防音工事業者の信頼性を確認するポイントをご紹介

近年では、快適な住空間を構築するために、専門業者に依頼して自宅に防音リフォームを施す方が増えています。もともと、楽器の演奏を生業としていた方などが、自宅に専用の防音室を作るなど、少し特殊な住宅リフォームという扱いだったのですが、ここ数年、防音室までは必要ないという方が専門業者に防音工事を依頼するというケースが増えています。

ただ、実際に自宅の防音リフォームを検討した時に、どの会社に工事を相談すれば良いのかがわからないという声も多いです。防音工事は、人の目には見えない「音」の対策をする工事で、その他の住宅リフォームと比較すると、業者側の経験や知識が非常に重要になり、いつも住宅の管理をお願いしている馴染みの業者に依頼することができないという問題があるのです。

そこでこの記事は、信頼できる防音工事業者かどうかを見極めるためのポイントをいくつかご紹介します。

信頼できる防音業者か見極めるポイント

防音工事を取り扱っている業者は、全国に数多く存在し、対応可能な施工内容や料金などの特徴もさまざまです。昨今は、リフォームを依頼する業者はインターネットで検索するという手法が一般的になっており、HPなどで防音工事会社を名乗っていれば、それだけで安心してしまう人も多いです。

しかし、中には残念ながら防音に関する知識が少ない業者もいて、高い費用をかけたのに満足のいく結果が出なかった…なんてことになるケースもあるのがこの業界なのです。特に、コロナ禍以降は、防音リフォームの需要が非常に高まっていて、防音工事を取り扱い始めた業者も増えています。したがって、HPなどをパッと見ただけで、工事を依頼する業者を決めるのは少し危険な状況になっているのです。

そこでここでは、信頼できる防音工事業者か見極めるためのポイントをいくつかご紹介します。

①ヒアリングをきちんと行うのか？

防音工事は、お客様が何の目的で防音を考えているのか、最初のヒアリングが非常に重要です。したがって、しっかりと親身になってヒアリングをしてくれるかどうかを確認することは、信頼できる業者を選ぶための重要ポイントになります。

防音工事は、お客様が防ぎたい音の種類や大きさによって必要な施工内容が大きく変わります。また、防音工事を施す建物だけでなく、周辺の音環境なども防音室などの性能に関わってくるため、事前にしっかりと打ち合わせを行わなければ、的確な提案ができないのです。したがって、防音工事の相談を電話などでした際、現状の確認や悩んでいる音の種類などの確認がいい加減で、質問の返答なども曖昧…なんて業者は信頼できないと考えた方が良いです。特に、綿密な打ち合わせもしていない状況なのに、とにかく契約を急かしてくるといった業者は危険だと判断しましょう。

防音工事は、事前にしっかりとお客様の要望を聞き、綿密な打ち合わせを重ねたうえで、予算に合わせた見積りと工事提案をしてくる業者が信頼できます。

②専門知識をきちんと持っている

防音工事は、防音に関する知識はもちろん、音に関する専門知識も必要です。

一口に防音工事といっても、お客様の悩みはさまざまで、ピアノなどの楽器が演奏できるレベルの防音室を作る、上の階に住む人の足音を聞こえなくしたい、ペットの鳴き声が近隣の人に迷惑にならないようにしたいなど、防音の目的が人によって変わるのです。

したがって、防音工事業者は、さまざまな音の特徴を理解し、どうすればその音を軽減することができるのか、きちんと見極めるだけの専門知識が必要になるのです。防音工事を依頼する業者を選ぶときには、あなたの音の悩みに対して、どのような施工が必要になるのか、また施工後にどのような状況まで改善することができるのかを丁寧に説明してくれる業者かどうかを確認しましょう。

③現地調査を行う業者

防音工事の相談をした際、現地調査も行わずに提案書や見積書を提示してくる業者はNGです。

どのような防音対策が必要になるのかは、「どんな音に悩んでいるか？」という音の種類だけで判断することはできません。例えば、戸建てかマンションかという建物構造や、近隣住宅との距離や音環境など、さまざまな要因から必要な防音工事の内容を決めていくのです。また、現状どの程度の音が発生しているのかも測定する必要があり、その音をどこまで小さくできるのかなども提示してもらう必要がありますよね。

信頼できる防音工事業者であれば、お客様の要望を伺ったうえで現地調査を行い、建物の構造や間取り、周辺の環境や騒音状況などをしっかりと調べたうえで、お客様の要望に最適な提案を検討するのです。当然、防音工事は、しっかりと事前調査を行ってくれる業者に依頼しなければいけません。

