ライブハウス・各種スタジオの防音工事!防音対策にかかる費用相場と注意点について

今回は、ライブハウスや各種スタジオなど、大きな音が生じると予想できる店舗の防音工事について、工事にかかる費用や注意点について解説します。

「新たなライブハウスを開業して、ミュージシャンが集まる場所を作りたい!」「自由に楽器が演奏できるリハーサルスタジオを開業したい」などと言った希望を持っている方であれば、まず気になるのが店舗の内装や防音工事にかかる費用なのではないでしょうか?もちろん、機材や設備にもそれなりのお金がかかってしまいますが、やはり最も多くのコストがかかるのは、近隣に音で迷惑を掛けないための防音工事です。

そこでこの記事では、大きな音が生じるライブハウスなどを開業する際、店舗工事に一体いくらぐらいかかるのか、またスタジオの利用用途によって防音上の注意点は変わるのかについて解説します。

ライブハウス・各種スタジオの開業は、内装工事にもお金がかかる

まずは、何らかの店舗を開業しようと考えた時にかかる、内装工事について解説します。どのような業種の店舗を開店させる場合でも、オーナー様の理想に沿った店舗を作るためには、それなりのコストがかかります。そして、ライブハウスや各種スタジオの開業は、他の業種と比較すると、防音工事の重要度が高くなるというのが最大の特徴です。

ここでは、一般的な店舗工事の内装工事費や防音の注意点を簡単にご紹介します。

店舗の内装工事にかかる費用

ここではまず、18坪程度のスケルトン物件に店舗工事を行う場合の一般的な内装工事費の例をご紹介します。なお、どういった内装工事を行うのかによってかかる費用は全く変わりますので、あくまでも参考程度と考えてください。

  • ☑仮設工事・・・10万円程度
  • ☑軽鉄・ボード工事・・・80万円程度
  • ☑内装工事・・・25万円程度
  • ☑電気設備工事・95万円程度
  • ☑空調工事・70万円程度
  • ☑塗装工事・・・50万円程度
  • ☑看板工事・・・40万円程度
  • ☑諸経費・・・80万円程度

スケルトン物件からライブハウスなど、店舗営業ができるレベルまでの内装工事は、総額で450万円程度かかると考えておきましょう。

ただ、この試算はあくまでもスケルトン物件について内装工事を行う想定で、スケルトン物件とは、前入居者が退去時に内装屋設備の全てを撤去し、壁や床、天井などもはがされた状態です。つまり、そのような状態から、店舗営業を行えるほどの改装を加えるため、どうしても内装工事のコストが高くなってしまう訳です。
こういった内装工事にかかる費用をできるだけ抑えたいと考えた時には、居抜き物件を探すのがオススメです。居抜き物件は、前の入居者の設備や備品が残った状態の物件の事で、同じ業種を開業する予定なのであれば、工事にかかる費用が大幅に削減できます。バーなどであれば、ほとんど何もせず、食器などを揃えるだけでそのまま営業できるようなケースも多いです。
ただ、ライブハウスやスタジオの営業となると、居抜き物件が残っているケースが非常に稀なので、基本的にスケルトン物件に改装をすると考えておいた方が良いです。

ライブハウスなどはここから防音にお金がかかる

ここまでの解説で、ライブハウスやスタジオを開業するには、多額の内装工事費がかかることがわかったと思います。ただ、ライブハウスなど、大きな音が生じる業種の場合、店舗のデザインなどよりも防音対策に注意しなければいけません。なお、一口に防音対策と言っても、ライブハウスなどであれば、以下の2点に注意する必要があります。

  • ①店内から外に漏れる音、振動が問題にならないこと
  • ②外部からの騒音や設備騒音が少なく、通常は静かであること

一つ目の注意点は、言わずもがな、周辺に音で迷惑を掛けないようにしなければならないということです。特に、ライブハウスの周辺が、住宅街やオフィス街であるなどと言った場合、非常に高い遮音性能が求められます。
なお、どのような防音工事でも同じですが、防音工事にかかる費用は、工事に用いる素材のグレードや店舗の広さ、開口部の状態で変わります。例えば、ライブハウスを開業予定のテナントが、1階にあるのか、地下にあるのか、2階以上なのかで、防音工事費が大幅に変わります。一般的に、開口部が少なくなる地下のテナントの方が防音工事にかかる費用を抑えることが可能です。実際に、ライブハウスやクラブは、地下にあるケースが多いですよね。

