集合住宅に住む方必見!音の種類別に考えておきたい防音対策をご紹介!

今回は、マンションなどの集合住宅で生活する方に向けて、ご近所さんとトラブルにならないようにするための床の防音対策をご紹介していきます。

マンションなどの集合住宅で生活する方が増えている現在、「マンションなどでの生活は、騒音による問題が起きやすい」と言う情報が有名になっています。実際に、政府による調査によると、集合住宅で発生するさまざまなトラブルの中でも、生活音に関する騒音トラブルがここ10年程度はナンバーワンになっていると言われているのです。もちろん、この調査は木造アパートなどの賃貸住宅も含まれていますので、「音の問題は賃貸住宅で起きるもので、頑丈な分譲マンションは問題ないでしょ!」と考えてしまう方も多いと思います。

実際に、鉄筋コンクリート造の高層マンションなどは、木造や軽量鉄筋造が主なアパートなどよりも遮音性はかなり高くなります。ただ、各家庭の生活空間が非常に近いということに変わりはないので、分譲マンションなどでも普通に騒音トラブルは多いのです。
そこでこの記事では、マンション暮らしの方が頭に入れておきたい、音の基礎知識を床の防音対策をご紹介します。

床に関わる騒音にも種類が存在する!

それではまず、集合住宅での騒音トラブルとして非常に多い「上階に住む方の騒音が…」と言うケースで、どういった音が問題になっているのかをご紹介していきます。一般的に、床に関わる騒音と判断される音として、床衝撃音と言うものが存在します。そして、この床衝撃音に関しては、「軽量床衝撃音」「重量床衝撃音」と呼ばれる2つの種類の音が存在するのです。

防音対策と言うのは「どのような音を防ぎたいのか?」によって必要な作業が全く変わりますので、まずはこの2つの音がどういたものなのかをご紹介しておきます。

軽量床衝撃音

まずは『軽量床衝撃音』に分類される騒音からです。日常生活を送っている時には、食事の際にスプーンやフォークなど、硬質なものを床に落としてしまう…なんてことは普通にありますよね。実は、どういった軽量で硬いものを床に落とした時に生じる「コツン」「カチャン」と言った、響く乾いた硬い音のことを軽量床衝撃音と言うのです。

他には、フローリングで椅子を引いた時の音など、少し鈍い音も軽量衝撃音と呼ばれる場合があります。こういった軽量床衝撃音は、床材によって音の響き方に格差があり、場合によっては階下の人に騒音と捉えられてしまうケースがあります。例えば、小さなお子様がいる家庭で、階下の人が夜勤で働いているという場合、お子様がおもちゃを床にカチャカチャぶつけて遊んでいると、「うるさい!」と怒鳴りこまれてしまう可能性がありますよね。

重量床衝撃音

次は重量床衝撃音です。軽量の逆なので分かりやすいですが、これは子供が部屋の中で椅子から飛び降りて生じるような、『ドスン』とった重く響く音を指しています。
マンションなどの集合住宅での騒音トラブルは、上の階の人が部屋の中を走り回る時の足音がうるさい…と言ったものが多いのですが、こういったケースは重量衝撃音が原因となっています。このタイプの音は、階下に揺れとともに鈍い音が響き渡るので、多くの方が騒音と捉えてしまいます。小さなお子様がいる家庭は、家の中で子供が走り回らないように注意しなければいけません。

床の防音対策とは?

それでは、マンションなどの集合住宅で暮らす方が、階下の人に配慮して床の防音対策を施す場合、どのような対策を施せば良いのでしょうか?ここでは、軽量床衝撃音と重量床衝撃音について、それぞれの対策をご紹介していきます。

軽量床衝撃音の対策

軽量床衝撃音は、スプーンやフォークなど、硬質なものを床に落とした時の音が階下に響き騒音と認識されてしまうとご紹介しましたね。

つまり、こういったものを落とした時には、音をならなくすれば軽量床衝撃音で騒音トラブルになるようなことはないのです。最も簡単な方法としては、モノを落とした時の衝撃を吸収してくれる緩衝材を設置するという方法です。
要は、モノが落ちてしまう可能性がある場所にはカーペットなどを敷いておけば良いわけです。もちろん、お子様を遊ばせる場所についても、カーペットを敷いておけば、おもちゃを床にぶつけても大きな音が鳴るようなことはなくなります。最近では、集合住宅などでお子様を遊ばせる用のスペースを確保するため、後付けで小上がりを作れるような物も販売されていますので、子供を遊ばせる専用スペースとして導入するのもオススメです。

