自宅に防音室が欲しい!防音工事に失敗しないための注意点と業者選びのポイント

今回は、楽器の演奏などを目的に、自宅に防音室を作りたいと考えている方に向け、防音工事に失敗しないためにおさえておくべきいくつかのポイントをご紹介します。

防音工事は、目に見えない音の対策となりますので、音漏れの防止や防音室の利用者が求める音響環境作りは、非常に高度な専門知識が必要になります。そのため、多くのお客様は、防音室を作る際、部屋の内装デザインについては口を出すものの、防音性能については「業者に丸投げする」と言った方が多いです。もちろん、実際の防音工事の実施についてはそれで構わないのですが、防音室が備えておかなければならない性能や防音室の利用目的、好みの音響環境などについて、自分の要望を詳細まで業者に伝えなければ、工事後に後悔してしまう結果が待っているかもしれません。防音工事の失敗事例は、業者側の技術不足が原因となるケースもありますが、その多くは業者とお客様の意思疎通ができていないことが要因となっています。

そこでこの記事では、防音工事を検討した時、あなたの理想的な防音室を作るためにおさえておきたい注意点をご紹介します。

防音工事に際して、注意すべきポイント

自宅に防音室を作ろうと考えている方は、防音工事でありがちな失敗を避けるために、防音工事業者と契約する前に以下のようなポイントを確認しておきましょう。

防ぎたい音の問題を明確にする

防音工事は、どのような工事を行うのか、どこに対策を施すのかなど、工事そのもののバリエーションや選択肢が非常に多いです。これは、騒音問題は、音の発生源や伝わり方が多様で、騒音の原因によって防ぐ方法が多岐にわたるためです。

したがって、あなたが自宅に防音室を作ろうと考えて防音工事を行う場合、「どこで発生しているどんな音を、どの程度防音したいか?」を明確にしなければ、見当違いな防音工事になって、目的を果たせないかもしれないわけです。また、その逆に、防音工事に過剰な費用をかけて、無駄に高性能な防音室が出来上がる可能性があります。
したがって、防音工事を行う前に、工事の目的を明確にすることが大切と考えてください。

工事の目標と結果を明確にする

防音工事の失敗談では、「多額の費用を注ぎ込んだ工事なのに防音効果を実感できなかった…」と事例がありがちです。そして、このような防音工事の失敗を防ぐには、防音工事を行うことで得られる防音性能について、その目標を数値で明確化し、工事前後で本当に目標値を達成できているのか測定することが大切です。

この防音工事の目標値については、防音工事業者に工事のやり直しを依頼する時にも重要です。例えば、施主側が「あまり防音ができていない気がする」と言った体感でクレームを言ったとしても、業者側が「ちゃんと防音できている」と返答すれば、ただの水かけ論になります。これが、工事前に「Dr50(-50dB)」などと、明確な数字があれば、それが実現できているか否かで、工事の成否を測ることができるようになるわけです。ちなみに、まともな防音工事業者であれば、防音工事の性能保証をきちんとしてくれますので、性能保証があるかないかは重要なポイントになります。

集合住宅の場合、工事が可能なのかチェック

近年では、マンションなどの集合住宅に暮らす方が増えていますが、集合住宅で防音工事を行う場合、戸建てにはない注意点が存在します。

それは、分譲マンションなどは、住人の持ち物件だとしても、防音工事などの大掛かりなリフォームは、管理組合の承認を得たうえで、管理規約に適合する工事しかできないという点です。さらに、防音工事が可能だとしても、管理規約で楽器の演奏が禁止されている、演奏可能な楽器が制限されるなど、事前に確認しておかなければならないポイントが多いです。

例えば、楽器の演奏を目的として、コストをかけて防音室を作ったものの、後になって管理規約で楽器の演奏が禁止されているとわかれば、防音工事にかけたコストは全て無駄になります。こういったことから、マンションなどの集合住宅で防音工事を検討している方は、事前に「防音工事は可能なのか?」「楽器の演奏は認められているのか?」などを確認しましょう。

防音工事業者選びのポイント

それでは次に、防音工事を実行する時、どのような業者に依頼すれば良いのかを見極めるためのポイントをご紹介します。

豊富な施工実績を持っているのか?

