VtuberやYoutuberさんにありがちな音の悩みと、防音対策を行う時の注意点

近年では、VtuberやYoutuberと言った言葉を耳にする機会が増えていますよね。要は、Youtubeなどの動画配信サービスを利用して、動画配信を行う人のことを指しているのですが、個人の方でもネット環境とパソコン、細かな機材さえ用意出来れば、誰でも配信者になれるという手軽さから、子供の将来の夢になっているケースも多くなっています。

ただ、個人の動画配信者が急増する裏では、音の悩みを抱えてしまうケースも意外に少なくないと言われています。実際に、近年、動画配信を考えているという方から、どういった防音対策を行えば良いのかという問い合わせが急増しています。

そこでこの記事では、これから動画配信を始めてみようと考えている方のため、動画配信者がどのような音の問題を抱えているのか、また防音対策を行う際に何に注意すべきなのかを簡単に解説していきます。

VtuberやYoutuberが抱える音の悩みとは?

それではまず、VtuberやYoutuberと言った動画配信者さんが抱えてしまうケースが多い音の悩みについて解説していきます。一般の方であれば「動画配信者が抱える音の悩み」と聞くと、配信中の音漏れについてだと考えますよね。しかし、動画配信を行う時には、配信者自身が出している音が周囲に迷惑を掛けるという問題だけではないのです。

ここでは、これから動画配信を考えているという方が知っておくべき主な音の問題をご紹介しておきます。

自らが出す音の音漏れ

VtuberやYoutuberと言った動画配信者さんの一番の悩みは、やはり音漏れです。

VtuberやYoutuberの中でもトップクラスの人気を誇る配信者さんであれば、動画撮影専用のスタジオや防音室を用意していますが、多くの配信者さんは、自宅の一室で動画収録やライブ配信を行っています。もちろん、ワンルームマンションなどで動画配信を行っているような方もいるでしょう。
このような動画配信専用部屋と言うわけではない場合、周囲に気を使ってあまり大声を出さないように気を付けているという方が多いです。しかし、配信開始当初は騒音を出さないように声を小さくできていたとしても、動画配信に没頭するほど声が大きくなってしまい、近隣の方から苦情が来てしまった…と言う経験がある配信者さんも多いようです。

動画配信行う時の音漏れに関しては、主に人の声となりますが、実は窓やドアの隙間から普通に漏れて行ってしまいますので、夜間の周囲が静かな状態であれば、そこまで大声を出していないつもりでも、普通に苦情が来てしまうことでしょう。さらに、集合住宅で動画配信をする場合、壁や床、天井などの構造物を伝って音が拡散してしまいますので、余計に騒音トラブルの可能性が高くなります。
動画配信を行う時には、当然、窓やドアを閉め切っているはずですが、一般的な室内ドアや窓の場合、換気やスムーズに開閉できるようにするため、わざと隙間が設けられているので、完全に音漏れを防ぐことはできません。また、ホームセンターなどで販売されている吸音材などを壁に貼っておくといった対策も、気休め程度の効果しかないので、大きな声を出すと普通に音漏れしてしまい、配信者さんの悩みの種となるのです。

外部からの音の侵入

動画配信者さんの悩みの種となる音の問題は、何も自分が発する声だけではありません。実は、防音環境が整っていない配信者さんの場合、以下のような外部騒音が悩みの種となってしまうケースがあるのです。

  • ・撮影中・配信中に近くを緊急車両が通り、サイレンの音が動画に入る
  • ・近隣で建設工事が始まり、ライブ配信をすると声が聞こえにくくなってしまう
  • ・目の前が線路・幹線道路で、電車や自動車の走行音が動画に入る

動画撮影を行う場所の条件によっては、上記のような外部騒音がそのまま室内に入ってきてしまい、動画撮影用のマイクがその騒音を拾ってしまう訳です。緊急車両のサイレンなどは、いつ鳴るのか予想することもできませんし、電車などは頻繁に通過することになるので、動画撮影やライブ配信の邪魔になってしまう訳です。

家族の生活騒音が動画に入る

動画配信者さんの中には、ご家族と一緒に暮らしているという方もいます。そして、そのような場合、動画撮影中に家庭で発生する音が悩みの種になってしまうケースがあるのです。例えば以下のような音です。

  • ・子供が騒いで大声を上げてしまう
  • ・子供が走り回る音
  • ・子供を叱りつける声
  • ・洗濯機や掃除機の音

ご家族と同居している動画配信者の場合、どうしても日常生活で発生する生活音が動画に入ってしまうことがあります。ゲーム配信など、ユーチューバーの場合、家族が出す生活音などは特に気にならないかもしれませんが、Vtuberの場合はこういった生活音が動画に入り込むのは嫌われてしまうでしょう。きちんとドアを閉めていても、一般的なドアであれば音を完全に防ぐことができないので、注意しましょう。

防音対策を行う時の注意点とは?

