それなりのコストがかかる防音工事ってどんなメリットがあるの?デメリットも合わせてご紹介します!
近年では、マンション暮らしの方も増えていますし、都市部などでは土地の問題で戸建て住宅ごとの距離が近くなっていることから、騒音トラブルを避けるための防音工事の需要が年々高まっています。
一昔前までであれば、仕事の関係などで、自宅でも長時間楽器の練習をしなければならない…という方や、ライブハウスなどの商業施設であれば、コストをかけてでも防音工事を行うということが当たり前でした。しかしここ数年では、お子様の声やペットの鳴き声、テレビの音など、日常生活を進めるうえで発生する生活音を気にして防音工事を行うという方が増えているのです。もちろん、音の感じ方は人それぞれなのですが、ほとんどの方が「何の問題もない…」と思うような音でも、それを「耐えられないほどの騒音…」と感じてしまう人もいるのです。
そもそも自宅というのは、人間にとって最もリラックスできる場所にすべきものですので、より快適性を求めて防音工事を行うという行為は理解できる人も多いでしょう。しかし、防音工事というものは、非常に専門性が高い工事となるため、その他の住宅リフォームと比較すれば工事にかかるコストは割高になってしまうのです。もちろん、防音工事を行う方は、それだけのコストをかけるだけのメリットを感じてのことだと思うのですが、実際にはどういったメリットがあるのか疑問に思ってしまう人もいることでしょう。
そこでこの記事では、専門業者による防音工事のメリットと、注意しておきたいデメリットをご紹介しておきます。
そもそも音漏れの条件とは?
それではまず、防音工事のメリットをご紹介する前に、音漏れしやすい部屋の条件などを簡単にご紹介しておきたいと思います。現在、周辺環境の音に悩まされている…という方がいれば、以下に紹介する条件と一致していないか確認してみると良いでしょう。
建物の構造
建物の防音性能というものは、構造によって大きく異なってしまいます。例えば、賃貸住宅の物件探しをしている際には、「木造」や「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」などという表記を見かけることがあると思うのですが、これが建物の構造を表しているのです。ちなみに、木造の場合は遮音性能が低く音が振動しやすくなるなど、基本的の防音性能が低い建物となり、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物は防音性・遮音性に優れています。
ただし、建物の構造が「鉄筋コンクリート造」や「鉄骨鉄筋コンクリート造」の場合でも、壁や床の厚みなどによって防音性能は変わってしまうので注意しましょう。例えば、部屋の壁がコンクリートではなくパネルなどが採用されている場合、音が漏れやすい構造と言えます。一般的に、マンションの壁の厚さは、「150~200㎜以上」あるとそれなりの防音性があると判断できますので参考にしてください。
間取り
次は、間取りです。特にマンションなどの集合住宅では、隣接する部屋同士がどれぐらい接しているのかが大きなポイントになります。当然、隣の部屋と接している部分が多いほど音漏れがしやすい状況になり、逆に隣の部屋との間に玄関や共用階段などがある間取りの方が音漏れの危険が少なくなります。
窓や換気口などの開口部
防音工事は、壁や床、天井などに何らかの対策を行う工事だと考えている方が多いです。しかし、窓や換気口などの開口部を無視してしまうと、壁や床の対策をどれだけ行ったとしても音漏れのリスクはなくならないのです。窓や換気口などの開口部は、防音という視点で考えれば、大きな音漏れポイントになってしまいます。
したがって、窓が大きい部屋、窓がたくさんある部屋ほど音漏れの危険が高くなると考えましょう。なお、正確には、窓サッシの隙間などから音漏れがしますので、こういった隙間がなくなるような防音性の高い窓を導入する、二重窓にするなどの対策が有効になります。
防音工事のメリット
それでは、専門業者に依頼して防音工事をすることのメリットをご紹介していきましょう。冒頭でご紹介したように、防音工事というものは、比較的高額な住宅リフォームとなるのですが、近年ではその需要が年々高くなっていると言われているのです。
