防音ドアの特徴を特徴をご紹介!効果的な防音ドアを選ぶための基礎知識
近年では、自宅で仕事をする方が増えていることから、ご家族間の音の問題を抱える方が増えているようです。実際に、我々のような防音工事業者のもとには、楽器用防音室ほどの性能はいらないものの、生活音が気にならなくなる程度のテレワーク用防音室に関するご相談が急増しています。また、このほかにも、室内ドアを防音ドアに交換することで、家族間の音の問題を解決できないのか…とお考えになる方も多いようで、部分的な防音工事のご相談を頂くことも増えています。
そこでこの記事では、ご家族間の音の問題を解消するために、非常に効果的な対策と考えられる防音ドアの特徴について解説してみます。
家族間の音の問題とは?
コロナ問題がいまだに続く日本では、多くの企業がテレワークを取り入れるようになったことで、昼間でも家で仕事をするという方が増加しています。また、コロナ問題により、外食文化にも変化がみられるようになってきていて、夜間も外食するのではなく家で食事をすることに慣れてしまったという人が増えてきており、自宅時間を趣味の時間に使う方が非常に多くなったと言われています。
このように、人々の在宅時間が長くなってきたことで、自宅周辺の騒音に悩む人が増えているというお話はよく耳にすることでしょう。ただ、在宅時間が長くなったことによる騒音問題は、家の外だけでなく、実は家の中の音に悩まされている人が増えていると言われています。
ここではまず、在宅時間が伸びたことによる、ご家族間が抱える代表的な音の問題をご紹介してみます。
- ・テレワーク中に聞こえてくる家事の音
自宅で仕事をする方が増えてきたことで、仕事中に家事の音が聞こえて集中できない…という声が増えています。当然、自宅には自分以外の人も生活しているわけですので、さまざまな音が生じるのは当たり前です。そして、家事の音は意外に大きな音が生じる作業も多いことから、音で集中力が乱される方が多いようです。例えば、掃除機の音や洗濯機の音はそれなりに響てしまいます。日本の住宅は、自宅で仕事をすることを想定したいないことから、こういった当たり前の生活音が問題になっているようです。 - ・WEB会議の声
テレワークは、自宅で仕事をする人だけが悩まされているのではありません。実は、テレワーク中は、他の家族が「静かにしなければいけない」という心理が働きますので、自宅で過ごしているのにストレスを感じてしまうようになるようです。さらに、WEB会議中はどうしても声が大きくなるという方も多く、その声でお子様の学習を邪魔してしまうといった問題も起きているようです。 - ・その他の音の問題
上記以外にも、在宅時間が増えたことで、趣味として楽器の練習を始める方などが増えているようです。当然、今まで楽器の演奏をしていなかった人であれば、専用の防音室などないでしょうし、ご家族が楽器の音を不快に感じてしまう場合があるようです。
このように、コロナ禍以降、人々の在宅時間が長くなったことで、さまざまな音の問題を抱える人が急増していると言われています。そして、そういった生活音を防止するための対策として、防音ドアの導入を検討する方が多くなっているわけです。それでは以下で、防音ドアの特徴などについてご紹介します。
防音ドアの特徴
皆さんが騒音に感じる音は、振動によって伝わっていきます。人の声や楽器の音色などは、空気の振動によって建物内に広がっていきます。逆に考えれば、各居室に音が伝わらないようにするためには、各居室ごとの空気を完全に切り離し、構造物を振動が伝わらないようにすることが大切だと言えます。そして、室内と室外の空気を遮断するために有効な建材が防音ドアです。
こう聞くと、一般的な室内ドアでも、きちんと閉めていれば空気を遮断できるし、わざわざ防音ドアなんて設置しなくても良いのではないかと考えてしまう人がいます。しかし、一般的な室内ドアをよく見ていただければ分かるのですが、ドアを閉めていてもドアと床の間に隙間があったり、ドアとドア枠が完全に密着していません。つまり、一般的な室内ドアは、きちんと閉めていたとしても、空気を遮断することができないため、そういった隙間から音が漏れてしまいます。