どのようなリフォーム業者でも、それぞれに得意分野があります。例えば、防音工事の匠のように、防音工事を専門としている業者もあれば、内装デザインが得意な業者、水道関連のリフォームが得意な業者などさまざまです。高性能な防音室を作りたい場合、当然、防音工事を得意分野とする業者に工事を依頼しなければいけません。

さらに、防音工事は、戸建て住宅と集合住宅では、必要な工事が異なるケースがありますので、そういった点についてもきちんと確認しておきましょう。防音工事業者は、HPなどで過去の施工実績を掲載していると思いますので、あなたが必要とする防音室に似た実績を持っているのか確認しておきましょう。

業者の評判を確認

近年では、リフォーム業界などについても、利用者の口コミを集めたサイトなどが登場しています。また、SNSなどで検索すれば、リフォームの体験談などについて記載した情報を見かけることも多いです。こういった口コミは、実際の利用者の声を確認できますので、業者のスキルや対応力を見るのには非常に有効な情報となります。

注意してほしいのは、口コミサイトに記載されている情報がすべて正しいわけではないということです。例えば、良い口コミについて、業者が費用をかけて投稿させている可能性がありますし、悪い口コミについても、業者側には責任が無いケースもあるからです。ネット上の口コミは、業者について、一定の評価を見極めることができますが、あくまでも参考程度に考えておきましょう。

対応の丁寧さ

どのような業界でも同じですが、電話対応やメールでの返信などについて、お客様目線の対応ができない業者は、仕事も雑に行う可能性が高いと考えましょう。上で紹介しているように、防音工事は、お客様がどういった音の悩みを抱えていて、それをどうしたいのかによって、必要な対策が変わります。つまり、お客様の話を詳しく聞き取ることが出来なければ、適切な防音室の設計ができないわけです。

有力な防音工事業者は、どこも最初のお客様からのお問い合わせ対応に力を入れており、お客様の要望を丁寧に汲み取るヒアリング力が非常に高いです。そのため、お客様にとって最適なプランを提示することができます。防音工事のようなリフォーム工事は、複数の業者に見積り依頼を相談すると思いますが、その時には最初の電話対応力などもきちんと比較するのがオススメです。なお、防音工事業者とは長く付き合うことになる可能性があるので、担当者との相性や話しやすさなどもチェックしましょう。

工事場所からの近さ

防音工事業者の中には、全国対応を謳っている業者が多いです。もちろん、どの防音工事業者も、お客様が依頼すれば、遠方での工事は対応可能だと思います。

ただ、防音工事を依頼する業者について、余り遠方の業者を選ぶのはオススメしていません。まず、遠方の業者の場合、工事費以外に交通費がかかりますので、防音工事全体のコストが割高になると思います。そのため、無理に値下げ交渉をした場合、性能面を落とすことで帳尻を合わせされ、防音室を作ったのに音漏れがする…と言った状況になる危険があるのです。
防音工事を依頼する業者については、可能な限り自宅から近い業者を選ぶのがオススメです。

保証やアフターサービス

防音工事は、打ち合わせ時に依頼した音の問題の解消が実現できなければ工事を行う意味がありません。そのため、上述したように工事によってどの程度の防音性能が発揮されるのかの数値目標を設定してもらう訳です。

そして、この防音性能の目標値については、業者によって対応が変わります。自社の技術やスキルに自信を持っている業者であれば、性能保証を契約につけています。しかし、防音工事の性能については保証せずに契約をする業者がいるのも事実です。この点については、あなたが要望する防音工事の性能をきちんと保証してくれる業者を選ぶのがオススメです。
なお、アフターフォローについても、どのようなことをしてくれるのかきちんと確認し、営業時に言った内容をきちんと契約書に明記してくれるかどうかもチェックすべきです。

まとめ

今回は、これから自宅の防音工事を検討中の方のため、防音工事に失敗しないためにおさえておくべきポイントをご紹介しました。

コロナ禍以降、防音工事の需要が右肩上がりに伸びていると言われるのですが、それに比例して防音工事に関する消費者トラブルも増加しています。もともと防音工事業界は、誰にでも求められるような工事ではなかったため、悪徳な営業手法を採用する業者が少なく、その他の住宅リフォーム業界と比較すると、消費者トラブルは少なかったです。しかし、マンションのような集合住宅で生活する方が増えたなど、人々の生活空間が近くなったことから、生活音を防ぐための防音工事が増えていて、一般の住宅リフォームの需要の近づいています。そのため、もともと防音工事を手掛けていなかった業者が防音工事業界に進出してきており、技術力の低さからお客様の要望に応えられず、トラブルになっているのです。

この記事では、防音工事に失敗するような業者に出会わないためのポイントをご紹介していますので、上で紹介したポイントに注意しながら業者選びを進めましょう。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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