マンションやアパートでの騒音トラブルが増加!トラブル回避のためにも、何が問題になるのかを知っておこう!
マンションやアパートなど、集合住宅で生活する方が増えた近年では、各家庭の生活空間が非常に近くなってきたことから、ちょっとした音で騒音トラブルが発生してしまう…という事例が増えていると言われています。
しかし、人が生活していく上では、完全に無音状態で過ごすことなんて不可能なことですから、「生活音なんてお互い様でしょ!」と考えてしまう方が多いと思います。正直な話、この考え自体は至極ごもっともな考えだと思うのですが、実は生活音による騒音トラブルは、ちょっとした配慮で未然に防ぐことも可能なのです。
そこでこの記事では、集合住宅でよくある音の問題と、その問題を解消するためにはどうすれば良いのかについて考えていきたいと思います。ちなみに、都市部の戸建て住宅は、土地面積の問題などで隣家との距離が近くなってきており、マンションなどと同じような問題を抱えてしまいやすくなっています。そのため「うちは戸建だから関係ない!」などと考えずに、以下で紹介するポイントを頭に入れておきましょう!
騒音にも基準が存在する
一口に『騒音』と言っても、音の問題は人によって受け取り方がかなり違ってしまう…ということが難しいポイントです。同じ音を耳にしたとしても、「うるさい…」と感じる方もいれば何も気にならないという方も存在するのが普通です。そのため、騒音トラブルの原因となっている方に関しては、自分が発生させている音が他人に迷惑をかけているという認識が全くない場合があるわけです。当然、「音で迷惑をかけている」という認識が無ければ、その状態を解消することなど思いつきませんし、最終的に近隣トラブルとしてもめごとになってしまう訳です。
このように、感じ方が人それぞれの音の問題ですが、騒音にも基準というものが設けられています。ここでは、どの程度の音が『騒音』とみなされるのかをご紹介しておきますので、頭に入れておきましょう。なお、音のレベルは「dB(デシベル)」という値で示されています。
- 我慢できないほどの音⇒騒音値:80~90(dB)
- うるさいと感じる音⇒騒音値:60~70(dB)
- 普通(ここが問題ないとされている音)⇒騒音値:40~50(dB)
- 静か⇒騒音値:20~30(dB)
上記に様に、一般的に50デシベルを超えたあたりから、人は「うるさい」と感じるようになると言われています。なお、人が日常生活で使用する掃除機やテレビの音、トイレを流す音などが60デシベル程度と言われていますので、普通に生活している際に生じる生活音は、人によって「うるさい」と感じてしまう音になるのです。
こういった騒音問題に関しては、トラブルを防ぐ目的などで、自治体などが条例を定めています。一般的な住宅地の場合、日中は「50~55デジベル以上」、夜間は「40~45デジベル以上」が騒音と定義されていると考えましょう。つまり、これ以上の音は出してはいけないのです。
こう聞くと「掃除機って使ったらダメなの?」と思ってしまうかもしれませんが、当然そうではありません。音は空気を振動させて伝わっていくものなのですが、騒音源から距離が離れれば音が小さくなりますし、家の窓を閉め切るなどと言った感じで遮ることで、音漏れを防ぐこともできます。つまり、60デシベルの音が出ると言われる掃除機なども、きちんと対策をとっていれば、基準以下の音の大きさになるわけです。
近年非常に需要が高くなっている防音工事などは、こういった生活音によるトラブルを防ぐという目的も増えており、音の問題に悩んでいるのであれば、有効な対策になると言えます。
集合住宅で発生する騒音問題の事例を知っておこう!
