テレビの音がうるさい…高齢者にありがちなテレビの音量問題と対策

皆さんは、テレビの音をうるさいと感じた経験はあるでしょうか?テレビの音量は、基本的に自分が聞きやすい、ストレスに感じない音量に合わせてみているはずですし、テレビを見ている時に「音がうるさいな…」と感じることは少ないはずです。

しかし、一人暮らしの方などが、実家に帰って家族とテレビを見ている時には、想像以上に大きな音量に設定されていて「うるさい!」と感じてしまうこともあるようです。特に、親世代が高齢になった、おじいちゃん・おばあちゃんと一緒に暮らしているなど、高齢者がいるご家庭の場合は、テレビの音量問題が発生しやすいので注意が必要です。

高齢者は、加齢による聴力の低下や難聴などの問題から、テレビの音量を上げてしまいやすく、他の家族にとっては「うるさい」とストレスに感じてしまうケースもあるようです。そこでこの記事では、テレビの音量を上げ過ぎてしまう場合のリスクと、その問題を解消するための対策について解説します。

テレビの音量はどのぐらいが適切?

高齢者の方が、テレビを見る際に他の人が「うるさい」と感じるほどの音量まで上げるのは、加齢による聴力の低下が大きな要因です。実際に、実家に帰って家族とテレビを見る時には、信じられないほどの音量でびっくりしたことがあるという方は多いのではないでしょうか?

テレビの音量に関しては、人がうるさいと感じるレベルの音量に設定した場合、家族がストレスに感じるだけでなく、近隣住民にまで音で迷惑をかけてしまう恐れがあります。そこでここでは、高齢者の方がテレビの音量を上げてしまう理由と、一般的に適切とされているテレビの音量設定について簡単にご紹介します。

人は加齢により聴力が落ちる

テレビの音量問題については、今現在、家族が設定しているテレビの音量がうるさいと感じている方であっても、将来的に同じ行為をする可能性があると考えなければいけません。なぜなら、テレビの音量を上げてしまうのは、加齢による聴力の低下が原因なので、いずれ誰にでも訪れることだからです。

ちなみに、加齢による聴力の低下については、高齢になってからいきなり始まるものではありません。実は、音の中でも高音域の聴力レベルについては、40代頃から下がり始めるとされていて、ほとんどの方は自覚できないまま聴力が低下していくとされているのです。

そして、60代に入ると、軽度難聴レベルまで聴力が低下する音域が増えてしまいます。日本では、65~74歳で3人に一人、75歳を超えると約半数の方が難聴に悩んでいるとされているのです。加齢による聴力の低下は、音を感知する細胞の数が少なくなることで、小さな音では音の情報を正しく伝えられなくなるからとされています。したがって、高齢の方は、自分の聴力に合わせて、テレビの音量を上げてしまう訳です。

そもそもテレビの音量はどれぐらいが適切?

テレビの音量に関しては、一概に「これぐらいに設定しましょう!」と言いにくいのが実情です。なぜなら、テレビの音量設定については、メーカーや機種によって表示方法や音の大きさが変わるため、統一した基準を作ることが難しいのです。一般敵には、0~100など、数字で音量を設定する機種が多いのですが、同じ値の数値に設定しても、異なる音量になっている場合も多いです。

したがって、適切なテレビの音量については、環境省などが設けている騒音レベルを基準にすると良いです。日本では、日中で55dB以下、夜間で45dB以下が人がストレスなく過ごすことができる音環境と設定していて、これ以上の大きさの音が存在すると、騒音と感じるようになるとされているのです。
ちなみに、40dBが図書館の静けさと同じで小さく聴こえるレベル、60dBになると1mの範囲内で掃除機や洗濯機が動いている時の音量とされています。こう聞くと、60dBは相当うるさいということが分かりますよね。

テレビの音量について気を付けなければいけないのは、隣家の方がテレビの音に対して「うるさい!」と感じないようにするということです。したがって、環境省の基準などを参考にすると、昼間でも60dB以下になるようにする、夜間は50dB以下になるようにすることが望ましいです。ちなみに、テレビの音量設定に関しては、dB表示をしてくれないので、正確な音量レベルを知りたい場合は、騒音測定器を用意して計測する必要があります。

テレビの音がうるさい場合のリスクとは?

