防音室のニオイ対策について。ニオイの原因や消臭方法について

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防音室は、楽器の演奏を考えている、自宅でホームシアターやカラオケを楽しみたいなど、大きな音を生じさせてしまう可能性がある人が、近隣住民に配慮する目的で作る特別な機能を持った部屋です。
最近では、自宅で仕事をする方が増えていて、簡易的な防音対策を求める方も増えているのですが、楽器の演奏に耐えられるレベルの防音室は、ちょっとした防音対策を施した通常の居室とは全く異なる特徴を持っています。そのため、専門業者に依頼して防音室を作った人の中には、使い方を間違ってしまうことで思わぬ悩みを抱えてしまうことがあるのです。
それが、防音室内に残ってしまう「ニオイ」の問題です。実は、防音室は、長時間その部屋に滞在するケースが多いことで、防音室の中のニオイに悩まされてしまうという方が多いです。そこでこの記事では、防音室の利用者がなぜニオイに悩むことがあるのか、またニオイの問題を解消するにはどうすれば良いのかについて解説したいともいます。
防音室でニオイが問題になる理由について
防音室は、室内で大きな音を生じさせたとしても、その音が外に漏れないようにするという対策が施されています。しかし、この防音性能を高めるという対策のせいで、ニオイもこもりやすいという問題が生じてしまうのです。
ここではまず、防音室内で臭いが問題になりやすい要因について解説します。
構造上の問題で空気の滞留が少ない
防音室は、室内で発生した音が外に漏れないようにするため、可能な限り隙間が生じないような構造になっています。壁はもちろんとして、ドアや窓に関しても、閉めていれば隙間が生じない構造になっているのです。通常の居室の場合、室内ドアは閉めていても換気がきちんと行われるよう、ドアの下部に隙間が生じるような構造になっていますよね。しかし、防音室の場合、こういった隙間から音が漏れてしまうため、しっかりと閉じることが出来るような構造になっています。
つまり、室内の音が漏れないということは、空気の出入りも少なくなるということを意味しています。そのため、防音室内でニオイが発生した場合、そのニオイは室外に出ていくことがなくとどまってしまうのです。そして、防音室内で発生したニオイは、さまざまなニオイと混ざり合い、悪臭に感じてしまうことがあるのです。防音室内で発生するニオイは、以下のような物が考えられます。
- ・演奏や作業によって人が汗をかく
- ・防音室内に飲食物を持ち込む
- ・防音室の中にペットが入る
上記のような理由で、防音室内にニオイが発生することは珍しくありません。それぞれのニオイに関しては、悪臭というほどのものではないのですが、長時間ニオイが残り続ける、いろいろなニオイが混ざり合うことで、防音室特有の悪臭となってしまうことがあるのです。そして、防音室内には木製の楽器や電子機器などが置かれていることが多いことで、消臭スプレーなどを使用することが憚れる場合も多いです。それゆえ、防音室の中で発生したニオイがなかなか解消されず、蓄積してしまうことで嫌なニオイが染み付いてしまう結果になることがあるのです。
防音室内の用途によってはニオイが分解されにくい
防音室の使い方によっては、室内で発生したニオイがより残りやすくなるという点も注意が必要です。
例えば、スタジオ利用している防音室などは、音響機械やPCから静電気が発生し、これがニオイが留まる一因になってしまうことがあります。静電気が発生すると、空気中の酸素イオンが減少します。
酸素イオンは、ニオイを分解してくれる効果が期待できるのですが、静電気が多く発生すると、これが少なくなり、他の空間よりもニオイが残りやすくなってしまうのです。したがって、静電気を発生させるような製品を防音室内に設置し、部屋を密閉した状態にしておくと、どんどん酸素イオンが少なくなり、ニオイが積み重なっていくという悪循環に陥り「防音室内が臭い…」となってしまうのです
防音室の材料が原因の場合も
楽器用の防音室には、吸音性や断熱性に優れるグラスウールが採用されている場合が多いです。防音室の壁を作る際には、内部に音の遮断や断熱のため、グラスウールが設置されるのが一般的なのです。
グラスウールは、繊維を整形する際に、接着剤が用いられているため、素材のままの状態で嗅ぐと多少のニオイを感じます。ただ、施工完了後は、壁内部に隠れているため、本来は素材からのニオイが気にならなくなるはずなのです。しかし、業者の施工不良などがあった場合には、グラスウールが原因となるニオイが室内に充満してしまうことがあります。
さらに、グラスウールは、水に濡れると魚が腐ったようなニオイを発するという特徴がある点も注意が必要です。通常、壁の中に設置されるグラスウールは、水に濡れる心配はないのですが、壁内結露が発生した場合、グラスウールが水に濡れて非常に強い悪臭を放つことがあるのです。壁内結露は、防音室内と室外の温度差が大きくなることで生じるのですが、技術力の高い防音工事業者が施工した防音室の場合、そのような問題が発生することは基本的にありません。しかし、防音に関する知識が少ない一般のリフォーム業者が防音工事業界に進出し始めた昨今では、このタイプの失敗をする業者が増えていて、トラブルに発展することもあるようなので業者選びは慎重に行うようにしましょう。
なお、壁内結露でグラスウールが濡れてしまった場合、防音性能も低下しますし、内部でカビが発生するなどの問題に発展することもあるので、嫌なニオイを感じた場合、専門業者に相談して点検してもらいましょう。
防音室の臭い問題を解決する為の消臭方法とは?
