コロナ禍で騒音トラブルが急増中!そもそもどんな音が問題になっているのか?

近年では、楽器などの演奏目的に防音室を作るのではなく、ご近所さんの生活音を防止するための防音工事が急増しています。これは、一昔前のように、庭付き一戸建て物件が減少し、集合住宅で生活する方や、戸建てでも隣家との距離が数十cmしか開いていないといった物件が多くなっているからです。音は、距離が離れるほど減退していくものですから、人々の生活空間が近くなっている今、騒音トラブルが増加してしまうのは、ある意味致し方ない事と言えるでしょう。

さらに、2020年からは、新型コロナウイルス問題が世界中で拡大しており、日本国内でもテレワークと言う働き方が一気に取り入れられています。そして、夜間も飲食店の自粛要請などにより、自宅で過ごす方が一気に増えています。こういったことから、今までは気にすることもなかったような自宅周りで生じている騒音が、耳障りに感じるようになり、近隣トラブルに発展してしまうことが増加しています。
そして、日常生活の中にある音の問題を解消する目的で、我々のような防音工事業者に相談してくる方が急激に増えているわけです。ちなみには、一口に音の問題と言っても、ご家庭によって悩まされている音の問題がかなり異なっていることから、必要になる防音対策も全く違ってきます。

そこでこの記事では、近年社会問題にまでなってきている騒音問題について、人々がどのような音を気にするようになっているのか、またその音の問題を解消するためにはどのような対策をとるべきなのかを簡単にご紹介していきます。

騒音トラブルの原因ランキング

それではまず、近年急増している生活音に関する騒音問題について、実際にどのような音が原因でトラブルが発生しているのかを見ていきましょう。ここでは、2015年に行われた「SUUMO 近隣トラブルに関する調査」データを元に、騒音トラブルの原因ランキングをご紹介しておきます。

なおこの調査は、東名阪エリアに在住する20~50代の男女400名にアンケートを実施したものです。このアンケートでは、近隣住人に対して不満があると答えた人に関しては、『騒音(45.9%)』が第一位の原因となっていたそうです。日常生活を進めていく上では、誰もが無音で過ごすことなどできませんが、どういった音が他人に迷惑をかけるのか?と言った事を真剣に考えている方は少ないのではないでしょうか。ここでは、このアンケートで回答のあった騒音の原因について、ランキング形式でご紹介しておきます。

※日常生活音別に「かなり気になる」「あまり気にならない」「まったく気にならない」の3段階で回答するアンケートです。この中でも「かなり気になる」と回答した人が多かった順のランキングです。

  • 1位 子どもを叱りつける親の声 21.0%
  • 2位 子どもの騒がしい声 20.8%
  • 3位 子どもの泣き声 17.8%
  • 4位 ペットの鳴き声 16.3%
  • 5位 子どもの足音 16.0%
  • 6位 人の話し声 15.5%
  • 7位 楽器の音 11.8%
  • 8位 テレビ・音楽などの生活音 10.3%
  • 9位 洗濯機の音 8.0%
  • 10位 目覚まし時計の音、掃除機の音 7.8%

データ引用:「SUUMO 近隣トラブルに関する調査」より

このアンケートによると、騒音の原因は、上記のような物があげられています。少し驚きなのは、子供が泣く声や騒ぐときに生じる騒音よりも、それを静かにさせるためにしかりつける親の声の方が迷惑と感じている方が多いという事実ですね。この記事を読んでいる方の中にも、子供をしかりつける時に、つい大声を上げてしまった経験があるという方も多いと思いますが、実はその大声は近隣の方に最も迷惑と感じられている行為だと覚えておいた方が良いですよ。
人の声以外では、ペットの鳴き声も上位にランクインしているのですが、実はコロナ禍でペットを飼い始める方が急増していると言われています。このアンケートは、2015年に行われたものですので、現在同じアンケートを行うと、ペットが引き起こす騒音はもっと大きな割合を占めるのではないかと思います。実際に、ここ最近では、ペットの鳴き声だけでなく、足音対策のための防音工事なども急増しています。
他には、日常生活上、どうしても生じてしまう、掃除機や洗濯機などの生活家電の音も近隣の方からすれば迷惑な騒音扱いになっています。ただし、こういった生活家電に関しては、常識的な時間帯に使用する分には、お互い様な部分もあるので、そこまで気にしなくても良いのではないかと思います。

