防音工事の費用は「いくら?」かかる?防音工事会社が提出する見積書のチェックポイントについて

専門業者に防音工事を依頼する際には、やはり「防音工事にいくらかかるの?」と言った費用面のことが気になると思います。もちろん、それなりのコストがかかる防音工事では、ほとんどの方が複数の業者から相見積もりを取るのですが、実は見積書の比較検討方法に失敗している方も少なくありません。

例えば、防音工事の費用面を気にするあまり、見積書の総額の安さだけで業者を比較するなんて方も多く、安い業者に工事を依頼してみると、要望通りの防音室が完成せず、他の業者に再度防音工事を依頼しなければならなくなる…なんて失敗もあるようです。防音工事のようなリフォーム工事は、「できるだけ安い業者に依頼したい!」と考えるのは当然ですが、きちんと見積書の詳細まで確認し「同じ条件」の価格で比較検討できるようにしなければ、防音工事を依頼する業者選びに失敗する危険があると考えてください。

そこでこの記事では、防音工事の見積り段階の重要ポイントとなる、相見積もりの際の見積書のチェックポイントを解説します。

防音工事業者選び!見積り比較のポイント

防音室を作りたいと考えた時、ほとんどの方はインターネットを利用して近くの防音工事業者を検索するという行為に出るはずです。例えば、「防音室 ピアノ」「防音工事 大阪市」「防音工事 安い」などという検索をしてみると、数多くの防音工事業者のHPがヒットしますので、見積り依頼を出す防音工事業者探しで苦労することはないと思います。何らかの楽団などに所属しているプロの演奏家の方であれば、知り合いから技術力の高い防音工事会社を紹介してもらうこともできますが、そういったネットワークが無い人でも、ネット検索をすれば、防音工事業者に出会うことは難しくない時代になっています。

ただ、コロナ禍以降は、生活騒音を防ぐための防音工事を求めるような方が増えてきており、需要の高まりとともに、防音工事業界に進出してきた業者が増えています。そして、新たに防音工事業界に進出してきた業者の中には、防音に関する深い知識などを持っていないケースが増えてきており、安さで防音工事業者を選んだ後にトラブルになるケースが増えていると言われているのです。
ここでは、自分でネット検索して防音工事業者を検索する方が押さえておきたい基礎知識をご紹介しておきます。

見積り依頼は複数の業者に出す

まず一つ目のポイントとして押さえておきたいのは、防音工事業者を探す時には、ネット検索などで見つけた業者について、最低でも3社程度など、複数の業者に対して見積り依頼をするのがオススメです。ほとんどの方にとって、防音工事は専門性が高い工事となるので、基本となる相場や適正価格が分からない状態だと思います。それが、複数の防音工事会社に、同じ内容で見積りを出してもらうことで、あなたの要望がどの程度かかるものなのかという相場が見えてくるのです。また、いろいろな業者さんとやり取りすることで、見積り段階での対応などが見えますので、「信頼できそうな会社なのか?」ということも見比べすることが可能です。

防音室を作るといった本格的な防音工事については、最低でも3社程度の防音工事会社に問い合わせてみるのがオススメです。正直な話を言えば、時間が許す限りできるだけ多くの業者の話を聞くのがオススメな業界で、実際に弊社で防音工事を行ったお客様の中には、10社近くもの防音工事業者に問い合わせを行ったという方もいました。
業者に連絡して、見積りをとるという行動は、それなりに大変な作業になるのですが、周りに防音室を作ったという知り合いがおらず、優良業者を紹介してもらえないのであれば、自分の目で信頼できる防音工事業者を見つけるしかありません。そのためには、実際に業者の担当者さんと話してみて、人間的に相性が合うのか、また本当に防音工事に関する詳しい知識を持っていそうなのかを慎重に判断すべきです。防音工事は、見積りと提案書の提出までは、どこも無料で相談できる体制が整えられていますので、気になった業者であれば全て問い合わせしてみるのがオススメです。