防音室は、使い方や構造の問題からどうしてもニオイがこもりやすくなってしまいます。気密性が非常に高い環境となるため、室内で発生したニオイがなかなか外に出ていかずこもってしまいがちです。また、楽器の練習などの場合、長時間、防音室内に滞在することになるため、飲み物や食べ物を持ち込むケースなども多く、それらの臭いが残ってしまうことも多いのです。
それでは、防音室のニオイの問題を解消するにはどのような対策を検討すれば良いのでしょうか?ここでは、代表的な消臭対策について解説します。
- ・定期的な換気
室内のニオイ対策では、小まめな換気が最も簡単で効果的な方法と言えます。楽器の練習を目的に長時間防音室内に滞在する場合でも、小まめに休憩は取るはずです。そのため、大きな音が生じない休憩の際に、窓やドアを開けて換気すると、ニオイが室外に出やすくなるので、ニオイ対策になるでしょう。 - ・防音室を出る時に強制的に空気を入れ替える
防音室を使った後は、扉を開放して空気の入れ替えを行うという方法も有効とされています。なおこの際には、室内でサーキュレーターなどを回し、強制的な空気を循環させるとなお良いです。 - ・空気清浄機を利用する
防音室内に長時間滞在する時には、空気清浄機を回すという方法も有効です。空気清浄機の中には、脱臭機能が強力な製品もあるので、そういったアイテムを使うと良いでしょう。 - ・消臭剤を利用する
防音室内の消臭では、スプレータイプの製品が使いにくいケースが多いです。楽器や電子機器に悪影響が出る可能性があるため、ニオイが気になったとしても、スプレーを部屋全体に吹きかけるのは難しい場合も多いですよね。この場合、置き型タイプの消臭剤を使用すると良いです芳香剤と異なり、気になる臭いを根本から取り除くことが出来るので、気になる臭いが無くなります。なお、市販の消臭剤でなくても、重曹を室内に置いておくと消臭効果が得られます。
防音室内で気になる臭いを感じた時には、上記のような方法で対策を施すと良いでしょう。
まとめ
今回は、防音室にありがちなニオイの問題について解説しました。
記事内でご紹介したように、防音室は、その機能性や構造的な問題から臭いがこもりやすいという点に注意が必要です。防音室を利用する時には、長時間部屋の中にいることが想定されるため、飲み物や食べ物を持ち込む人が多いのですが、そのニオイが長時間残ってしまい、他の臭いと混ざり合うことで悪臭となってしまうことがあるのです。したがって、高性能な防音室を自宅に作った際には、利用中や利用後に小まめに換気をしてあげるということと心がけましょう。強い臭いが発生しても、素早く部屋から排出することが出来れば、部屋の中にニオイが染み付くことも無くなり、悪臭が残るようなことを防げるでしょう。
なお、壁内結露の問題については、お客様側で臭いを消すことは難しいので、防音室に入った時にかび臭さや腐敗臭などの強い悪臭を感じた場合、出来るだけ早く専門業者に点検してもらうのがおすすめです。壁内結露で、グラスウールが濡れてしまう、カビが生えてしまうとなると、本来の防音効果が得られなくなり、音漏れで苦情が出てしまう可能性もあります。
防音工事の匠が作る防音室に関しては、壁内結露が発生しないよう、防音壁を作る際に特別な対策を施しています。したがって、防音室の性能を長期的に維持することが出来るうえ、悪臭の問題にも悩まされにくくなります。現在、自宅に防音室の設置をご検討中の方がいれば、お気軽にお問い合わせください。