④豊富な実績を持つ業者

防音工事は、知識と経験が重要なリフォームです。単に見た目を良くすれば良いというわけではなく、目に見えない音をきちんと防がなければならないため、ほんの小さな隙間も見逃せないのです。また、防音室は、音漏れがしなくなれば良いだけでなく、防音室内にいる人が快適に過ごせるよう、音響環境も整える必要があるのです。例えば、音漏れを防ぐことにだけ注目し、遮音対策ばかりを施した場合、室内で音が反響するようになり、防音室内にいる人が不快に感じてしまうようになるなどの問題があるのです。

したがって、防音工事業者が信頼できるのかどうかを確認するためには、業者のwebサイトなどで過去の施工実績を確認することも大切です。特に、ライブハウスやレコーディングスタジオなど、商業用施設の施工事例を豊富に持っている業者ほど信頼性が高いと言えます。

⑤適正な価格提示か？

防音工事は、施工内容によって料金が変わるものの、一般的な住宅リフォームと比較すると、割高な費用がかかります。そのため、業者選定の際には、「できるだけ安い業者を選びたい」と考えがちなのですが、低価格だけを理由に安易に選ぶのはあまりオススメではありません。

防音工事にも、ある程度の費用相場があるため、一般的な相場価格とかけ離れていない価格提示の業者を選ぶのがおすすめです。これは、「相場よりも高すぎる」だけでなく「安すぎる」業者も危険だと判断しなければいけないという意味です。料金が安いという点は、一見魅力的に見えますが、目に見えない部分に低ランクの材料を使われ、出来上がった防音室が満足のいく性能を持っていなかった…なんてことになりかねないからです。

防音工事は、複数の業者から相見積もりをして比較検討すると思いますが、その際に、相場とかけ離れた価格を提示してきた業者があれば、なぜその価格なのかきちんと確認し、納得できない曖昧な返答の場合、いくら安くても断った方が良いです。

防音工事業者を探す時の注意点

防音工事業者を見極める時は、上記のような点を確認しながら納得できる提案をしてくれる業者を探すと良いです。また、上記以外にも注意しておきたい点がいくつかあるので、以下の点も頭に入れておきましょう。

防音室のショールームについて

多くの防音工事業者は、防音室の効果を体験してもらえるようショールームを用意しています。防音工事は、外壁塗装などのように、誰でも必ず行うといったリフォームではないため、防音工事を行うことで得られるメリットがイメージできない…という方も多いのです。実際に、防音室の中に入ったことがない人であれば、ピアノなどの楽器音やステレオから出る大音量がどこまで小さくなるのか分からなくて、防音工事に踏み切れない…という方が多いのではないのでしょうか。

防音工事業者は、自社の技術力の証明と、お客様の防音体験のため、専用の防音ショールームを用意しているので是非体験してみましょう。ただ、防音室の体験ルームに関しては、「どういった構造の建物に用意されているのか？」もチェックしておく必要があります。建物の構造は、鉄筋コンクリートや木造など、複数の構造があるのですが、鉄筋コンクリートは元々建物が持つ防音性が高くなります。したがって、ビルなどに作られた体験ルームを確認し、木造戸建ての防音室を作ってもらった場合、想像よりも低い性能の防音室になってしまい、失敗に感じるなんてこともあるのです。
可能であれば、木造の建物に作られた防音体験ルームに足を運んでみるのがおすすめです。

口コミについて

最近では、防音工事を始めとしたリフォーム工事を検討した時には、インターネット上で口コミや評判を確認することも判断基準の一つになっています。ネット上で高評価が多くあれば優良業者で、そうでないなら悪徳業者だというイメージが先行するようになっています。

ただ、ネット上の口コミに関しては、匿名性が高く信ぴょう性に疑問が残るという点には注意が必要です。例えば、きちんと工事をしてもらったのに、職人さんと人間的に合わないという理由だけで低評価にする人がいたり、良い口コミをお金で購入しているような業者もいるのです。

ネット上の口コミは、一定の判断基準になるのは間違いありませんが、記載されている情報が全て正しいと安易に判断するのは良くないと考えておきましょう。あくまでも、リサーチ程度の認識をしておくのが良いと思います。

まとめ

今回は、防音工事を検討した時、相談する業者の信頼性を判断するためのポイントについて解説しました。防音室は、部屋の見た目を良くすれば良い工事ではなく、目に見えない音を軽減するための対策を施すリフォームです。したがって、防音工事による効果は、工事が完了してみないと業者選びに間違いがなかったのかが判断できないという特徴があるのです。塗装工事などであれば、工事がある程度進んだ段階で「イメージしていた色と違う！」なんてことがあれば、すぐに修正を依頼することができます。しかし、防音室は、部屋が完全に出来上がらなければ、その性能を発揮することができないという特性上、工事が完了するまで待たないとならないのです。

記事内では、しっかりと工事を行ってくれると考えられる信頼できる業者の特徴をご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。