それでは、テレビの音をうるさいと感じるほど音量を上げた時のリスクについても考えてみましょう。テレビの音がうるさい…という状況は、同居する家族に迷惑をかけるだけでなく、隣人とのトラブルに発展する可能性もあるのです。

ここでは、テレビの音に関する代表的なリスクをご紹介します。

隣人との騒音トラブルの可能性がある

テレビの音量を上げ過ぎてしまうと、家から音が漏れていってしまい、隣人に迷惑をかけてしまう可能性があります。特に、マンションやアパートなど、集合住宅に住んでいる方の場合は、隣家との生活空間が非常に近いことから、テレビの音を原因として騒音トラブルにまで発展する可能性があるでしょう。

実際に、集合住宅で騒音に悩んだことがあるという方に対して行った調査では、「テレビの音」をうるさく感じたという方が上位にランクインしているケースが非常に多いです。コロナ禍以降は、テレワークなどが一般化していますし、昼間でも大きな音量に設定してテレビを見ていると、隣人から苦情が出る可能性が高いです。

同居する家族のストレス源になる

適切と感じるテレビの音量は、人それぞれです。ただ、聴力が落ちてきた方に合わせてテレビの音量を調整した時には、若い方がその音の大きさにストレスを感じてしまう…というケースも少なくありません。

例えば、テレビの音のせいで会話が聞こえにくくなる、勉強や仕事に集中できない、うるさくて眠れない…なんてことになれば、家族のストレスの原因となってしまいます。年齢の違いによって最適に聞こえる音量は、どうしても違いが生じてしまうものですが、我慢する人がストレスに感じてしまう可能性がある点に注意しましょう。

家族のコミュニケーションが減る

テレビの音量問題は、家族のコミュニケーションに悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、音量が大きすぎると、会話が聞こえにくくなるため家族同士の会話が成り立たなくなります。また、テレビの音をうるさいと感じる、その逆に小さくて聞こえにくく感じるなんて場合には、自室に引きこもったり、家族と一緒なのにイヤホンをしてスマホで動画を視聴するなんてことにもなりかねません。

その結果、家族同士で必要最低限の会話もしなくなるなど、家族間のコミュニケーションが減ってしまうという事態に陥る可能性があるのです。

来客に気付けない

テレビの音が大きすぎると、誰かが訪問してきてもチャイムの音に気付くことができなくなる可能性もあります。この場合、運送業者がせっかく荷物を届けてくれたのに、応対することができない…などと言った迷惑をかける可能性があります。

さらに、注意が必要なのは、テレビの音が大きすぎると、他人が生じさせる物音に気付きにくくなるという点です。例えば、泥棒や不審者が家の中に侵入したとしても、テレビの音で物音に気付けなければ、在宅しているのに盗難被害に遭う…なんて危険もあるでしょう。屋外までテレビの音が聞こえているような家は、多少音が出てもその音に紛れる…と考えられてしまうので、侵入犯罪者から「犯行がしやすい家」とみなされる可能性があるなど、防犯上も望ましくないです。

音響性外傷でなどが要因で難聴になる可能性がある

大きすぎるテレビの音量は、難聴をさらに進めてしまう…、他の家族が難聴になるといったリスクもあるので注意しましょう。皆さんも、ライブやパチンコ店など、非常の大きな音が存在する場所に長時間滞在した後、耳鳴りに悩まされた…という経験はあるのではないでしょうか?これは、大きな音によって毛細血管がダメージを受けているのが要因です。そして、日常的に大きな音が存在する環境に居続けると、音響性外傷を引き起こす可能性があるのです。

たまにライブに行くなど、一時的なものの場合、元の状態に戻ることもありますが、テレビの音量が大きすぎるなど、常に大きな音がある環境にいると、難聴につながる可能性が高くなります。

テレビの音がうるさい場合の対策とは?