原因ごとの対策について

ここまでの説明で分かるように、各ご家庭ごとの距離が近づいてきたことで、音の問題を抱えやすい状況になっているわけです。さらに、コロナ禍によるテレワークの開始などから、在宅時間がどんどん長くなってきていて、今までは気にすることが無かったような音の問題からトラブルに発展してしまうリスクまで生じているわけです。テレワークでは、隣家からの騒音だけでなく、家族間ですら騒音問題が発生してしまうケースがあると言われており、防音工事の需要は今後さらに増していくと考えられています。
それでは、実際に音の問題を抱えてしまった場合、どのような対処をしていけば良いのでしょうか?音は目に見えないものですから、騒音に悩んだとしても、一般の方では対処法すら思い浮かばない…と言うケースも多いです。ここでは、音の種類別に有効な対策を簡単にご紹介しておきます。

人の声などが問題になっているケース

まず、上述したランキングでも上位に入っている「子供を叱る親の声」や「子供の騒がしい声」などに悩んでいる方に有効な対策からです。人の声は、さまざまな騒音問題の中でも、非常に発生しやすいものの、比較的対策も容易ですので、ご近所さんとトラブルになる前にきちんと対策しておきましょう。

例えば、お隣に小さなお子様が生まれて、夜泣きに悩まされている…と言う場合、なかなかクレームを入れにくいという問題もありますよね。他にも、テレビの音や話声など、各ご家庭の生活空間が近くなってきた現在では、人の声にまつわる騒音トラブルが増えています。このような問題を抱えている場合、以下のような対策を検討してみましょう。

  • 窓の防音対策
    外部から侵入してくる騒音は、窓が原因になっているケースが多いです。窓を閉めていれば音を遮れると考える方も多いのですが、経年劣化により隙間ができてしまったり、もともと遮音性能の低い材質を採用しているなどが原因で騒音をシャットアウトできない場合があるのです。したがって、既存窓の内側にもう一枚窓を設置して二重窓の状態にするなどの防音対策を検討しましょう。二重窓は、非常に高い防音効果を発揮してくれますので、防音リフォーム業界でも人気です。新築であれば、あらかじめガラスとサッシを防音仕様のものにしておくのがオススメですよ。なお、賃貸住宅の場合、不可能な対策ですので、防音カーテンなどを窓に設置するなどの対策を行いましょう。通常のカーテンと比較すれば、耳に届く音が半減すると言われています。
  • 壁の防音対策
    隣家から聞こえてくる音に悩んでいる…という場合は、壁の防音性能の向上が必要です。費用をかけずに防音性能を高めたい…というのであれば、問題となっている壁に大きな家具(タンスや本棚)を設置することで、それらが吸音材となって騒音を和らげてくれる場合があります。部屋の広さの関係で、こういった対策が難しい…という場合は、専門業者による壁の防音工事がオススメです。賃貸住宅の場合は、貼付けタイプの防音パネルなどが登場していますので、そういったものを自分で貼り付けると良いでしょう。

ペットの騒音

近年、集合住宅で急増していると言われているのが、ペット関連の騒音問題です。ペットによる騒音は、鳴き声をイメージする方が多いのですが、実は、足音に関する騒音が非常に多いです。人間と比較すれば非常に軽量ですし、足音は気にならないのではないか…と思う方も多いのですが、フローリングに爪が当たってカチャカチャという音が、階下に響き渡ってしまう…なんてケースがあります。他にも、早朝から動き始める動物が多いので、寝ている時に動物がたてる音が目立ち、騒音トラブルになるケースがあります。
集合住宅では、ペット可の物件が増えていますが、あくまでもペットの飼育が許可されているだけで、騒音を出しても良いというわけではないことは意識しておきましょう。なお、ペットの音問題は、以下のような対策が有効です。

