賃貸住宅で窓の防音対策をしたい!防音カーテンを選ぶときには何に注意したらいいの?
今回は、防音対策が非常に難しいとされる賃貸住宅において、少しでも静かで快適な環境を作るため、皆さんがおさえておきたいポイントをご紹介していきたいと思います。
戸建て住宅や、集合住宅の中でも分譲マンションなどであれば、物件自体が所有物になりますので、音の問題を解消したいと思った時には、自分の意志で防音工事業者に対策を依頼することが可能です。しかし、これが賃貸住宅になってしまうと、管理会社や大家さんに相談する程度のことしかできなくて、いつまでたっても音の問題に悩み続けなければならない…なんて状況になるリスクがあるのです。特に、住宅においては、窓部分の性能の悪さから騒音が侵入してしまい、住環境が壊されてしまう…と言うケースが多くなります。ただ、賃貸住宅の場合、窓ガラスを防音ガラスに交換する、二重窓にするといったリフォームで対処することができず、「何とかできないものなのかな?」と悩んでしまう方が多いのです。
こういった場合、非常に効果的と言われているのが防音カーテンと呼ばれるアイテムなのですが、何考えずに購入してしまうと「聞いていたのと違って騒音を防げない…」なんてことになるケースも多いです。そこでこの記事では、防音カーテンを購入する時に注意しておきたいポイントをご紹介します。
そもそも防音カーテンって効果はあるの?
近年では、ホームセンターなどでも、防音対策のためのアイテムが簡単に手に入るようになっており、その中には防音カーテンなる物も販売されています。基本的に通常のカーテンよりも割高な価格設定で販売されているのですが、これは騒音問題を考えた時に、窓が弱点になるケースが多いので、それを防ぐ効果がある分、価格が高くなっているのでしょう。
ただ、「防音カーテンって本当に防音効果を持っているの?」と言う部分に疑問を持ってしまう方も多いのではないでしょうか?実際に、防音カーテンで窓の防音性を改善できるのであれば、わざわざ大金をかけてまで、窓ガラスを交換したり、二重窓にするリフォームなどをする必要はないはずですよね。つまり、こういった工事が用意されているということは、防音カーテンは名称だけが目立っている製品で、大した効果はないと考えてしまう人が多いわけです。
この点に関しては、防音カーテンは、窓から侵入する音や外に漏れる音を遮るため、特殊な加工がされていることから、一般的なカーテンと比較すれば「騒音を抑える効果は確かにもっている」と言える商品です。ただ、防音カーテンを設置するだけで、全ての音を遮ると言ったことは不可能ですので、あくまでも簡易的な防音対策といった程度のものと考えておきましょう。
特に注意しておきたいのは、防音カーテンは、遮ることができる音域がある程度決まっているという点です。例えば、赤ちゃんや子どもの騒ぐ声、人の話し声、ペットの鳴き声などが外に漏れないようにとか、目の前が公園や通学路と言った場合に外から音が侵入しないようにと言う対策としては優れているアイテムになります。しかし、低音域の音を防ぐことは難しいので、防音カーテンを設置すれば、完璧な防音ができるとは考えない方が良いですよ。
防音カーテンの選び方
それでは、賃貸住宅に住んでいる方で、何らかの音の問題を解消するため、防音カーテンを導入しようと考えた時に、おさえておくべきポイントをご紹介していきます。防音カーテンによる防音効果は、きちんと自分に合った製品を購入しなければ本来の効果を得られない可能性が高いです。ここでは、防音カーテンを購入する時に注意しておきたい選び方のポイントをご紹介しておきます。
窓より大きいサイズを選ぶ
まず一つ目のポイントは、「窓枠より大きいサイズにする」と言うものです。防音カーテンの機能をしっかりと生かすためには、サイズ選びが非常に重要です。
例えば、窓枠ギリギリのサイズを選択してしまうと、どうしても隙間が生じてしまいますので、その部分からの音漏れが生じてしまいます。したがって、窓ガラスをしっかりと覆うことができるように、窓枠よりも大きめのサイズのものを選ぶようにしましょう。
自宅の窓にちょうど良いサイズがない…と言う場合、少し高くなりますが、1cm単位でサイズ調整が可能なオーダーカーテンショップで購入するのがオススメです。サイズを無視してしまうと、どれだけ高級な防音カーテンを購入しても意味がありません。
