防音室を自宅に用意するには?防音室の用途やいくらで導入できるか、その基礎知識をご紹介!

防音室に関するネットでの検索キーワードを確認してみると「部屋 を 防音 室 に したい」「防音室 自宅」「防音室 いくら」と言った検索を行っている方が多いようです。防音室を自宅に作るには、それなりのコストがかかってしまうことから、やはり値段を気にしている方は多いようですね。また、意外に多いのが「簡易防音室」と言ったキーワードで検索する人が増えているのですが、これは、コロナ禍以降、テレワークやリモート学習などを目的とした防音室を求める方が増えているからだと思います。一般的に、防音室というのは、自宅で楽器の演奏を行うなど、非常に大きな音を生じさせる方が、高いお金をかけて作るものと言ったイメージでしたが、近年では、楽器演奏以外にも、家族間の生活音を防止して仕事や学習に集中できる環境を作りたいという要望が増えているようです。

防音室については、新築の建売住宅に備え付けられているケースが増えているなど、年々その需要が高くなっているのですが、どういった用途で防音室を求める方が増えているのでしょうか?また、防音室を自宅に用意するには、どういった手段があるのかも気になると思います。そこでこの記事では、皆さんが気になる防音室にまつわる基礎知識を解説します。

防音室を自宅に作るのはどんな人

それではまず、自宅に防音室を作る人がどのような人なのかについて、防音室の主な用途を解説します。防音室は、本格的な物を用意しようと思えば、200万円以上のコストがかかりますので、「どんな人が作っているのだろう?」と疑問に感じる方も多いです。

ここでは、多額のコストをかけてまで、自宅に防音室を用意する理由について、代表的な防音室の利用用途をご紹介します。

自宅で楽器の演奏を行う

防音室を自宅に作る方について、最もポピュラーな理由がこれです。自宅でピアノやギター、ドラムなど、楽器の練習をしたいという方が、音で近隣に迷惑をかけないように防音室を作るという理由ですね。

最近では、電子ピアノや電子ドラム、管楽器の消音機など、楽器から生じる音の大きさを調整できるアイテムも増えていますが、楽器の上達を考えた時には、自分が生じさせた音を耳で聞きながら練習することが大切です。したがって、自宅でも大きな音を出せるようにするため、防音室を作り、演奏音が外に漏れないようにするわけです。

ホームシアターやカラオケルーム

自宅でも、映画館さながらの迫力で映像を楽しみたいと、本格的なホームシアターを求めて防音室を作る方も多いです。ホームシアターは、通常のTVの音とは異なり、何の対策も無ければ騒音トラブルの危険があります。したがって、自宅でくつろぎながら映画やライブ映像を楽しみたいという方が、本格的な防音室を設けるわけです。

また、コロナ禍以降は、自宅でカラオケを楽しめるように、防音性の高いカラオケルームを作る方も増えています。コロナ禍では、外出自粛が求められたため、自宅でもストレス解消を目的に、カラオケを楽しみたいと考える方が増えたのだと思います。

テレワーク・リモート学習部屋

コロナ禍以降、建売住宅に防音室が設けられるようになった理由が、この利用用途です。日本の住宅は、家族のコミュニケーションがとりやすくなるような間取りが人気だったのですが、コロナ問題が発生し、自宅で仕事や学習をしなくてはならなくなりました。そして、その時には、家族が生じさせる音で仕事に集中できない…、逆にweb会議の音で家族に迷惑をかける…と言った事態が多くの家で発生しました。

コロナ問題が収束を見せた現在でも、テレワークを続ける企業は少なくないですし、自宅に防音室を作って、仕事に集中できるようにしようという動きが加速しているわけです。なお、この防音室は、上述した防音室とは異なり、室内の音を外に漏れないようにするというよりは、室外の音が侵入しないようにということが重視されます。また、防ぐのは生活音となりますので、防音性能はそこまで高い物を必要とせず、簡易防音室と呼ばれる場合もあります。

