二重窓のメリット・デメリット！組み合わせる窓ガラスの種類もご紹介

このサイト内でも何度がご紹介していますが、近年では、自宅の窓に内窓を設置して二重窓にするリフォームが非常に高い人気を誇っています。住宅の窓は、室内の熱が逃げていく原因にもなる他、音漏れや外からの騒音の親友場所となりやすいなど、防音性の面からも大きな弱点になってしまうのです。

そこで、家の断熱性向上や防音性向上を目的として、窓を二重窓にするリフォーム工事の依頼が急増しているわけです。特に、内窓の設置に関しては、比較的簡単な工事となることから、リフォーム箇所によっては数時間でリフォームが完了するなど、短期間で非常に高い効果を得られることもメリットと言われています。

そこでこの記事では、ここ数年、一気に注目度が高くなっている二重窓リフォームの基礎知識や、実際に二重窓を採用した場合のメリット・デメリットをご紹介していきます。

二重窓は使用するガラスで得られる効果が変わる！

二重窓とは、その言葉からイメージできるように、既存の窓の内側（室内側）にもう一つ窓を取り付けて、二重にしたものを指しています。この状態にすると、単純に窓ガラスが二重になるだけでなく、窓と窓の間に空気の層ができることで、外気温が室内に与える影響が少なくなるのです。そのため、夏は暑さを遮断して涼しく、冬は熱が逃げにくく暖かいなど、一年中快適な住空間を実現してくれます。
さらに、この空気層があることで、外から侵入してくる騒音まで和らげてくれるようになるため、住宅の防音性能まで高めてくれる非常に高機能な窓になるのです。ちなみに、ペアガラスのことを二重窓と勘違いしている人がいますが、ペアガラスはあくまでも窓ガラスの種類で、二重窓は施工そのものを指しています。つまり、全くの別物ですので、混同しないようにしましょう。

まず以下で、二重窓に採用される主なガラスの種類と、それぞれの効果をご紹介しておきます。

ペアガラス

ペアガラスは、2枚のガラスを合わせて1枚のガラスにしたもので、中間に空気の層が作られた窓ガラスとなります。このガラスは、空気層を作る事で、断熱性が高くなり、結露が発生しにくくなるという特徴を持っています。二重窓にこのガラスを採用すればより高い断熱性が得られます。

防音合わせガラス

こちらも、2枚のガラスを合わせて1枚の窓ガラスにしたものです。ただしこちらの場合は、ガラスとガラスの間に防音材（フィルム）を挟み込んでいるなど、防音効果を見込んだものとなります。基本的は、窓ガラス自体には断熱性がそれほどなく、防音に特化したガラスになります。音の問題で二重窓を考えている場合には、こういったタイプを選択するのがオススメです。

遮熱高断熱複層ガラス

遮熱高断熱複層ガラスは、窓から入り込む紫外線や日差しをカットする目的の製品です。特に、夏場など、強い日差しをシャットアウトできますので、室内の温度が上昇するのを防いでくれるというメリットがあります。断熱ガラスなどと効果が似ているように思えますが、こちらは西向きの部屋などで、効果的に西日を防ぐために使用する場合が多いです。また、紫外線をカットすることができますので、日焼けによる色あせを防ぐ事ができ、書斎などの窓に向いているかもしれませんね。

高断熱複層ガラス

こちらは、ガラスとガラスの間にアルゴンガスが含まれているタイプです。アルゴンガスは、空気よりも熱を通しにくいため、非常に優れた断熱性をもたらせてくれます。基本的に、非常に寒い地域などの二重窓に採用されることが多いです。

二重窓のメリット

それでは、自宅の窓に二重窓を採用することのメリットはどのようなことが考えられるのでしょうか？ここでは、二重窓のメリットをご紹介します。

断熱性が高くなる

二重窓は、冬場は極端に寒くなる地域で採用されることが多いなど、高い断熱性が得られるのが大きなメリットです。内側に窓を取り付けるだけで、光熱費削減も期待できますし、非常に有効なリフォーム手法と言えるでしょう。