これに対して、防音ドアとして販売されている室内ドアに関しては、ドアを閉めると隙間が生じないよう、ドア枠にゴムパッキンが取り付けられていて、パッキンを潰すことで隙間が埋まるような構造になっています。また、ドアの下と床の間に生じる隙間もないので、ドア部分の気密性が非常に高くなり、音漏れを防ぐことができます。もちろん、一般的なドアから防音ドアに交換することで、音漏れや音の侵入を100%無くすことなどはできませんが、安価な防音ドアでも約30dBもの音を減退してくれます。音楽スタジオなどに設置されるような防音ドアは、もっと高い防音性能をもっていますが、日常生活の生活音対策となると、明らかにオーバースペックです。費用も、防音ドアだけで数十万円以上しますので、費用対効果を考えると、10万円前後の安価な防音ドアがオススメです。
防音ドア選びのポイント
それでは最後に、ご家族間の音の問題を解消するため、防音ドアの設置をご検討中の方に向け、どういった防音ドアを選べば良いのかを判断するためのポイントをご紹介します。
①引き戸を選ばない
上述したように、防音ドアは、ドアを閉めた時にパッキンを潰すことで隙間を無くす構造になっています。つまり、ドアとドア枠の間にあるパッキンをしっかりと潰すことができる開き戸構造の防音ドアの方が性能が高くなります。もちろん。防音ドアには開き戸タイプのものも販売されているのですが、性能面に着目すると、あまりオススメできないのも事実です。
引き戸タイプの防音ドアに関しても、カタログスペック的には開き戸タイプと同程度の防音性能になると紹介されていると思います。そして、防音ドア設置直後はカタログに記載されているレベルの性能を発揮すると考えても良いです。ただ、引き戸タイプの防音ドアは、防音性能が長期間維持できないという弱点を持っています。基本的に、設置後1年程度経過してくると、ドアの隙間が徐々に拡大していき、音漏れが大きくなっていくと言われています。
なお、防ぎたい音が、人の話し声やTVなどの音声程度であれば、引き戸タイプでも大きな問題にはならないと思います。もともと引き戸だったものを開き戸に交換するとなると、リフォーム費が高額になると思いますし、生活音程度の防音なら引き戸でも構わないと思います。
②厚いドアの方が性能が高い
一般的に、居室の音漏れ・音の侵入原因は、換気口・窓・ドアの場合が多いです。換気口は、何の対策もしていなければ、ただの空洞を壁に開けているわけですので、当然音が自由に出入りします。窓とドアに関しては、閉めていれば音を防げると考える方がいますが、壁と比較すると非常に薄い素材となるので、どうしても防音性能が低くなってしまう訳です。
上述したように、音は振動を介して広がっていきますので、重くて厚みがあるほど防音性が高くなります。こういった特徴から、防音ドアに関しても、重量があり、厚みがある製品ほど防音性が高くなると考えておきましょう。例えば、カラオケや音楽スタジオの防音ドアは、鉄製で非常に重量があり厚みもあるドアが多いですよね。これは、一般住宅とは比較にならないほど大きな音を防がなければならないからです。
皆さんが防音ドアを導入する時には、「どのような音を防ぎたいのか?」をよく考えて、適切な重量、厚みを持ったものを選ぶようにしましょう。
③ドアノブについて
最後はドアノブの構造についてです。防音性と全く関係がなさそうに見えますが、実はこの部分の構造が防音ドアにとっては非常に重要です。上述したように、防音ドアは、ドアを閉める時にパッキンを潰すことで隙間を塞ぎます。これが、通常のドアノブの場合、パッキンを潰しきるほどの力をかけることができません。
カラオケボックスのドアなどでは、グレモンハンドルと呼ばれるタイプのドアノブが採用されていますが、このドアノブは、しっかりとドアを固定し、パッキンを潰すことができるので、ドア部分の気密性が高くなります。したがって、防音ドアを選ぶとき、高い防音性能が欲しい場合は、グレモンハンドルが採用されているドアがオススメです。
まとめ
今回は、居室の音漏れ原因となってしまいがちな室内ドアの効果的な防音対策をご紹介しました。この記事でご紹介したように、一般的な室内ドアは、居室の換気が効率的に行われるよう、ドアの下と床の間にワザと隙間が設けられています。そして、この隙間が音漏れと音の侵入原因となり、ご家族間の騒音トラブルのもとになるわけですね。
ただ、室内ドアの防音対策については、非常に単純で、防音性の高い防音ドアに交換してあげることで、劇的に音の問題を解消することが可能です。というのも、ご家族間が抱える音の問題については、ライフスタイルの違いから生じる問題で、本格的な騒音ではない場合がほとんどだからです。防音ドアは、安価なものであれば本体が5万円程度のものもありますので、取り付け工賃を合わせても、10万円前後で音の問題を解消することができます。
音の問題でご家族間の関係が悪くなるぐらいなら、防音ドアの導入を検討してみてはいかがでしょう。