動画配信のため

Youtubeなどの動画配信サイトが登場して以降、動画配信のために防音室を用意したいという要望も増えています。最近では、instagramなどのSNSでも動画の生配信をする方が増えていて、その時の話し声で騒音トラブルを抱えてしまう人も少なくないようです。

動画配信用の防音室については、配信者さんによって必要とする性能が全く異なります。例えば、大きな声を出すゲーム実況などの場合、それなりに高い性能が必要ですが、SNSなどでの生配信程度なら、簡易防音室の性能でも十分でしょう。

防音室の種類について

自宅に防音室を作る場合、どのような用途で防音室を使いたいのかによって設置すべき防音室のタイプが変わります。実は、一口に防音室と言っても、大きく分けて3つのタイプが存在するのです。

ここでは、それぞれの防音室の特徴を解説します。

簡易防音室

一つ目は、ブースタイプやテントタイプと呼ばれる簡易防音室です。簡易防音室は、人ひとりが入れる程度のスペースで、部屋の隅に設置して使うため、賃貸マンションなど、本格的な工事ができない場所でも設置できるのがメリットです。

ただ、防音性能はそこまで高くないため、楽器の演奏や声楽、大きな声で話す動画配信には向かないです。基本的に、家族の音で集中力を乱されないようにしたいなど、テレワークやリモート学習などに使用されると考えましょう。

ユニット(定型)型防音室

次は、ユニット型防音室などと呼ばれるタイプです。ヤマハさんやカワイさんなど、大手楽器メーカーが販売する本格的な防音室です。分かりやすく言うと、高い防音性能を持つプレハブ小屋を部屋の中に設置するといった防音室です。ユニット型防音室は、1畳以下の大きさから4.5畳ほどのものなど、利用用途によって大きさを選びます。例えば、フルートなど、立って演奏が可能な管楽器であれば1畳前後の防音室でも練習が可能です。ピアノなどになると2.5畳以上の物を設置します。

ユニット型防音室は、建物に対して本格的な工事を施す必要がないため、賃貸住宅や大掛かりなリフォームが禁止されている分譲マンションでも防音室を作れる点がメリットです。ただ、それなりのスペースがあり、高性能なものは、150万円以上のコストがかかりますので、決して安くはない点に注意しましょう。また、防音室は、工場で製造される既製品なので、ユーザーの好みに合わせて防音性能や音響環境を調整することはできません。防音室設置後に、この辺りに不満を感じる方は少なくないようです。

自由設計タイプの防音室

最後は、皆さんがイメージしている防音室の形で、我々のような専門業者に依頼して、既存の部屋を防音室に作り替えるというものです。自由設計タイプは、お客様から防音室の利用用途をお伺いしたうえで、周辺環境などを調査し、お客様にとって最適な性能を持つ防音室を、一から設計します。したがって、防音工事会社との打ち合わせ時に話した通りの利用をしていれば、音漏れの心配もなく、音響環境も満足できる仕上がりになるでしょう。

注意点としては、3つのタイプの防音室の中では、最もコストが高くなる点です。既存の部屋を防音室に作り替える場合、一度部屋を解体し、そこから防音性能を持つ部屋に作りなおさなければならないため、工事そのものや廃材の処理などにコストがかかってしまう訳です。なお、近年では、防音室の需要の高まりもあり、防音に関する知識を持たないリフォーム会社が防音工事業界に進出してきています。そして、お客様が満足できる防音室の仕上がりにならないことから、消費者トラブルに発展するケースも目立つようになっています。自由設計の防音室を求める場合、最初の工事業者選びは慎重に行いましょう。

防音室の用途が、本格的な楽器演奏用やホームシアター、カラオケルームなどの場合、高い防音性能はもちろん音響環境の調整などが必要になりますので、自由設計の防音室が望ましいです。

防音室の費用について

それでは、これから自宅に防音室を設置しようと考えている方が、最も気になる「防音室はいくらかかるの?」について解説していきます。

上述したように、防音室にも、いくつかの種類が存在していて、どれを選ぶのかによって防音室にかかるコストは変わります。また、同じ方法を採用した場合でも、利用用途によって求められる防音性能などが異なるため、費用感は変わります。ここでは、上で紹介した3つの防音室について、大まかな費用相場をご紹介します。

