マンションで犬を飼うなら!おさえておきたい効果的な防音対策と費用について

近年では、マンションなどの集合住宅に住んでいる方でも、室内で大型犬を飼うことが増加しています。一昔前までであれば、室内で飼育するのはチワワやミニチュアダックスなど、小型犬が多かったのですが、ペットを家族の一員として迎える方が多くなっている現在では、犬種に関わらず室内で飼うのが当たり前のようになっています。

こういった状況から、ここ数年では、集合住宅においてペットの鳴き声や足音などが原因となる騒音トラブルが急増していると言われています。特に、昨年から続く新型コロナウイルス問題により、平日でも自宅で過ごすことが増えたことから、上の階から聞こえてくるペットの足音で仕事に集中できない…なんて苦情が増えているようです。
小型犬であれば、体重も軽いのでそこまで大きな足音が出ないかもしれませんが、大型犬は人間と変わらないような体重の犬種もあり、そういった犬を室内で飼っている場合、大きな鳴き声と足音で周辺住民に迷惑をかけてしまう危険があるのです。

そこでこの記事では、マンションなどの集合住宅において、近隣住宅に配慮するために有効な防音対策の種類や、実際に行う場合の費用についてご紹介していきます。室内でペットを飼う場合には、自分たちだけの問題ではなく、近隣住宅にも迷惑をかけてしまうかもしれない…ということをしっかりと頭に入れておきましょう。マンション暮らしが増えた現在では、飼い主さんの義務と考えるべきですよ!

ペットの防音対策を行うべき場所と方法

マンションなどの集合住宅でペットを飼う場合、騒音問題の原因となりやすいのが『鳴き声』と『足音』です。小型犬の足音であれば、そこまで問題にならないのでは…と思うかもしれませんが、フローリングとペットの爪が接触する「カチャカチャ」という音は意外に階下に響いてしまいます。鳴き声に関しては言わずもがなで、皆さんも隣家のペットの鳴き声がうるさい…と感じてしまった経験があるのではないでしょうか?

ここでは、集合住宅でペットを飼う場合、飼い主さんが検討しておきたい防音対策の場所と方法について簡単にご紹介しておきます。

足音対策は床の防音

ペットの『足音』に関しては、床の防音対策が重要です。大型犬であれば、人間の足音のように重厚感のある音が階下に響いてしまいます。さらに、ペットの爪がフローリングに接触する音に関しても、階下には意外に響いてしまうのです。

特に近年では、床材としてフローリングが採用されるのが当たり前になっていますので、足音対策は必要不可欠と考えた方が良いかもしれません。方法としては、ペットが自由に行動できる範囲には、ジョイントカーペットなどを敷き、爪音が出ないようにするなどがまず一つです。
飼育するペットが大型犬になると、爪音だけでなく足音が響いてしまいますので、防音効果の高いフローリング材に変更する、床材の下に吸音材(グラスウールなど)を充填するなどの防音工事を検討すると良いでしょう。

壁や天井の防音

次は、壁や天井に関する防音対策です。ペットの鳴き声は、両隣の家や上階の家にまで響いてしまい、クレームにつながる危険が高いです。この場合の防音対策としては以下のような方法が主流です。

  • 防音シートを壁の中に埋め込む
  • 壁の中に吸音材(グラスウールなど)を埋め込む
  • 壁を防音パネルに変更する

実は犬の鳴き声というものは、ピアノの音量と同じぐらいのうるささであると言われていますので、騒音トラブルを防ぐには壁や天井の防音対策が非常に重要です。上記の中で、最もお手頃な対策が「防音シートを壁に埋め込む」というもので、6畳程度の壁(30㎡程度)に対する防音リフォームで10~15万円程度で可能だと思います。ちなみに、「絶対に隣家に迷惑をかけたくない…」などと考えて、ピアノ室レベルの防音対策をする場合には、200万円以上の費用がかかってしまう場合があります。
まずは、ペットの無駄吠えを無くすようにしつけをするところからスタートし、後はどの程度鳴くのかによって必要な対策を検討しましょう。

窓の防音

住宅の防音性能を考えた場合、明確な弱点になるのが『窓』です。一般の方からすれば「窓を閉めていれば大丈夫では?」と考えてしまいがちですが、経年劣化などを理由に窓に小さな隙間が生じてしまい、そこから音漏れしてしまう…ということも多いのです。こういった窓の防音対策では、二重窓の状態にする、防音仕様のカーテンを設置するなどが有効です。

近年では、外から侵入する騒音を防ぐ目的などで、窓を二重窓にする方が非常に増えています。特に分譲マンションなどでは、窓ガラスを勝手に変えることができない場合が多いため、既存窓の内側にもう一枚窓を設置する防音リフォームが主流なのです。ちなみに、1つの窓を二重窓に変更するリフォームは、採用する窓ガラスによって変わりますが、5万円程度から可能です。
防音カーテンによる対策はもっとお手頃で、ネット通販やホームセンターなどで販売されている防音カーテンを購入し、設置するだけです。注意点としては、通常のカーテンよりも割高なことや、重量があるためカーテンレールの補強が必要な場合があると言う点です。防音カーテンは、普通のカーテンと比較すると、耳に聞こえる音が半分程度になると言われていますので、小型犬の鳴き声対策ならこれで十分かもしれませんね。

