が良いです。また、上述したように、一般の賃貸物件と比較すれば、かなり家賃が高く設定されていますので、それなりに負担が大きいと考えましょう。

まとめ

今回は、近年需要が高くなってきたと言われる防音物件の基礎知識についてご紹介してきました。戸建てや賃貸住宅であれば、楽器の演奏がしたいなんて場合、専門業者に依頼して防音対策を施すことが可能です。実際に、コロナ禍以降、楽器の演奏目的ではなく、テレワーク部屋のために簡易的な防音室が欲しいなどという依頼が増えており、防音工事の需要は年々高まっていると考えられます。

しかし賃貸住宅の場合、あくまでも部屋を借りているだけですので、専門業者に防音工事をしてもらうなんてことは不可能なのです。そのため、賃貸で楽器の演奏がしたい…などとなると、もともと防音性が高い防音室が備え付けられた物件を探すしかないわけです。最近では、動画配信のための防音需要などが高くなっていることもあり、賃貸住宅でも防音室を備えておくような物件が増えています。したがって、今後はもう少し防音物件のハードルも低くなっていくように思えますので、根気よく探してみるのもよいのではないでしょうか。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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