それでは、テレビの音量が大きすぎて、家族や隣人がうるさいと感じる危険がある時の対策についてもご紹介します。

本当に今の音量設定でないと聞こえないか確認する

先ほどご紹介したように、大きすぎるテレビの音量は、同居する他の家族や隣人がうるさく感じて、大きなストレス源になってしまいます。音の問題が、重大事件に発展するケースもありますし、このような状況を放置するのは望ましくないでしょう。

そもそも、必要以上の大きな音量でテレビを見続けている場合、その音量に慣れてしまうことで、それ以下の音量では聞き取りにくくなっていきます。人間は、慣れる生き物なので、大きな音に慣れてしまうと、それ以下の音が聞こえにくくなるものなのです。

ただ、テレビの音量は、隣人に迷惑をかけないレベルの音にしなければ、人間関係が壊れてしまう恐れがあります。したがってまずは、家族や隣人に迷惑をかけないレベルの音量まで下げてみて、その音が本当に聞こえないのかを確認してみましょう。周囲が静かなら聞こえるという場合、その音量に慣れていくのが良いです。

テレビが不要な場合は消す

一日中家の中にいる時には、特に見てもいないのにテレビをつけておくという方は少なくありません。しかし、テレビをつけっぱなしにしているという状況は、常に大きな音を聞き続けるということなので、耳への負担がかなり大きくなってしまい、さらに難聴が進行してしまう恐れがあります。

したがって、こういった状況を防ぐためには、見たいテレビの番組が無い時には、テレビを消して耳を休めるようにするというのもおすすめです。

隣人への対策なら防音工事をする

テレビの音で隣人に迷惑をかけないようにしたいというケースでは、大きな音量でテレビを見る部屋に防音工事を施すという方法も一つの手です。

テレビの音は、いくら大きな音になったとしても、防音はそこまで難しいものではありません。そもそも、テレビの防音対策については、壁から少し離れた位置の設置し、背後に防音パネルを設置するという対策だけでも、他の部屋への音漏れを大幅に削減することが可能です。また、隣家とは反対側にテレビを配置し、境界壁と距離をとるようにするという対策も有効です。

こういった簡易的な防音対策では不安…という場合は、我々のような専門業者に相談し、きちんと防音工事をすると良いでしょう。

補聴器やイヤホン、ワイヤレススピーカーを活用する

テレビ以外のアイテムを使うことで、テレビの音量を下げることが可能です。例えば、補聴器を利用すれば、テレビを聞き取りやすくするため、音量を下げても問題ないでしょう。この他、ワイヤレススピーカーを利用すれば、自分の近くで音を出せるようにできるため、同居家族や隣人に迷惑がかかるほど大きな音に設定しなくてもよくなります。

イヤホンやヘッドホンに関しては、テレビの音が外に出なくなるので、騒音トラブルの心配はしなくてもよくなります。しかし、来客に気付きにくくなる、イヤホンやヘッドホンの装着に慣れていない方は、圧迫感や締め付けを感じるなど、いくつかの弊害があるので、その辺りは注意が必要です。

まとめ

今回は、隣人や同居する家族にも迷惑をかける可能性があるテレビの音問題について解説しました。人は、加齢が原因となり、徐々に聴力が低下していってしまうため、何の対策もしていなければ気付かないうちにテレビの音量設定をあげすぎてしまう…なんてことになりかねません。実際に、高齢の方が同居しているお宅では、子供たちがテレビの音をうるさく感じている可能性も少なくありません。

テレビの音が大きすぎると、隣人との騒音トラブルに発展する可能性もあるので、部屋に防音対策を施すなり、音を小さくできるようなアイテムを導入するなど、何らかの方法を検討するのがおすすめです。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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