  • 床の防音対策が重要
    階下の方から、「ペットの足音を何とかできませんか?」と苦情を入れられた場合、床の防音対策が必要です。最も簡単な方法としては、クッション性のあるじゅうたんなどを敷いておくという方法なのですが、この場合、臭いが染みついたり掃除が大変になるという問題があります。お手入れ面も考えると、床材を遮音性の高いフローリングに張り替えるという方法がオススメです。
  • 窓の防音対策
    ペットの鳴き声に関しては「しつけ」をしておくということが最も重要でしょう。無駄吠えしないようにしつけておけば、鳴き声によってトラブルになることは少ないと思います。それでも、どうしても鳴いてしまう…という場合には、人の声対策と同じく、二重窓にする防音工事や防音カーテンを導入するなどの対策が有効です。
  • ドアの防音対策
    一般的なドアは、きちんと閉めていたとしても隙間が必ずできてしまいます。こういった隙間から音は漏れ出てしまいますので、近隣住宅にペットの鳴き声で迷惑をかけないようにするためには、隙間を埋める対策をしましょう。本格的なドアの対策であれば、防音ドアに交換するなどが考えられますが、かなり費用がかかってしまいます。まずは、隙間テープなどを用いて、ドアの隙間を埋めると良いでしょう。

ペットの問題は、買主側が配慮しなければならない問題です。まずは、専門家にしつけをしてもらい、吠えないようにすることが大切でしょう。足音に関しては、小まめに爪切りを行う、遮音性の高い床材を導入するなどの対策を検討しましょう。

家電による騒音

家電製品が引き起こす騒音問題に関しては、お互い様の部分があるのでなかなか難しい問題です。例えば、お隣とライフスタイルが完全に逆転しているという場合、お互いがお互いの家電の音に悩まされてトラブルになってしまうケースも考えられます。家電の音に関しては、基本的に一般常識的に認められる時間に使用するという心がけをするしかないでしょう。正直、家電の音のために防音工事で対策をおこなうというのは費用対効果的にもあわないと思います。

なお、家電音の問題でも、テレワークなどで家庭内で生じる騒音問題と言う場合は、対策が必要だと思います。この場合、毎日仕事をするときに必ず音に悩まされる…という問題がありますし、逆に掃除機をかける側も、無駄に気を使わなければならないのでストレスが溜まってしまいます。したがって、こういった家庭内の問題であれば、防音対策を施したテレワーク専用部屋を作るのがオススメです。楽器用の防音室ほど本格的な対策は必要ありませんので、比較的安価に防音室を作ることができます。

まとめ

今回は、人々の生活空間が近づいてきたことで、日常生活の中で増えてきた騒音トラブルを防止するために押さえておきたい基礎知識をご紹介してきました。

この記事でご紹介しているように、集合住宅で暮らす方が増えていることや、戸建て住宅ごとの距離が近づいてきたことから「こんな音で苦情があるの…」と驚くようなことでクレームを入れられることが増えていると言われています。もちろん、中には、常識的に考えて、防音工事などの対策しなければならないほど緊急的な騒音ではないものもあると思います。しかし、音の問題は、一度気になってしまうと注意深く聞くようになってしまうことから、何の対処もせずに放置してしまうと、生涯沙汰に発展してしまう可能性すらあるのです。

特にコロナ禍の現在、人々の在宅時間が長くなっていることから、余計に音の問題が目立つようになっています。部分的な防音対策であれば、比較的安価に問題を解消できるケースも多いので、まずは弊社までお問い合わせください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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