見えない場所の結露に注意!壁内結露が起こると家自体がダメになってしまう!

皆さんは、壁内結露という言葉をご存知でしょうか?結露といえば、家の中にいて、外気との気温差によって窓周辺がビショビショになってしまう…というものをイメージする方が多く、ほとんどの場合目に見える場所で起こっていることだと考える物でしょう。しかし、高気密高断熱の家が主流となり、いつでも快適な室温を保ってくれるエアコンの稼働が当たり前になった現在では、窓周辺など、目に見える部分だけでなく、壁の中など、目に見えない位置で発生する結露が大きな問題となっているのです。

壁内結露については、目に見えない位置で進行するもので、室内の美観を壊すわけでもないし「まぁ無視していよう…」なんて考えてしまう方も多いかもしれません。しかし、この考えは大きな間違いであり、壁内結露を放置してしまうと、断熱材がカビだらけになってしまい、家の性能が落ちてしまったり、ご家族の健康被害を引き起こしてしまう危険まであるのです。さらに、湿気によりシロアリの繁殖を招いてしまうと、家の強度まで一気に劣化する…なんて恐ろしい未来が待っているかもしれません。そして、より断熱性が高く二重壁の状態になっているような防音室は、この壁内結露のリスクが非常に高いのです。
そこでこの記事では、壁内結露によるリスクや、防ぐために知っておきたい知識を簡単にご紹介していきます。

そもそも『壁内結露』とは?

『壁内結露』は、その名称から分かるように、壁の中で起きてしまう結露の事を指しています。窓などで起こる結露とは異なり、目に見えない壁の中でも起こる結露ですので、住人が気付くことができない…という特性がある現象です。なお、「壁の内部で起こる結露」ということから『内部結露』などとも呼ばれます。

この壁内結露に関しては、住人が結露が発生していると気付けないことから、知らないうちに壁内の建材をカビだらけにしたり腐食させてしまったり、建物の寿命を縮めてしまうというリスクが存在します。なお、日常的なケアで問題解消をする事が非常に難しいという特性から、設計の段階で対策しておくことが求められます。

外部結露との違いは?

住宅で起こる結露は、壁の表面や窓ガラスで起こる事が多いのですが、これらは『外部結露』と呼ばれます。例えば、冬の寒い日に窓ガラスにびっしり水滴がついているのをイメージすれば分かりやすいです。

こういった外部結露は、エアコンなどで暖められた空気が、外気で冷たくなった窓ガラスにあたった際、空気が冷やされて湿気が水滴として生じるというものです。目に見える部分での結露であれば、その都度拭き取ったり、換気を良くして湿気がこもらないようにして結露の発生を防ぐというのが一般的な対策です。

その一方、壁内結露に関しては、目で結露が発生していると確認することができません。文字通り、壁の中で起きていることですので、住人が気付かないうちにどんどん被害が大きくなってしまうという特性があるのです。例えば、湿気で壁が変色してしまったり、リフォームで壁を壊した時に内部がカビだらけと分かる…など、発見が遅れてしまうことがほとんどです。
壁内結露が起こってしまうと、壁材を腐食させたり、断熱材を劣化させてしまう、内部でのカビの発生を招くなど、さまざまな問題を引き起こしてしまうので注意が必要です。

壁内結露と外部結露の違いは、「目に見えるか見えないか」が大きなポイントです。

壁内結露は一年中起きてしまう!

壁内結露が起こる仕組みは、壁内に熱と水蒸気が侵入し、冷やされることが原因です。水蒸気は非常に小さな粒子ですので、壁も普通に通過してしまいます。そして、外気と室内を遮断している断熱材の中では、外壁側と室内側に大きな温度の差が生じており、そこで一気に温度が冷やされることで、結露が発生するのです。

そしてこういった壁内結露の厄介なところは、季節関係なく一年中起きてしまう可能性がある点です。というのも、近年では、どのご家庭でも室内を快適な温度に保つため、エアコンを利用するのが普通ですよね。外気温が30℃以上の暑い日でも、エアコンによって室温が26℃~28℃に設定され、快適にすごせるのが現在の住宅です。
つまり、現在では、季節に関係なく、外気温と室内温度はかなりの差が生じてしまっており、いつでも壁内で結露が発生してもおかしくない状況になっているのです。特に、高温多湿な日本の夏は、壁内結露が非常に起きやすいと言われていますので、注意しましょう。

『壁内結露』にはどんな危険がある?

