ユニット型防音室の設置条件について!防音室を置けない環境もある?
サンテレビ「アサスマ! 」で防音工事の匠が紹介されました!
自宅での楽器演奏などを検討した時には、近隣住民との騒音トラブルを防止するため、防音室の設置が必要不可欠と言えます。
ただ、自宅に防音環境を構築したいと思っても、専門業者に防音工事を依頼するという方法は「ハードルが高い」と考える人も多いです。専門業者による防音工事の場合、楽器用の本格的な防音室になると、200万円以上のコストがかかってしまうケースも珍しくなく、防音室が欲しくても費用的な問題で諦めざるを得ないというケースがあるのです。また、費用の問題が解消できたとしても、賃貸住宅や大掛かりな工事が認められない分譲マンションなどでは、物件そのものを傷つける防音工事を認めてもらうことができず、防音環境の構築が困難になることもあるのです。
このような時、共同住宅などでも本格的な防音環境を構築するための方法として有名なのが、ユニット型防音室を購入して、部屋の中に設置するという方法です。この方法であれば、物件そのものを傷つけるような工事が不要となるため、賃貸物件などでも設置を認めてもらえる可能性が高くなるのです。
しかし、ユニット型防音室についても、何の条件もなく「どこにでも設置可能なのか?」というとそういうわけではありません。そこでこの記事では、ユニット型防音室の設置を検討した時、事前に確認したい設置の条件や設置が難しいと考えるべき状況をご紹介します。
防音室を設置するための条件について
それでは、自宅に防音環境を構築するため、ユニット型防音室の設置を考えている方が確認したい、設置の条件について解説していきます。
ユニット型防音室は、専門業者による防音工事が認められない場合の回避策と紹介されることが多いのですが、楽器演奏に耐えられるレベルのユニット型防音室になると、どこにでも設置可能と言えるほど簡単な設備ではないのです。ユニット型防音室でも、最低限、以下のような条件を満たしている必要があるので、事前に確認しておきましょう。
床の耐荷重について
一つ目の条件は、床の耐荷重です。この耐荷重については、建築基準法でその基準が定められています。
建築基準法における床の耐荷重は「積載荷重」と呼ばれ、建物の用途(住宅、オフィス、倉庫など)や部屋の種類ごとに最低限必要な強度が定められています。耐荷重に関する詳細な基準は、建築基準法施行令第85条で定められているのですが、防音室が設置される一般住宅の居室の場合、180kg/㎡と決められています。これは、床1平方メートル当たり180kgまで耐えられるように作られているという意味なので、どれぐらいの荷重に耐えられるのかは、建物によって変わります。
防音室を設置する予定の部屋について、どれぐらいの耐荷重なのかは、ハウスメーカーなどに確認する必要があります。その後、購入する防音室の重量などについて、耐荷重の基準を満たすことができる製品にしなければいけないのです。一般的に、ユニット型防音室については、この耐荷重の基準に収まる範囲の重量になるように設計されています。しかし、部屋に防音室以外の家具などを設置している、築年数が経過しているなどというケースでは、耐荷重の条件を満たせなくなる可能性があるのです。
一般的な、木造戸建て住宅の場合、1階部分であれば問題なく設置が可能なケースが多いです。(一部、補強工事が必要なケースがあります。)しかし2階以上の部屋の場合、アコースティックピアノと一緒に設置することが難しいと判断されるケースがあるので注意しましょう。
マンションなどの共同住宅は、鉄筋コンクリート造の建物であれば、問題なく設置可能だと思いますが、木造や鉄骨造の場合は、管理会社などに設置可能なのかどうかを確認しなければいけません。
部屋の広さ・高さと搬入経路
二つ目の条件については、部屋の広さと高さ、また部屋までの搬入経路があるのかという条件です。
ユニット型防音室は、部屋の中に部屋を設置するという方法なので、居住のためのスペースが圧迫されることになります。当然、6畳の部屋に6畳タイプの防音室を設置することは不可能ですし、どの大きさの防音室が設置できるのかは、もともとの部屋の広さと残しておきたい居住のためのスペースで決まります。
なお、ユニット型防音室を設置する場合には、メンテナンスや部品交換のためのスペースを確保しなければいけません。そのため、壁にピッタリと接するように設置するのではなく、壁から最低でも50cm程度は離した状態で設置する必要があると考えてください。また、天井高についても、防音室の天井は部屋の天井ギリギリになるといった設置が難しく、基本的に部屋の天井から80cm程度は離れた状態になる製品を選ばなければならないとされています。
