ステイホームが長引く今、快適な音環境を維持するためにできる防音対策とは?

2020年から続く新型コロナウイルス問題の影響で、私たちの日常生活は大きな変化を強いられています。例えば、外出する際はマスクを着用していないと白い目で見られてしまい、不特定多数が利用する施設などはマスクの着用が無ければ入場制限をされてしまうことも珍しくありません。

さらに、コロナ問題の影響は、私たちが1日の中で最も長い時間を過ごすことになる、自宅の生活環境にも大きな影響を与えています。現在では、中小企業などでもテレワークが一般的になっていますし、学習塾などもインターネットを介してリモート学習サービスを本格的にスタートしています。さらに、今までは仕事終わりに居酒屋などに行って飲み会を行うというのが当たり前だった人も、ステイホームが求められる今、自宅でweb会議ツールなどを利用したオンライン飲み会などが開催されるようになっています。

こういったことから、日常生活を取り巻く環境の中で、ネットワーク上の音声通話、いわゆる「ボイスチャット」による騒音問題が引き起こされるようになっているのです。もともと日本の住宅は、よりリラックスできる住環境にすることを重視していたことから、テレワークやリモート学習、オンライン飲み会のようなボイスチャットを周囲に迷惑をかけずに行えるような作りにはなっていません。そこで、この記事では、自宅でも、家族や近隣住人に気兼ねなくボイスチャットを楽しむための防音対策をご紹介していきます。

防音対策のメリットとは?

長引くコロナ問題の中、人々の在宅時間が長くなってきたことから、音の問題を抱えてしまうご家庭が増えていると言われています。ステーホーム中の音の問題は、web会議中に家族の声が入ってしまう…、逆に音声通話の声が騒音になる、家族が自宅内で静かにしなければいけない時間が生じてストレスになるなど、家庭問題に発展してしまうような要因にもなります。さらに、各家庭ごとの距離が非常に近くなっている近年では、夜間の音声通話の音で近隣トラブルになってしまう…なんてことも増えているそうです。

そうはいっても、自宅にいる時ぐらいは、ある程度好きなように過ごしたいと誰でも考えるものでしょう。そこ皆さんにオススメなのが、防音対策を施すというもので、以下のようなメリットが得られるわけです。

  • 音漏れを気にしなくてもよくなる
    防音対策の最も大きなメリットは、ボイスチャットの音声が周囲にもれなくなるというものです。話の内容的に周囲に聞かれたくない話もあるでしょうし、オンライン飲み会などになるとつい声が大きくなり、騒音トラブルに発展してしまうことも考えられます。きちんと防音対策を施しておけば、夜間などのボイスチャットでも、家族はもちろん近隣に音漏れしないので、トラブルを未然に防ぐことができます。
  • 周囲の雑音が気にならなくなる
    これは、テレワークやリモート学習の対策です。何の対策もなくリビングなどで音声通話をしていれば、周囲の雑音が気になって音声が聞き取りづらくなる、家事の音が相手にも聞こえてしまうなど、さまざまな問題を引き起こします。しかし、web会議中だから「静かにしておいて!」と家族に強いるのもストレスになりますし、コロナ問題のせいで家族の雰囲気が悪くなってしまった…という話もよく耳にします。防音対策は、周囲の雑音を減らすことができますので、家族全員が気兼ねなく日常生活を楽しめるという点もメリットです。

このように、適切な防音対策を行っておけば、音漏れを減らすことで騒音トラブルを未然に防ぐことができますし、家族に負担を強いることがなくなるので、家族全員が快適な音環境を作ることができます。コロナ問題以前は、動画配信者の方などが行っていたボイスチャット用の防音対策は、テレワークが当たり前の今、一般住宅でも求められるようになっています。

コロナ禍で求められる防音対策の手法とは?

それでは、在宅時間が長くなり、多くの方がweb会議やリモート学習、オンライン飲み会と言った音声通話を日常的に行うようになった今、一般住宅に求められている防音対策とはどのような手法があるのかを考えていきましょう。一口に防音対策と言っても、『防音』はあくまでも概念的なもので、実質的な対策は、音を遮る『遮音』と吸収する『吸音』をバランスよく施していく必要があるのです。