それではここからは、アパートやマンションなどの集合住宅において、近年増加していると言われる騒音トラブル事例とその対策について簡単にご紹介していきたいと思います。ライフスタイルが異なる人が、同じ建物内で生活することになるわけですの、ちょっとしたことが原因で騒音問題に発展してしまう…なんてことも珍しくありません。
ここでは、代表的な騒音トラブル事例と対策をいくつかご紹介しておきます。
事例① 生活音や話し声で騒音トラブルに…
マンションやアパートなどの集合住宅では、上階に住んでいる方の足音に悩まされてしまう…という事例が少なくありません。実際に、上階に住む子供の足音がうるさい…ということで、裁判沙汰にまで発展し、損害賠償が認められたというケースまで存在するのです。
集合住宅は、各部屋がつながっているわけですので、構造物を振動が伝わって階下に騒音が届いてしまう…という意識を持っておきましょう。一度でも集合住宅に住んだことがあれば、上階に住む人の足音や椅子を引く音などが聞こえた…という経験が絶対にあると思います。多少であれば問題にもならないのでしょうが、長時間走り回る音が続くと、さすが「うるさくて我慢できない…」となってしまうでしょう。
この他にも、夜遅くに人が集まって「話し声が聞こえて眠れない…」なんてトラブルも少なくありません。
■対策について
階下の人に迷惑をかけている…という場合、音の発生源となっているご家庭が何らかの対策を施さなければいけません。子供に部屋の中で走り回らないようにしつけるのは当たり前として、階下に音が響かないように防音効果の高いカーペットを設置するなどが有効です。分譲マンションなど、大掛かりなリフォームが可能な環境であれば、床の防音対策を行うのもオススメです。
話し声などの対策としては、窓の防音性能を向上させるのがオススメです。二重窓にするのが最もオススメですが、賃貸などの場合、そういった工事ができませんし、防音仕様のカーテンなどを導入してみると良いでしょう。
事例② テレビやステレオなどの音響設備が原因…
テレビやステレオなどの音響設備が原因となる騒音問題も少なくありません。この問題は、どちらかというと、若い人が多く住んでいる賃貸マンションなどで発生しやすい問題で、夜中に大きな音でテレビを見ていて、音漏れで眠れない…などと言った感じでトラブルになるようです。
基本的には、近隣住民への配慮の問題ですので、管理会社などを挟んで問題解消を目指すのが一般的です。
■対策について
最も簡単な対策としては、騒音の発生源となっている方に夜間はテレビやステレオを使うにしても、音量を下げてもらうようにするということです。ちなみに、いくら騒音に悩まされている…と言っても、自分でクレームを言いに行くのはオススメできません。騒音問題は、相手側が「自分が悪い」という認識を持っていないことが多いため、苦情を入れられたことに腹を立て、傷害沙汰に…なんてケースも少なく無いのです。まずは、管理会社などに注意してくれるように伝えると良いでしょう。
騒音を和らげるためには、夜間はきちんと窓を閉めておくことや、防音性の高いカーテンを設置するなどがオススメです。
事例③ 掃除機や洗濯機などによる騒音問題…
日常生活を進めていく上では、さまざまな家電製品を利用しますよね。例えば、掃除機や洗濯機、エアコンなどはどのような方でも利用すると思います。しかし、こういった家電製品が騒音トラブルを引き起こしてしまう…なんてことも考えられるのです。
例えば、掃除機や洗濯機を利用するにしても、周囲が寝静まった深夜に使用してしまえば、ほぼ確実に騒音トラブルになってしまうでしょう。実際に、生活家電に関する騒音トラブルは、ライフスタイルの違いから、隣家が家電を使用している音が気になってしまう…ということから発展しているケースがほとんどのようです。
■対策について
これに関しては、周囲の方に配慮して、常識的な時間帯に使用するという対策が最も有効です。例えば、昼間であれば、さまざまな音がそこら中でなっていますので、掃除機や洗濯機の音もそれらに紛れて気にならなくなります。
他には、洗濯機やエアコンの室外機などは、振動が騒音の原因となる場合がありますので、振動音が生じないようにするため防振ゴムを設置するなどの対策がオススメです。
まとめ
今回は、マンションやアパートなどで増加していると言われている騒音トラブルについてご紹介してきました。都市部などでは、土地の問題などもあり、マンションで暮らす方がどんどん増えています。マンションは、さまざまなご家庭が同じ建物内に住み、壁や床一枚で各家庭を隔てているだけとなりますので、ちょっとした生活音が原因となる騒音トラブルの危険性が非常に高いわけです。
特に、昨年からは新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークが普及したことで日中も家に人がいる家庭が多くなっていることで、生活音による騒音問題が急増しているわけです。人が生活する限りは、完全に無音状態でいることなど不可能ですが、なるべく隣家に迷惑をかけないようにする…という配慮は絶対に必要だと考えなければいけませんよ。
音の感じ方は人それぞれですので、自分は何も感じないような音でも、それを「うるさくてたまらない…」と思ってしまう方がいると考えておきましょう。