グランドピアノを購入して後悔した!?一般家庭にグランドピアノを導入する際の注意点
この記事にたどり着いた方は、自宅にピアノを置きたいと考えて、アップライトピアノとグランドピアノ、どっちを購入すべきかと迷っているところかもしれませんね。
アコースティックピアノには、アップライトピアノとグランドピアノがあり、コンサートなどで使用されるのはグランドピアノです。アップライトピアノとグランドピアノは、単にピアノの大きさが異なるだけでなく、音を出す仕組みの違いなどから、鍵盤のタッチや音の響きも変わってきます。そのため、お子様にピアノを習わせようと考えた時でも、将来的にプロの演奏家を目指すという場合には、最初からグランドピアノに触れさせていた方が良いのではないか…と考える方も少なくないようです。
ただ、一般家庭にグランドピアノを設置した時には、アップライトピアノではなくグランドピアノにしたことを後悔する方も少なくないと言われています。そこでこの記事では、グランドピアノの購入を後悔しないため、実際にグランドピアノを購入して後悔した方の意見をいくつかご紹介します。
グランドピアノを購入して後悔した事例について
それでは、一般家庭でピアノを設置する際、アップライトピアノではなくグランドピアノを購入して後悔した…という方の事例をいくつかご紹介します。なお、住環境は人それぞれですので、グランドピアノを購入すれば、必ず以下で紹介する事態に陥るわけではありませんので、その点は注意してください。
調律のための配置を考えていなくて苦労した
これは、グランドピアノを購入して方「想像以上に大きかった…」と後悔した方の事例です。
グランドピアノを購入する際には、楽器店の方から大きさに関する説明を嫌になるほどされると思います。そのため、多くの方は大きさに関してはきちんと留意して購入しているつもりになるのですが、実際に部屋にグランドピアノが入ってきたときには、壁とピアノの空間に「もう少し余裕があれば良かったのに…」なんてことになるケースが多いです。
グランドピアノを購入する際には、ピアノが設置できるだけのスペースがあれば良いと考えてしまう方がいるのですが、アコースティックピアノは定期的に調律しなくてはならなくて、調律やピアノのメンテナンスをするためには、壁とピアノの間にそれなりの空間が求められるのです。また、ピアノの設置後には、そばに本棚を置きたくなった、連弾するため椅子を置きたいなんて場合、ピアノが大きすぎてその他のアイテムが上手くはまらなくて「アプライトピアノでも良かったな…」なんて感じてしまう訳です。
グランドピアノは、フルコンサートで使用されるような物になると「全長:275cm、幅:160cm」ほどと、非常に大きなものになります。そのため、海外メーカーのグランドピアノを実物を見ずに購入した…なんて場合には、大きすぎて配置に困る、メンテナンス作業のスペースが確保できない…なんてことになるケースもあるようです。
搬入に苦労した
これもグランドピアノの大きさに関する問題です。楽器店と相談しながら購入するピアノを選ぶわけだから、搬入で困る事なんてないでしょ…と考えるかもしれません。しかし実際には、搬入口の寸法を測り間違えてる、搬入口周辺の状況を無視している、搬入経路に急角度の曲がりがあるなんて場合、想定していた部屋にピアノを搬入出来ない…なんてことになるリスクもあります。
実際に、搬入口の寸法をしっかり測っていたつもりが、間違いがあり予定していた搬入口からでは購入したピアノが搬入できない…という事例は少なくないようです。こういった場合、グランドピアノを搬入するために、クレーン車などを用意しなくてはならず、余計なコストがかかって後悔したという話はよく耳にします。
また、このような場合、引っ越しの際には再度クレーン車が必要になりますし、引っ越し先は「グランドピアノが搬入できて、設置できるだけのスペースがある場所」という縛りができます。引っ越しに関するしばりができてしまうことは、意外な後悔ポイントになるようです。
近所の方から苦情が…
これはグランドピアノに限らず、楽器を購入した時に必ずついて回る問題です。要は、楽器の演奏音で他のご家族や近隣の方に迷惑をかけてしまい、苦情が出る…というパターンです。
特に、グランドピアノを自宅に設置するという行為は、ピアノを弾く方にとって憧れのような物があります。そのため、実際にグランドピアノを購入し、設置した時には「ピアノを弾きたい!」という衝動に駆られてしまい、暇さえあればピアノに触っている…なんてことになる方がいます。
そして、時間帯を気にせずピアノの演奏をしていると、ご家族から「うるさいから夜にピアノを弾くのをやめて!」と言われたり、ご近所さんとピアノの音で騒音トラブルに発展するなんてことになるリスクがあるのです。当然、グランドピアノを設置したことで、ご近所さんとトラブルになれば、ピアノの購入を後悔してしまいますよね。
防音工事をしなくてはいけなくなった
自宅にグランドピアノを設置して演奏したいと考えているのであれば、防音工事のこともセットで考えておかなければいけません。しかし、今まで自宅に楽器を設置したことがないという方の中には、「演奏音で騒音トラブルになるかも」という認識がない場合もあるようです。