これは、防音工事というものは、外からの音に悩まされることが減るという以外にも、自分が原因となる騒音トラブルを防ぐことができるという側面があるからです。特に、それぞれの生活空間が近くなっている近年では、本当に何気ない音で騒音トラブルになり、傷害沙汰にまで発展してしまうケースもあるのです。そのため、こういったトラブルを未然に防ぐためにも防音工事が有効だと考えられているのです。
メリット① 騒音トラブルを回避できる
マンションなどに住む方が防音工事をする場合、これをメリットと考えている方が多いです。集合住宅は、壁や床1枚で生活空間を隔てているだけなので、ちょっとしたことで騒音トラブルに発展してしまうことがあるのです。例えば、ライフスタイルの違いから掃除機や洗濯機の音で近隣に迷惑をかけてしまう…、お子様が家の中を走り回る音で階下の人に迷惑をかけてしまう…などと言った事が原因となるトラブルが増えていると言われます。そしてこれに関しては、自分が原因になるだけでなく、逆に上の階や隣の住人が出す生活音に悩まされてしまう…という可能性もあるのです。
そこで、自宅に防音工事を行っておけば、周辺の方に自分の出す音で迷惑をかける心配がなくなりますし、お互いに快適な生活を実現することができるようになるのです。なお、都市部の戸建て住宅などでは、隣家との距離が近いことから、生活音によるトラブルが増えています。そのため、そういったトラブルを防ぐために防音リフォームをする方が多くなっていると言われます。
メリット② 時間を気にせず音を出せる
これは、自宅でもピアノやギターなどの楽器演奏を楽しみたいと考える方のメリットです。大きな音の出る楽器は、いつでも演奏するわけにはいかず、近隣住民に配慮して時間帯を考えなければいけません。しかし、防音リフォームを施しておけば、時間など気にせずに楽器の演奏を楽しむことができるのです。
この他にも、音楽鑑賞や映画鑑賞などを大音量で楽しみたいという方は、防音リフォームのメリットは非常に大きいと思います。
メリット③ 安心して子育てできる
赤ちゃんの泣き声や小さなお子様が室内を走り回る音は、意外に響いてしまいますので、近隣にとても気を使ってしまうことになります。本来は致し方ない事なのですが、赤ちゃんが夜泣きしてしまうと、近隣に迷惑になってしまわないかと気にしてしまい、お母様の大きなストレスになってしまいます。
防音工事をしておけば、お子様が出す音で近隣に迷惑をかけることがなくなりますので、安心して子育てをすることができるようになります。お母様からしても、不安が減りますので子育てによるストレスも軽減されると思います。
防音工事のデメリット
それでは最後に、防音工事のデメリットも簡単にご紹介しておきましょう。
デメリット① お金がかかる
専門業者による防音工事は、それなりのコストがかかってしまう…というのが最大のデメリットです。もちろん、「どんな音の対策なのか?」「どんな工事を行うのか?」などによって必要なコストが変わってくるのですが、それなりの防音性能を求めるのであれば、決して安くないコストがかかってしまいます。
特に、楽器演奏やホームシアターを目的として、本格的な防音室を作る場合には数百万円単位のコストがかかってしまいます。
デメリット② 部屋が狭くなる
それなりの性能を持つ防音室を作る場合には、防音対策のために壁が厚くなる、天井が低くなるなど、工事後は元の部屋よりも狭くなってしまいます。したがって、元の部屋の広さによっては、それなりのデメリットになってしまいます。
なお、床のみ、窓のみなど、部分的に施す防音工事の場合は、この心配はないと思います。
まとめ
今回は、専門業者による防音工事で得られるメリットや、注意しておきたいデメリットをご紹介してきました。防音工事は、人々の生活空間が近くなってきた近年では、余計なトラブルを防ぐために非常に効果的な手段と考えられるようになっています。人間が生活する上では、さまざまな音が必ず出てしまうもので、特にライフスタイルが違う人であれば、思わぬ音で他人に迷惑をかけてしまう場合もあるのです。
防音工事は、何らかの音に悩まされている方が行うものと考えている方も多いのですが、最近では、自分が騒音の原因にならないようにと考えて防音工事に踏み切る方も増えています。防音工事をしておけば、自分が出す音が他人に迷惑をかけていないか…などと気にする必要もなくなりますので、ストレスの少ない生活を実現することができるようになるのです。