結露が発生しにくい

二重窓は、結露が発生しにくくなるというのも大きなメリットです。木造住宅が多い日本では、結露による水分が非常に大きなデメリットになります。結露は、部屋の中の空気が冷たい窓ガラスに当たって冷やされ、空気中の水分が水に変わるという仕組みで生じるのですが、二重窓にすると室内側の窓ガラスの温度がそれほど低くならないため、結露を防止できるわけです。

防犯効果

警視庁のサイトによると、戸建て住宅の空き巣被害は、窓を侵入経路とされる場合が最も多いと言われています。空き巣犯は、窓の一部を破壊して侵入するのですが、窓が二重になると、破壊するのに時間がかかってしまうようになるため、狙われにくくなると言われているのです。空き巣犯は、「侵入に時間がかかりそう」と判断できる家はあまりターゲットにしないと言われており、一説によると、侵入に5分以上かかると7割の空き巣が侵入を諦めると言われています。
したがって、二重窓は、破壊しなければならない窓が2枚になりますので、視覚的にも空き巣対策になるわけです。

防音効果

近年では、防音効果を期待して二重窓のリフォームをする方が急増しています。上述したように、二重窓にすれば、窓ガラスが2枚になるため、物理的な遮音効果も2倍になります。さらに、ガラスとガラスの間に空気層ができることから、非常に高い減音効果を得られるようになるのです。
なお、内側に設置する窓ガラスを防音効果の高いものにすれば、さらに高い防音効果を期待できるでしょう。

二重窓のデメリット

上述のように、二重窓にはさまざまなメリットが存在しています。しかし、いくつかのデメリットも指摘されていますので、ご紹介しておきます。

お金がかかる

当たり前のことですが、一般的な窓に比較すれば、二重窓の方が高コストになってしまいます。ちなみに、内窓に採用する窓ガラスについては、機能性が高いものほど高額になりますので、注意しましょう。住宅によく採用される通常の窓ガラスであれば、1枚2万円程度ですが、高断熱ペアガラスなどになると、1枚で10万円程度の費用がかかります。
一般的にですが、二重窓にするリフォーム工事は、1か所で5～12万円程度と考えておきましょう。

掃除の手間がかかる

窓ガラスが2枚になるため、単純に掃除の手間が増えてしまいます。特に、屋外側の窓ガラスは、拭き掃除が困難になった…という声を聞くことも多いです。

日常生活でめんどくささを感じる

室内の換気をしたいと思った時には、2回窓を開けなければならないので、日常生活上で少し不便さを感じてしまう方もいると言われています。特に、リビングなどのように、使用頻度が高い場所となると、気軽に開け閉めするには面倒に感じてしまうようになると思います。

まとめ

今回は、住宅のプチリフォーム手法として、ここ数年非常に高い人気を誇っている二重窓の基礎知識をご紹介してきました。この記事でご紹介したように、二重窓は、窓部分の断熱性能を高めてくれるため、住空間の快適性を高めてくれる非常に有効なリフォームと言えます。

さらに最近では、二重窓にすることによって、窓部分の防音性能が高くなるということが注目されており、防音目的で窓のリフォームに踏み切る方が多くなっていると言われているのです。特に、築年数の経過した建物であれば、窓サッシの劣化などを原因に音の侵入を防げなくなってしまっている…なんて可能性が非常に高いです。きちんと窓を閉めていたとしても、小さな隙間が生じてしまいますので、そこから音が侵入してしまうようになるわけです。
窓を二重にすれば、そういった隙間を埋めることができますし、中間の空気層で減音することができ、防音性能を大幅に高めることができるのです。お家時間が増えてしまった現在、外からの騒音に悩まされている…という方がいれば、二重窓を採用してみるのも良いのではないでしょうか。