ちなみに、ネットで見つけた業者に問い合わせするかしないかを見極める時には、「SNSや口コミサイトでの評判を確認する」「自分が検討しているタイプの防音工事実績があるか?」などでラインを引くと良いでしょう。防音工事は、「どのような音に対処したいのか?」によって必要な工事が全く変わりますので、業者の経験値が非常に重要な世界になります。楽器防音室の施工を依頼したいのであれば、防音に関する知識だけでなく、楽器に精通した業者の方が絶対にオススメです。

見積りは条件を統一しましょう

防音工事業者に見積もりを依頼する時には、業者のHPに設置されている問い合わせフォームなどを利用すれば良いでしょう。そして、多くの場合、問い合わせフォームが、見積りに必要な情報を記載するような作りになっていますので、基本的に問い合わせフォームの項目を埋めることで、見積りまでは可能です。ただ、ここで注意しておきたいのは、複数の業者に見積もりを依頼する際、それぞれの問い合わせ内容がバラバラの条件になってしまうと、見積り金額を比較検討することができなくなるのです。例えば、6畳のピアノ室と10畳のピアノ室では、業者から提出される見積り金額は当然異なります。

したがって、防音工事業者に問い合わせを行う前に、以下のような情報をまとめておき、それをもとに見積もりを作ってもらうのがオススメです。

  • ・部屋の間取り&広さがわかる図面(防音室にしたい部屋を分かるようにする)
  • ・防音工事をする建物は、マンションor戸建て?
  • ・自宅周辺の環境について(大通りに面している、閑静な住宅街など・・・)
  • ・防音の目的(楽器を演奏する場合、楽器の種類や音楽のジャンル、ピアノならサイズも)
  • ・演奏を予定している時間帯
  • ・建物の仕様(築年数、使用している建築資材などをわかる範囲で)
  • ・部屋の写真(あれば良い程度)

上記のような内容について、分かる範囲で情報をまとめておき、箇条書きにした資料として防音工事業者に提出するのがオススメです。もちろん、建物の仕様が詳しく分からない状態でも、概算の見積りを作成してもらうことは可能です。ただ、複数の業者から見積もりを提出してもらい、それをもとに比較検討するわけですので、「同じ条件の見積り」を提出してもらえなければ意味がないのです。最終的な、詳細見積もりに関しては、現地調査などを行ったうえで提出されると思いますので、まずは複数の業者を比較検討するために必要な情報をまとめてから問い合わせをしましょう。

ちなみに、見積り内容で比較検討する際には「安い業者が正解!」かというとそうではないので注意しましょう。いくら安い見積り金額になっていたとしても、あなたの要望が叶えられる防音性能を保持していなければ意味がありません。防音工事業者の中には、最初の見積りでは極端に安い費用を提示しておき、工事に入ってから何らかの理由をつけて費用を追加させるといった悪質な手段を採用するケースもあるようです。したがって、提出された見積りに対して、「本当に要望した性能を実現できる防音室の金額なのか?」「性能を保証してくれるのか?」などを念押ししておきましょう。この段階で「性能保証は特にない」というのであれば、少し注意が必要です。

候補を決めたら必ず現地調査をしてもらう!

防音工事業者からの見積りを比較検討して、いくつかの候補が絞れてきたときには、必ず現地調査を行ってもらいましょう。調査前の段階は、あくまでも図面や写真などをもとにした見積書で、机上の話と考えなければいけません。間取り図面などを提出していたとしても、実測してみると多少の誤差が生じるケースが普通にありますし、周辺環境に存在する音に関しても、専門家が確認する場合、一般の方とは着目する視点などが異なるのです。したがって、防音工事の最終的な見積書に関しては、現地調査を実施してみないと、正確な金額は出すことができないと考えてください。