ドアの防音

最後は、ドア部分の防音対策です。あまりイメージが無いかもしれませんが、一般住宅に採用されているドアは以外に隙間が多く、音漏れや音の侵入原因となっている場合が多いです。ドアの防音対策としては、以下のような方法が考えられます。

  • ドアを防音ドアに変更
  • ドアに防音シートを貼り付ける
  • ドアの隙間を埋める

ドアの防音対策については、どこまで音を減らしたいかによって採用する手段が変わります。例えば、カラオケボックスや音楽スタジオのドアに採用されるような防音ドアを導入すれば、かなりの防音効果をもたらせてくれます。しかし、防音ドアは安い物でも30万円程度しますし、本格的なものになると100万円近くするのです。つまり、ペットの鳴き声対策として導入するには非現実的だと考えた方が良いでしょう。
オススメの方法としては、ネット通販やホームセンターなどで販売されている『隙間テープ』を購入し、ドアに生じる隙間を埋めるという方法です。これであれば、自分で貼り付けることもできますので、数百円程度の材料費のみで対策が可能です。ちなみに、隙間テープでドアの隙間を埋めれば、エアコンの空気も逃げなくなりますので、光熱費削減にも役立ってくれると言われています。

ペットの防音対策にかかる費用相場

それでは最後に、ペットの防音対策を検討した場合、実際にどの程度の費用がかかってくるのかについても簡単にご紹介しておきましょう。なお、賃貸住宅の場合であれば、自分で費用を持つとしても、専門業者による工事までは認めてくれないと思います。以下で紹介する費用は、分譲マンションや戸建て住宅を想定した場合にかかる費用と考えてください。

壁や天井の防音対策

まずは壁や天井の防音対策にかかる費用相場です。ちなみに、床の防音対策に関しても似たような費用と考えましょう。

  • 壁に防音シートを埋め込む・・・防音効果は中程度です。6畳程度の部屋において、壁一面を施工する場合10~15万円程度です。(全面の壁の場合60万円~)
  • 本格的な防音対策・・・ピアノ室レベルの防音対策を行う場合、どこまで行うのかによってピンキリです。通常のピアノ室と考えれば200万円程度を想定しましょう。

窓の防音対策

次は窓に施す防音対策です。

  • 二重窓にする・・・かなりの防音効果を期待できます。1つの窓で5万円~と考えましょう。(※窓の大きさ、採用する窓の種類によって変わります)
  • 防音カーテンを導入・・・自分で設置する場合は、カーテン代で2万円程度を想定しましょう。こちらもカーテンの種類によって費用は変わります。

ドアの防音対策

次は窓に施す防音対策です。

  • 防音ドアに変更する・・・ドア1枚当たり30万円以上を想定してください。
  • 防音テープで隙間を埋める・・・安い物であれば数百円で売っています。効果の高い物でも3,000円程度です。

防音工事は、非常に専門性が高い工事となりますので、一般的なリフォーム工事よりは割高になってしまいます。したがって、「どのような音をどの程度まで小さくしたいのか?」と言った事を明確にし、自分の要望に合った防音対策を選択しなければいけません。
自分では必要な対策が判断できない…という場合には、専門業者に現場を見てもらい、必要な対策をを提案してもらうと良いでしょう。

まとめ

今回は、マンションなどの集合住宅でペットを飼う場合、近隣住民に迷惑をかけないようにするため、飼い主さんが知っておきたい有効な防音対策と、それにかかる費用相場をご紹介してきました。冒頭でご紹介したように、近年では大型犬を室内で飼う方が増加しており、それによってペットが出す音により近隣トラブルを抱えてしまう…という方が急増していると言われているのです。

大型犬の鳴き声などは、自分たちでもうるさいと感じるでしょうし、それが他人の家から聞こえてきた場合には、とても耐えられない…と思われても仕方ないです。特に現在は、ステイホームを強いられる中で、日常生活にストレスを感じてしまっている方も多く、本来は気にならないような事でも、気になってしまう…という場合も考えられるのです。
集合住宅でペットを飼う場合には、あなたの家から出る音が他人に迷惑をかけてしまうかもしれない…という認識をしっかり持っておいた方が良いですよ!

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

[trustindex no-registration=google]

古民家再生ショールーム防音工事の匠はショールームがあります

ピアノ防音室

実際に防音工事の匠が施工した防音室で防音性能を体験することで、当社の防音室の機能・音響などを体感していただけます。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物にショールームがある会社さんが多い中、特に施工後にショールームと性能や音の反響がちがうといったトラブルが戸建てのお客様に多い業界ですが、町家再生事業として難易度の高い防音室を防音性能が最も出にくいとされる木造町家のショールームをご用意いたしました。

このページの先頭へ