したがって、ユニット型防音室は、生活のためのスペースも考慮して、2畳タイプの防音室を設置するなら、最低でも4.5畳、3畳タイプなら6畳以上の部屋でなければ設置が難しいと考えてください。
この他には、ユニット型防音室を設置する部屋までの搬入経路についても注意する必要があります。楽器メーカーなどから新品の製品を購入する場合、分解された防音室が届き、室内で組み立てるという方法となるため、一般的なマンションなら搬入出来ないとなることはないでしょう。しかし、フリマアプリなどで中古品を購入する場合、組み立て済みの防音室が届く可能性があり、部屋の中に持ち込めない…となるケースがあるのです。したがって、ユニット型防音室を購入する前には、部屋までの通路の幅や天井高、エレベーターの大きさなどを計測し、搬入可能かを業者に確認しましょう。
集合住宅ならではの条件
持ち家にユニット型防音室を設置する場合、上で紹介した条件を満たしているのであれば、何の問題もなく防音環境を構築することができます。しかし、マンションやアパートなどの集合住宅の場合、以下のような点について確認しなくてはいけません。
- ・賃貸の場合、大家さんや管理会社に防音室設置の了承を取る
- ・分譲の場合、管理規約の確認もしくは管理組合に設置の了承を取る
- ・火災報知器の設置
ユニット型防音室は、大掛かりな工事が必要ないため、住人の意思で設置しても良いと考えている人がいますが、大きな間違いです。ユニット型防音室でも、事前に大家さんや管理会社、管理組合から設置の了承を取る必要があるのです。なお、賃貸物件の場合、ユニット型防音室の設置により、退去時の原状回復費用が高くなる可能性があるので、その点も注意しましょう。
この他、防音室は、おおむね独立した「一つの居室」として扱われるため、火災報知器の設置が求められます。集合住宅の場合、一般住宅用の簡易な火災報知器ではなく、自動火災報知器の設置が求められるケースがあり、この場合、設置コストや手間が増えるので注意しましょう。
防音室と火災報知器の関係については、以下の記事を確認してください。
ユニット型防音室でも設置できない場合がある
それでは、自宅に防音環境が欲しいと考え、ユニット型防音室を設置しようと思った時、設置が難しいとなるケースの条件についても簡単にご紹介します。
ユニット型防音室は、「防音工事ができない」場合の解決策として紹介されることが多いので、どこにでも設置できると考えている人が多いです。しかし、以下のような条件を満たしている場合、設置ができないので注意しましょう。
- ・床の耐荷重オーバー
一つ目は防音室を設置することで、床の耐荷重の条件が満たせなくなる場合でです。先程紹介した通り、一般住宅の居室は180kg/㎡という基準が設けられています。そのため、防音室の設置により、これを超えてしまう場合は、設置が認められないのです。ちなみに、ユニット型防音室のみの重さに注目しただけではだめで、防音室内に設置する楽器の重量や部屋の中に配置する家具の重量なども考慮しなくてはならないので、2階以上になると、設置が難しい場合が考えられます。 - ・搬入経路不足
ユニット型防音室を構成するための部品が、エレベーターや部屋のドア、廊下の曲がり角などを通過できないなど、搬入経路の問題で設置できないケースがあります。 - ・賃貸物件場合、大家・管理会社の許可が出ない
先程紹介した通り、ユニット型防音室についても、設置の許可は必要です。そして、大家さんや管理会社からの許可が降りず、設置できないケースも珍しくありません。物件そのものに工事を実施するわけではないのですが、耐荷重の問題や重量物の設置による床材の凹み、傷の可能性があるため、防音室に限らず大型設備の設置を認めてもらえない場合が多いのです。 - ・設置スペースの高さ不足
広さについては、部屋の中に設置可能な小さな防音室を選べば良いだけです。ユニット型防音室は、さまざまな大きさの製品が用意されているので、広さについては特に心配する必要はありません。しかし、高さについては、集合住宅の天井高が足りなくて設置できないというケースがあるので注意ましょう。
上記の通り、ユニット型防音室も、無条件に設置が可能なわけではないので、その点は注意しましょう。
まとめ
今回は、ユニット型防音室の設置に関わる条件について解説しました。
ユニット型防音室は、部屋の中にプレハブ小屋のような物を組み立てる方式で、建物そのものに手を加えるわけではないため「どこにでも設置できる」と考えている人が多いです。
しかし、ユニット型防音室についても、きちんと設置のための条件があり、記事内で紹介したような内容をクリアできない場合には設置することができないと考えておきましょう。