簡易防音室の費用相場

簡易タイプの防音室は、部屋の中におけるテントのような物を購入するだけなので、防音室にかかるコストは本体価格のみとなります。簡易防音室では、ダンボールが原材料となっている「ダンボッチ」が有名ですが、コロナ禍以降、さまざまなタイプが販売されてます。なお、簡易タイプは、購入した人が自分で組み立てるのが基本ですので、工事費はかかりませんし、家の届けばすぐに防音室を作ることができます。

簡易防音室の費用感は、以下のような感じです。

  • ・テントタイプの簡易防音室・・・5~10万円前後
  • ・ブースタイプの簡易防音室・・・20~60万円前後

テントタイプは、防音性能が高くない分、本体価格もかなり安い設定になっています。中には、単なるテントが簡易防音室として販売されているなど、基本的には、気休め程度の性能しかないと考えておいた方が良いです。ブースタイプについては、製品によって性能も価格帯も大きな幅があります。安いものでも、テレワークには十分な性能がありますが、20万円以上はしますので、そこまで安くはありません。最近では、企業がオフィスに設置するため、そこそこの性能を保持するブースタイプの簡易防音室が登場しています。このタイプは、外観デザインにかなりこだわっているためか、そこまで高い性能を持っていない割に、かなり強気な価格設定になっています。

ユニット型防音室の費用相場

ユニット型防音室も、建物に対して本格的なリフォーム工事を行うわけではありません。ただ、重量のあるプレハブ小屋のような物を部屋の中で組み立てる必要があるため、施工期間は短い(1日)ものの、設置は専門業者に行ってもらいます。

費用相場に関しては、防音室の大きさによって異なりますが、0.8畳タイプがもっと安価で50~80万円程度、ピアノなども設置できる2.5畳タイプで100~150万円前後を想定しておきましょう。なお、ユニット型防音室は、ヤマハさんやカワイさんなど、大手楽器メーカーが運営する店舗に足を運べば、その防音性能を体験することも可能です。

※ユニット型防音室は、レンタルサービスも登場しています。
関連:防音室のレンタルサービスについて。防音工事と比較した時のメリットとデメリット

自由設計タイプの防音室の費用相場

最後は、自由設計タイプの防音室です。これは、既存の部屋に対して、防音工事を施すことで防音室に作り替えるという手法です。防音工事は、6畳程度の部屋に本格的な楽器用防音室を作る場合、最低でも2週間程度の工期が必要になります。施工条件や求める性能などによってはそれ以上の工事期間が必要になります。

費用相場については、防音工事を施す部屋の広さや防音室に求める性能などで大幅に上下します。例えば、6畳程度のピアノ用防音室を作る場合、160~210万円程度が相場なのですが、同じ広さの防音室でもドラム用の防音室となると400万円以上の費用がかかったりします。

音は、空気音、固体音と言った種類が存在していて、防音室の用途によって防がなければならない音の種類が変わるため、必要な施工内容、材料が変わってくるのです。したがって、あなたが作ろうとしている防音室について、ひとまず費用感だけでも知りたいと考えているなら、お気軽に防音工事の匠までお問い合わせください。

まとめ

今回は、自宅に防音室を設置しようと考えた時、どのような種類の防音室があるのかについて解説しました。記事内でご紹介したように、一口に防音室と言っても、いくつかの種類が存在していて、防音室の利用用途によって選ばなければならない防音室の種類が変わるのです。

一般的には、防音室は楽器の演奏など、特別な理由がある人が用意するものというイメージが強いですが、コロナ禍以降、自宅で仕事をするようになった方が増えていることから、楽器防音ほどの性能は必要ないものの、家族の生活音を聞こえなくしたいといった要望が増えています。自分の要望に対してどのような防音室が必要か、いまいち分からないという方がいれば、お気軽に防音工事の匠までお問い合わせください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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