二つ目のポイントは、意外な盲点になりがちなので、これからライブハウスの開業を検討中の方はおさえておきましょう。特に、レコーディングスタジオなど、雑音が入ってはいけない施設の場合、外部から侵入する騒音が事業を危機にさらしてしまう可能性があります。例えば、交通量の多い幹線道路に面している、駅の近くにあるなどと言った場合、自動車や電車の走行音(振動を伴う)が演奏や録音の妨げになる可能性があります。したがって、こういった点にも注意して、物件探しを行いましょう。

> 防音工事の匠「ライブハウス・スタジオ防音工事費用について

ライブハウス・各種スタジオ防音工事の注意点

ここからは、ライブハウスや各種スタジオの防音工事について、防音室の用途ごとの注意点を簡単にご紹介していきます。一口にスタジオと言っても、ダンス教室を開業するためのダンススタジオと、レコーディングスタジオでは、求められる防音機能が全く異なるということは皆さんも理解できるでしょう。

スタジオの防音工事は、どのようなことに使うのかによって必要な工事が変わりますので、代表的なスタジオについて以下でご紹介します。

ライブハウスの防音工事

ライブハウスは、ミュージシャンやダンサーがステージ上でパフォーマンスする場所です。ライブハウスは、バーカウンターやカフェが併設されていたり、観客用のスペース、機材置き場などが必要になるので、それなりに広いスペースが求められることになります。

そして、ライブハウスでは、高い防音性能と一緒に、音響環境も求められるという特徴があります。

観客が演奏を楽しむためには、高音質で聴きやすいライブスペースを作り上げる必要があります。そういった音響環境を作るためには、響きだけではなく、音質を悪くする反射音を無くす対策も必要になります。特に注意しておきたいのは、ステージに客席の後ろから直接跳ね返ってくる反射音や、並行する大きな反射音がある場合、音響の妨げになります。こういった音響環境を作らないようにするには、音を反射すると予想できる壁に対して、しっかりと吸音処理を施し、音楽を楽しめる環境にします。

リハーサルスタジオの防音工事

リハーサルスタジオは、バンドやオーケストラなどが、練習のために借りて演奏を行うスタジオです。ライブハウスなどとは異なり、演奏を楽しむ観客用のスペースなどは不要です。

ただ、リハーサルスタジオは、楽器ごとの特性に合わせた練習用の部屋を複数作るのが特徴です。楽器用防音室は、演奏する楽器により必要な性能が異なりますので、いろいろな楽器に対応するには、複数の防音室が必要になるわけです。

一般的には、6畳以上の防音室を4部屋程度、その他にコントロールルームとレコーディング用ルームが用意されるケースが多いです。なお、リハーサルスタジオは、複数の防音室を作らなければならないので、防音工事にかかる費用が高額になります。

レコーディングスタジオの防音工事

レコーディングスタジオは、ミュージシャンが自分の楽曲を録音したり、編集するためのスペースです。

レコーディングスタジオは、音漏れしないような高い防音性能が求められるのは当然として、外部騒音の影響を絶対に受けてはいけないのが特徴です。また、音が綺麗に聞こえるため、防音室内の音のバランス調整が非常に重要になります。

この他、コントロールルームの併設や、音響、録音、編集機材の設置など、設備工事にもコストがかかります。

ダンススタジオの防音工事

上述したスタジオと全く異なる特性を持つのがダンススタジオです。ダンススタジオについても、音楽をかけながらダンスの練習をするので、空気音が外に漏れないような防音対策は必要です。ただ、ダンススタジオの場合は、空気音だけでなく、人が踊る時の衝撃など、振動への対策が非常に重要です。

なお、ダンススタジオは、振動の防音対策だけでなく、踊っている方が長時間練習しても足に負担がかからないよう、特殊な床工事を行います。例えば、バレエであれば、弾力性のある床で滑りにくいことが求められます。これに対して、タップダンスの場合は、滑りにくくするのですが、リズム音が綺麗に響くような床材が求められます。

このように、ダンススタジオは、通常の空気音の防音以外にも、振動対策や床材選びが重要視されます。

まとめ

今回は、ライブハウスやレコーディングスタジオ、リハーサルスタジオなど、業務用施設の防音工事について解説しました。

こういった施設は、近隣住宅との関係も重要になりますので、絶対に苦情が出ないよう、高い防音性能を求めるオーナー様が多いです。防音工事の匠は、数多くの業務用スタジオ防音を請け負ってきましたので、各業種の特性に合わせて最適な防音工事のご提案を行っています。なお、ライブハウスや各種スタジオなど、大きな音が生じる施設については、テナントの選び方次第で防音工事にかかるコストを下げることが可能です。弊社は、物件探しの段階から防音目線でのアドバイスを行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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