なお、防音工事業者の現地調査に関しては、ほとんど場合、無料で行ってくれると考えて良いです。ただし、福岡県に住んでいる方が、大阪市内の防音工事業者に現地調査を依頼するなどといった場合、交通費程度は請求される可能性があるので、その点はご注意ください。なお、防音工事業者に現地調査を行ってもらう場合、それなりに時間も手間もかかりますので、見積りを依頼した業者の中から良さそうな会社を3~4社に絞ると良いでしょう。どういった観点で業者を絞り込むかというと、以下のようなポイントを比較するのがオススメです。

  • 予算が合うのか?
    見積り金額に関しては、「予算に合うのか?」が重要です。安すぎる見積りも危険ですが、当然、いくら良い性能の防音室が出来上がるにしても、予算オーバーの高すぎる見積りはNGです。したがって、概算見積りの段階で、大幅に予算を超えるような金額の会社は、現地調査の候補から外すのがオススメです。こういった会社を候補にしても、工事を依頼することはできませんし、突然大幅な値引きをされても、怪しさが残ってしまうので、なにも良い点がありません。
  • 支払い条件は適切か?
    支払い条件に関しては、会社ごとに決まりがあるので、一方的に危険とは言いにくい部分があります。ただ、防音工事の支払いに関しては、一般的に「前金50%、引き渡し後に残金50%」という支払い条件が多いです。しかし、中には、着工前に80%を着手金として請求する企業や、前金を多く支払うと割引が適用されるなどといった制度がある会社も存在するそうです。もちろん、こういった制度が悪いとは言えないのですが、大きなお金が動く工事ですので、意味不明な割引制度や、無理に着手金を多くとろうとする行為は、業者の資金繰りが少し心配になります。なので、そういった業者は候補から外しておくのがオススメかもしれませんね。
  • 担当者との相性
    これは、防音工事に限らず、住宅リフォーム関連の業者選びの際には、非常に重要なポイントになると考えておきましょう。「工事さえ行ってくれれば、担当者なんて誰でも良いのでは?」と考える人も多いのですが、実は工事を進めていく中で、意外に業者さんとやり取りすることが多いので、スムーズに話を進めるには、相性の良い担当についてもらう方が良いのです。気軽にものが言える担当者さんがいれば、気になったこともすぐに問い合わせできますし、気分よく工事を進めることが可能です。その逆に、相性が悪い担当者になると、些細なことまで気になってしまうようになり、どうでも良い事でトラブルに発展してしまうケースも考えられるのです。防音工事の業者選びを行う時には、防音に関する知識をしっかり持っているのかも重要ですが、そもそも人としての相性が良いかもチェックしておきましょう。

まとめ

今回は、防音室を作りたいと考えている方のため、最初の段階で優良な防音工事業者と出会うために押さえておきたいポイントをご紹介してきました。

近年では、防音工事を求める方が増えてきたこともあり、一般のリフォーム会社が防音工事の施工を請け負うようになっています。これは、ほとんどの方が防音工事会社をインターネット検索で探すようになっていることから、ホームページさえ作ってしまえば、防音工事に関する詳しい知識が無くても仕事を受注できるような時代になっているのが要因です。

したがって、防音工事に失敗しないようにするためには、消費者側が業者の良し悪しをある程度判断できるような目を持っていなければならない時代になっているのです。この記事では、一番最初の見積り段階で優良業者を絞り込むためのポイントをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

[trustindex no-registration=google]

古民家再生ショールーム防音工事の匠はショールームがあります

ピアノ防音室

実際に防音工事の匠が施工した防音室で防音性能を体験することで、当社の防音室の機能・音響などを体感していただけます。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物にショールームがある会社さんが多い中、特に施工後にショールームと性能や音の反響がちがうといったトラブルが戸建てのお客様に多い業界ですが、町家再生事業として難易度の高い防音室を防音性能が最も出にくいとされる木造町家のショールームをご用意いたしました。

このページの先頭へ