ここでは、ボイスチャット対策として有効と考えられる「防音ブースを作る」「個室に防音対策を施す」「防音室を作る」と言う3つの手法についてご紹介しておきます。

防音ブースを作る

まず一つ目の対策としては、最も簡易的な防音対策になる「防音ブースを作る」と言う方法です。これは、DIYに分類される手法で、ネット通販やホームセンターなどで材料を集め、自分でボイスチャット用のブースを作るという方法になります。
上述したように、従来の日本の住宅は、自宅で仕事をするということを想定されておらず、コロナ禍でテレワークやリモート学習をしなければならないと言っても、そのための専用の部屋などが無いのが普通です。そのため、多くの方はリビングなどにパソコンを持ち込んでテレワークを行うという手法を採用していると思います。しかしこの方法では、家事をする際の音がweb会議に入り込んだり、音声通話の音で家族に迷惑をかけてしまう…なんて問題が生じてしまいます。戸建て住宅などであれば、書斎を用意しているようなケースもありますが、マンション暮らしの方は、自由に利用できる部屋などが用意出来ないことから、致し方なくストレスに感じながら自宅で仕事をしている方も多い事でしょう。

そこで、ホームセンターなどで吸音材やパーテーションを購入し、リビングの端っこなどに防音ブースを作るという手段を採用する方が増えているのです。この方法であれば、DIYに向いていますので、材料コストのみで簡易的な防音ブースを設けることができます。なお、一般の方が簡単に手に入れられる吸音材には以下のようなアイテムがあります。

  • 多孔質型の素材
    一般的な吸音材は、繊維質やスポンジのような多孔質の素材が用いられます。具体的には、グラスウールやウレタンスポンジ、布クロスがあげられ、素材表面に小さな穴や繊維の隙間があることから、そこの音の振動が入り込むことで空気摩擦により熱に変換され、吸音されるという仕組みになっています。
  • 板振動型の素材
    これは、薄い板などを壁から浮かせて設置することで、音による空気の振動で板が振動し、それによる板の変形が熱に代わり吸音されるという仕組みです。
  • 共鳴型の素材
    音楽室などの壁に用いられている事が多いので見かけたことがあると思います。要は、たくさんの穴があいた板(多孔板)を利用する方法で、この板を壁から浮かせて設置することで、音による空気の振動が穴に入り、板と壁の間の空間と共鳴します。そうすると、小さな穴周辺の空気が激しく振動することになり、空気摩擦によって音が熱にかわり吸音されるという仕組みです。

こういった材料を用いて防音ブースを設けるという手段を採用するケースも多いです。特に、吸音パーテンションなどであれば、必要な時に設置して簡易のテレワーク場所を作れますので、非常に手軽に防音ブースを用意できます。ただ、防音効果に関しては、そこまで期待できる物ではないという点はおさえておきましょう。

個室に防音対策を施す

防音ブースは、コストもあまりかからず手軽に導入できるという点がメリットですが、その効果は限られてしまいます。実際に、弊社にテレワーク用の防音工事を相談してくるお客様の中には、自分で対策を行ったけど「何の効果も感じられなかった…」とおっしゃる方が多いです。

そこで二つ目の方法としては、利用頻度の低い個室に防音対策を施すという手法です。ある程度、防音性の高い空間を作りたいのであれば、一定の遮音性能を持つ個室を作るのが最もオススメです。そのため、物置やウォークインクローゼットなど、普段あまり利用していない個室に防音対策をしてほしいという依頼が多くなっています。

web会議やリモート学習用の防音対策は、そこまで本格的な工事が必要ありませんので、我々のような専門業者に工事を依頼しても想像より安い金額になるはずです。なお、楽器用の防音室などとは異なり、部屋が狭くなるなどと言うことも少ないです。

防音室を作る

これは、どちらかと言うと新築や大規模リフォームなどを検討しているという方向けの対策です。最近では、建売住宅でも防音室が標準装備されているようなケースもあるなど、withコロナ時代に合わせた住宅が建てられるようになっています。特に、防音室に関しては、新築時に作っておけば、部屋の広さや配置など、最も防音効果を発揮できる設計にすることが可能です。

他にも、防音室を作りたいけれど、空き部屋がない…と言う場合に、階段下のデッドスペースを活用して小さな防音室を設けるだとか、寝室を分割して防音室を作るなどと言った防音工事を依頼されることも増えています。この辺りは、お客様が求める防音性能や住宅の間取りや構造なども関わってきますので、まずはご相談ください。

まとめ

今回は、長引くコロナ問題の中、急速に求められるようになってきた「テレワークやリモート学習用の防音対策」について解説してきました。

在宅時間がどんどん長くなっている現在ですが、人々が自宅で過ごす時間が長くなってきたことで、家事や話し声などの生活音原因とする騒音トラブルが急増していると言われています。さらに、テレワークが当たり前になった現在、家族間で音の問題を抱えてしまう…というご家庭も増えてきており、自宅の音環境の改善を目的に我々のような防音工事業者に連絡される方が非常に多いのです。

特に家族間での音の問題は、家庭に暗い影を落としてしまう危険もありますので、生活のしにくさを感じストレスを抱えてしまう前に何らかの防音対策を施すことがオススメですよ。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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