ここまでは、壁内結露が起こってしまう仕組みなどについて簡単にご紹介してきました。それでは、実際に壁内結露が発生してしまった場合、どのようなデメリットが存在するのでしょうか?ここでは、壁内結露が住宅にもたらす代表的なリスクをご紹介しておきます。

①断熱性能がダウン

壁内結露による住宅へのリスクとしては、家の断熱性能がダウンしてしまう…というものがあります。壁内結露が起こってしまうと、断熱材に水が溜まってしまうことになります。こうなると、本来断熱材が持っているはずの断熱性能が発揮できなくなるのです。また、水の重さに耐えられなくなり、形状が変わってしまい、隙間ができてしまう…なんて恐れもあります。

②木材の腐食リスク

断熱材は柱や梁の間に施工されるのが一般的です。そのため、断熱材が、結露によって長期間濡れてしまうと、周囲にある柱や梁にも水分が達し、腐食してしまうリスクがあるのです。

③建物の強度が落ちる

②に関連しますが、壁内結露で柱や梁が腐ってしまうと、建物の強度が落ちて行ってしまいます。そして、地震などが発生した場合には、柱や梁の強度が落ちてしまっている場合、地震の揺れに耐えられず、建物が倒壊してしまうリスクまであるのです。つまり、壁内結露は、建物の耐震性能を落としてしまうリスクもあります。

④家族の健康被害を引き起こすリスク

壁内結露は建物の寿命を縮めるだけでなく、住民の健康被害を引き起こしてしまうという、非常に恐ろしいリスクがあります。結露がカビの原因になるということは皆さんもご存知だと思うのですが、目に見える場所であれば、対処のしようもあるのですが、壁内結露は目に見えない場所でカビが繁殖してしまうことになるのです。
長時間、カビの中で生活した場合、カビアレルギーを引き起こしたり、喘息などの原因となってしまう危険があります。つまり、マイホームに住んでいるだけなのに、病気になる可能性が高くなってしまうという非常に厄介な問題を引き起こしてしまいます。

『壁内結露』は事前に対策が必要!

ここまでの説明で、壁内結露がどれほど恐ろしいものなのかが理解できたと思います。壁内結露は、目に見えない場所で発生するものですので、住人の方がどんどんカビが繁殖していっていることになかなか気付くことができないというのが非常に厄介なのです。そして、気付いたときには、壁内部がカビだらけになっており、柱や梁が腐食したりシロアリの繁殖を招いていた…なんて最悪の結果になっている場合があるのです。

それでは、こういった壁内結露はどのようにして防げばよいのでしょうか?結露を発生させないためには、外気と室内温度の差を無くするということも考えられますが、それでは住環境の快適性を壊してしまうことになりますよね。一般的に、窓などで発生する内部結露などであれば、室内の換気を十分に行い、湿気を外に逃がすのが有効といわれます。しかし、これが壁の中となると、そう簡単に換気することが難しいのが実情です。

住宅にさまざまな問題を引き起こす壁内結露について、昔は湿気を排出する自然通気機能を持たせておくことで問題なかったと言われています。しかし、年々高気密化が進んでいる現在の建物では、機械換気でなければ壁内の通気ができないと考えておいた方が良いです。
特に注意が必要なのは、楽器演奏やホームシアターなどを目的に自宅に防音室を作っているという方です。防音室に関しては、小さな隙間が音漏れの原因となってしまうため、通常の高気密高断熱と呼ばれる家に比べてもさらに気密性が高い部屋が作られています。そのため、防音性能の事ばかりを考慮して壁内換気を無視してしまうと、防音壁内部がカビだらけになってしまう…という恐れがあるのです。実際に、過去に他社で防音工事を行ったというお客様から、防音性能が低下してきたため点検してほしいという問い合わせがあり、現地調査をしてみると、壁内部がカビと腐食でボロボロになっていた…なんてケースは非常に多いです。

弊社の防音工事ででは、防音室の外側の壁部分に、防音性能に影響を与えないよう壁内換気ができる小さな換気扇を取り付けています。これにより、防音壁内を適切に機械換気ができるようになっていますので、防音性能を長期間保持することができるようになっているのです。防音室は、施工直後に契約性能を発揮しているの当然の事なのですが、数年すると防音性能が落ちてしまう…という事が非常に多いです。そしてそれは、壁内結露で断熱材が劣化してしまい、隙間が生じてしまっているから…という理由が多いので注意しましょう。
防音室は、長期間防音性能を維持していくことも大切ですので、設計段階から壁内結露を防ぐための対策を検討してくれる業者に工事を依頼しましょう!

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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古民家再生ショールーム防音工事の匠はショールームがあります

ピアノ防音室

実際に防音工事の匠が施工した防音室で防音性能を体験することで、当社の防音室の機能・音響などを体感していただけます。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物にショールームがある会社さんが多い中、特に施工後にショールームと性能や音の反響がちがうといったトラブルが戸建てのお客様に多い業界ですが、町家再生事業として難易度の高い防音室を防音性能が最も出にくいとされる木造町家のショールームをご用意いたしました。

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