そして、実際にグランドピアノを設置して演奏していると、ご近所さんから強烈な苦情が出て、そこで初めて防音工事が必要だと認識するわけです。当然、せっかく購入したグランドピアノを手放すわけにはいきませんし、部屋を防音室に作り替えるしかないでしょう。この際には、もう一台グランドピアノを購入するぐらいの費用がかかってしまい、コスト面で後悔するという結果になる可能性があるのです。
アップライトピアノでよかった
お子様にピアノを習わせたいとピアノの購入を検討する方は多いのですが、この際にはアップライトピアノとグランドピアノどっちにするか迷うことでしょう。このような時、本格的に習わせたいと考えている方は、「どうせならグランドピアノの方が良いか!」と奮発してグランドピアノを購入するのですが、しばらくたってみるとグランドピアノだけにこだわる必要がなかった…と後悔してしまうのです。
例えば、ピアノを習い始めたばかりの場合、いくらセンスの良いお子様でも、グランドピアノの能力を十分に生かせるとは限りません。実際にグランドピアノだからできることは想像以上にレベルが高くて、それなりの技術力を身に付けなければ、アップライトピアノでも十分に練習が可能なのです。
お子様が、ずっとピアノの練習を続け、プロの演奏家にまで到達するのであれば、将来のことも考えて、グランドピアノを購入して正解かもしれませんが、そうではない場合、後悔することになるかもしれません。グランドピアノだからこそできる技術を身に着けるには進捗度や熟練度を要するので、必要になってから買い替えるのでも構わないケースもあると覚えておきましょう。
後から中古でも良かったと後悔する
グランドピアノを購入する際には、状態のことを考えて新品しか検討しないという方が多いです。しかし、ピアノはきちんとメンテナンスを行っていれば、かなり長持ちする楽器なのです。
さらに、ピアノは中古市場もかなりしっかりしていますし、探せば保存状態が良く質の良い中古のグランドピアノも沢山あります。もちろん、プレミアのついているピアノは、新品よりも高額ですが、状態の良いものでもかなり安価に手に入れることができるものもありますので、グランドピアノの購入を考えた時には、ひとまず中古市場も見ておくのがおすすめです。
子供のために購入したが…
このパターンは意外に多いので注意しましょう。お子様がピアノを習い始め、コンクールなどに出場していることから、子供のために奮発してグランドピアノを購入するという方は多いです。親からすれば、出来るだけ良い環境でピアノを習わせてあげたいと考えるのは当然のことでしょう。
ただ、小学生の頃は頻繁に練習していたのに、中学生に上がると吹奏楽部で他の楽器に興味を持ち始め、子供がピアノをやめてしまった…なんてことになるケースも多いようです。この場合、せっかく高いお金をかけてグランドピアノを購入したのに、弾く人が居なくなって「こんなことなら買うんじゃなかった…」と後悔するわけです。グランドピアノは、大きさ的にも場所を取りますし、弾く人が居なければ、邪魔に感じて余計に後悔の気持ちがわいてしまいます。
購入後も想像以上にコストがかかる…
グランドピアノは、イニシャルコストが高いというイメージがありますが、忘れてはいけないのは、購入後もメンテナンスなどにそれりのコストがかかる点です。
上で紹介したように、アコースティックピアノは定期的な調律が必要になるのですが、グランドピアノの場合、年に2回程度の調律が必要と考えていた方が良いです。そして、専門家に調律を依頼する時には、1回で1.5万円ほどの費用がかかります。さらに、ピアノを使用していればどうしても消耗部品などが劣化していきますので、そういった部分の部品交換をしなければいけなくなります。部品交換は、何を交換するのかによって変わりますが、物によっては10万円以上のコストがかかる場合があります。このように、ピアノの状態を維持するためだけでも、年間にそれなりのコストがかかってしまいます。
さらに、これ以外にもピアノを思い切り練習できるようにするには、防音室を用意しなくてはいけませんし、引っ越しが必要になった時には、ピアノの引っ越しにかなりのコストがかかります。また、ピアノを手放したいと思った時には、中古市場で買い手が付くレベルの状態を保っている場合以外は、それなりに高額な処分費がかかります。グランドピアノ購入後にかかる費用のことを考えておかなければ、後から「こんなにお金がかかるとは思わなかった…」と後悔してしまう訳です。
まとめ
今回は、一般家庭でグランドピアノを購入した時にありがちな後悔するポイントをご紹介しました。グランドピアノは、楽器の中でも特に大きいので、購入後に搬入や配置で困って後悔するケースがあります。また、しばらくたってみると、グランドピアノが必要なくなる…なんてケースもあり、この場合はグランドピアノにかけたコストが無駄になってしまう訳ですので、購入が失敗と後悔してしまうでしょう。
この他にも、グランドピアノの購入は、購入後もさまざまな面でコストがかかるという点は注意しましょう。調律やメンテナンス、防音対策など、コストを削れない問題となりますので、費用負担によりピアノの導入を後悔しかねません。