防音性を重視するなら重いカーテンを選ぶ
意外と軽視されがちなのですが、このポイントは非常に重要です。音は、空気を振動させながら伝搬するものですので、空気を遮断できるような厚みや繊維密度の高い生地で作られているカーテンほど効果が高くなります。つまり、そういったタイプを選べば必然的に重量のあるカーテンになってしまう訳です。
賃貸住宅の場合、カーテンレールが備え付けのものとなりますので、「あまり重量のあるタイプは良くないよな…」と考えてしまう方が多く、軽量なものを探してしまうケースが多くなります。そしてこの考え方が、防音カーテンを設置したのに「騒音を防げない…」と言う結果につながるのです。騒音に悩んでいて、防音カーテンを導入する場合、カーテンレールが荷重に耐えられそうにない…と言うケースでは、まず管理会社や大家さんに相談してみましょう。騒音トラブルになる前に、居住者が自分の費用で防音カーテンで対処してくれるという場合、カーテンレールの交換ぐらいはしてくれると思いますよ。
凹凸のある生地だと吸音性を期待できる
より高い防音性能を求める場合、カーテンの生地に注目しましょう。近年のカーテンは、表面がフラットになるような加工がなされているものが多いのですが、防音カーテンの場合は、凹凸のある生地の方が吸音性が期待できるため、防音性に優れていると考えられます。
なお、通販サイトなどで防音カーテンを購入する場合、画像だけでは生地の質感が判断できない…なんてケースも考えられるのですが、販売店によっては生地サンプルを取り寄せることができるサイトもあるので、可能であればそういったサービスを利用すると良いでしょう。
騒音レベルに合ったものを選ぶ
実は、防音カーテンでも対応できる騒音レベルは全く異なります。防音カーテンを選ぶときには、可能な限り安いものを…などと、価格を参考にする方が多いのですが、自分が悩んでいる騒音レベルに合ったものを購入しなければ、無駄なお金をかけてしまうことになります。防音カーテンを選ぶときには以下の点に注意しておきましょう。
- ・しっかりと音を防ぐなら『4重構造』以上のものを
赤ちゃんの泣き声やペットの鳴き声などが外に漏れていかないようにしたい、目の前が公園で日中は子供の騒ぐ音で騒々しい…など、大きな音でもカットできるようなしっかりした防音効果を持つカーテンが欲しい場合、4重構造以上の防音カーテンがオススメです。このタイプであれば、室内からの音漏れも外からの騒音もしっかりと軽減してくれるでしょう。さらに、厚みのあるカーテンになりますし、遮光性・遮熱性も高くなりますので、空調コストを抑える副次効果も得られると思いますよ。 - ・日常騒音を防ぐなら『3重構造』のものを
テレビの音や人の話し声など、日常生活レベルの騒音を防ぎたいという場合、3重構造の防音カーテンで十分だと思います。このタイプであれば、それなりの防音効果が得られるうえに、そこまで重量が無いので通常のカーテンレールでも何の問題もなく使用できるはずです。また、カーテンのデザインも豊富ですので、部屋の雰囲気に合わせたものも探しやすいはずです。 - ・最低限の防音効果で良いなら『コーティング加工』のものを
コーティング加工の防音カーテンは、生地にコーティングを施すことで音を遮る仕組みになっています。上述した3重構造、4重構造のものと比較すれば、防音機能は劣りますが、費用はかなり抑えることができます。現在、気になる音はあるものの、騒音とまでは感じない…というレベルであればこのタイプでも構わないでしょう。
まとめ
今回は、賃貸住宅での防音対策として有効と言われている防音カーテンについて解説してきました。
防音カーテンに関しては、あくまでも話し声やペットの鳴き声などを小さくする効果はあるものの、本格的な防音対策としては不十分だという点は忘れないでおきましょう。例えば、賃貸住宅で楽器の演奏がしたいからと、防音カーテンを設置しても、他の部分から音が伝わってしまうので、普通に騒音トラブルになると思います。防音カーテンは、得意な音域と全く効果をなさない音域がはっきりと分かれていますので、自分が悩んでいる音がどういったものなのかをしっかりと考えてから購入するかどうかを決めましょう。
なお、分譲マンションや戸建て住宅の場合、防音カーテンでの防音対策ではなく、窓そのものの防音性を高める対策を行った方が効果的です。