他には、犬や猫を飼っていて、「爪の音が…」なんて場合、遮音性の高い床材に張り替えるというのもオススメです。近年では、フローリングに慣れている方が増えていることから、カーペットなどは敷きたくないという方も多いですし、そういった場合、床材を変えるのがオススメです。

重量床衝撃音の対策

次は重量床衝撃音の対策についてです。重量床衝撃音については、子供が部屋の中を走り回る…と言う場合、しつけをするのが最もオススメですよ。と言うのも、重量床衝撃音は、振動が構造体を伝わって響いてくる音なので、構造体が揺れないように固定することが一種の対策となります。そのため、床スラブを厚くする、あるいは重くするなどの工事をする必要があるのですが、床スラブを厚くするなどと言う対策は各居室で行うような物ではないのです。

そのため、防音工事として対処する場合、浮き床構造にする、遮音性の高い床材に張り替えたうえで防音カーペットを敷いてもらうという対処になるのですが、建物の構造によっては後付けの対処では完全に音を防ぐのは難しいケースもあると考えてください。マンションは、各居室は構造体でつながっているので、重量床衝撃音の対処はなかなか難しいので、「音を出さない」と言うのが最も手っ取り早い対処になるのです。

ちょっとした工夫で集合住宅の騒音トラブルは防げる!

集合住宅で生活する限り、足音などで階下の方と騒音トラブルを抱えてしまうリスクが必ず生じると考えておきましょう。上述したような防音工事を行うことで、トラブルになった際も「対策はしている!」と一方的に攻められることはなくなりますが、ご近所さんとの関係はできるだけ良好に保っておきたいおモノですよね。
そこで、防音工事以外にも可能な『騒音を防ぐ工夫』を簡単にご紹介します。

子供が走り回れないようなレイアウトにする

まずは、小さなお子様がいるご家庭が考えておきたい対策です。子供は広い空間や直線の通路などがあれば、いくらしつけてもドタドタと走り回ってしまいがちです。
したがって、家の中で走り回ることが難しくなるように家具の配置を考えていくのがオススメです。もちろん、家具の角などで怪我をしないように保護することも大切ですが、できるだけ「走り回れない環境」を作るようにしましょう。

家の中でのルールを明確にする

階下の人の生活リズムが分かっているのであれば、それを逆手に取るのもオススメです。例えば、階下のご家庭は、日中は仕事などで全員外出しているという場合、昼間は多少家の中で騒いでも構わないというルールにして、その代わり夜は静かにするようにと決めるわけです。子供は、明確なルールを作っておき、それを守るようにと言う指示の方が守りやすいので、意外に階下に迷惑をかけない方法として有効だと言われています。

階下の人とコミュニケーションをとる

一般的に、見知らぬ人の生活音は騒音に感じてしまうものですが、よく知った相手の生活音はさほど気にならないものだと言われています。実際に、中の良いご家庭のお子様が夜泣きしている…と言う場合、「うるさいな!」という感情よりも「○○さんも大変だな。」と心配の感情が先に来るものではないでしょうか?
つまり、常日頃から階下の人とコミュニケーションをとっておき、「騒がしくしたらごめんね!」と言っておけば、大きなトラブルにまで発展するようなことはないはずなのです。階下の方も、我慢できないほどの騒音と感じれば、気兼ねなくあなたに相談できるようになりますし、日常的なご近所づきあいは非常に重要と考えておきましょう。

まとめ

今回は、集合住宅での騒音トラブルについて、階下の方に配慮するためのポイントをご紹介してきました。この記事でご紹介したように、階下の方に迷惑をかけてしまう騒音にも種類が存在しており、どちらを防ぎたいのかによって必要な対策が変わってくると考えてください。

なお、「人間は生きていれば音を出すものだし、配慮なんて必要ないでしょ!」と考える方もたまにいるのですが、この考え方は危険ですよ。と言うのも、マンション暮らしの方が増えている現在では、この記事でご紹介したような騒音で裁判沙汰にまで発展しているケースも珍しくなくなっています。そして、裁判にまでなると「音なんて出るものだ」などと言う言い訳は通用せず、騒音主に損害賠償が命じられたという判決も多いのです。

騒音問題は、ちょっとの工夫で防ぐことができるものも多いので、この記事でご紹介した内容は是非頭に入れておいてください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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