それでは、VtuberやYoutuberと言った動画配信者さんが、音漏れや音の侵入対策のために防音対策を行う場合の注意点について解説しておきます。

窓やドアの隙間を埋めるなど、簡易防音対策の注意点

防音対策について調べてみると、窓やドアに生じる隙間について、隙間テープなどを利用して埋めてあげることが有効だと紹介されていますよね。この対策については、確かに簡易防音対策としては、非常に簡単で安価な割に、音漏れなどを防ぐ効果が得られるはずです。ただ、窓やドアの隙間を埋めるという対策については、そこまで高い防音効果が得られるわけではないので、これを行うから安心だと思わないでおきましょう。

窓やドアの隙間を埋める対策については、人が普通に会話する時の声程度であれば、十分な防音対策になると思います。しかし、ゲーム実況などで興奮してつい大声を出してしまう…などと言う音については、普通に音漏れする程度です。他にも、この対策で防げるのは、あくまでも人の声などの空気音となりますので、家の前を電車や大型車が通る、建設工事現場からの振動音などと言うものは防ぐことができません。

ドアや窓からの音漏れなどについて、しっかりとした防音効果が欲しいのであれば、高い性能を持つ防音ドアを設置する対策や、窓を二重窓にするなどと言った対策が必要だと考えてください。

防音カーテンに関する間違い

窓の防音対策として近年人気なのが、防音カーテンを設置するという手法です。最近では、ネット通販などでも意外に安く購入できますので、動画配信者の方でも採用している方は多いのではないでしょうか?方法としては、今まで使用していたカーテンを防音カーテンに取り換えるだけですので、非常に簡単に窓の防音が実現できると人気です。

ただ、この防音カーテンに関しては、少し注意が必要です。と言うのも、防音カーテンにもグレードと言うものが存在していて、中にはほとんど効果のないカーテンが『防音カーテン』として販売されているケースもあるのです。そして、そういったタイプは本格的な防音カーテンよりもかなり安価な値段がつけられているので、このタイプを購入する方が多いのです。はっきり言っておきますが、防音効果を狙って防音カーテンを購入する場合、出来るだけ高いカーテンを選ぶべきですよ。防音カーテンの防音効果は、布の厚みや織り方、重さなどで効果が変わってきてしまい、高い防音効果を求めると、必然的に布の量と複雑な織り方になってしまうのです。つまり、カーテンの価格の高さが防音効果のある程度の目安となっていて、安価な防音カーテンは、「普通のカーテンより幾分かマシ」程度の効果しかありません。

また、防音カーテンを設置する際には、きちんと窓を完全に覆うことができるように設置しないと意味がありませんよ。たまに見かけるのですが、カーテンの丈が足りなくて、床とカーテンの間に隙間が生じているという設置方法です。このように、カーテンに隙間が生じてしまうと、そこから音が漏れてしまうので、カーテンを設置している意味が全くなくなってしまいます。防音カーテンを設置するのであれば、きちんと窓を完全に覆うような大き目のサイズを購入してください。

※本格的な防音カーテンは、かなりの重量となりますので、通常のカーテンレールでは荷重に耐えられません。したがって、本格的な防音カーテンを設置する場合、レールごと交換が必要と考えておきましょう。

組立式の防音室を購入する

新型コロナウイルスの感染拡大以降、日本国内の企業でもテレワークが一気に浸透したこともあり、電話ボックスのような組み立て式の防音室が人気になっています。日本の住宅と言うものは、自宅で仕事をするということが想定されていませんでしたので、急にテレワークが導入されたとしても「自宅に、仕事に集中できるスペースがない…」と言う声があがったのです。そのため、最初は小型のテントのような物で、仕事中に家族が目線に入らないようにできるアイテムが登場したのですが、Web会議などのために防音性能も必要とされ、比較的安価な組み立て式防音室の需要が高まったわけです。

そして、この小型の組み立て式防音室については、動画配信者からも注目されています。要は、購入して自分で組み立てれば、自宅内の動画配信用の防音ボックスができるわけですので、配信する動画の内容によっては非常に重宝するのです。ちなみに、コロナ禍以降登場した、小型の組み立て式防音室は、平均7~12万円程度で購入できるとされています。高額になるほど、防音室内の面積が広くなるとされていますが、あくまでもテレワークなどを想定したものですので、広くはないです。

注意が必要なのは、このタイプの組み立て式防音室については、実際に設置して使用してみると、後悔した…と言う声も意外に多いという点です。以下に、組み立て式防音室のデメリット面を簡単にご紹介しておきます。

  • ・規格品でサイズや形が決まっているうえ、そこまで広くない。動画の内容によっては狭すぎる
  • ・部屋の中に設置することになるので、どうしてもデッドスペースができてしまう
  • ・部屋に設置してみると、部屋の雰囲気を壊してしまう
  • ・防音室を閉め切ると、息苦しさ、暑さを感じてしまい、長時間の撮影・配信に向かない
  • ・テーブルなどが付属されているタイプは、耐荷重が低いので、重量のある物を置くと壊れる
  • ・捨てるのが大変

組み立て式防音室は、自宅でも集中して仕事ができるように、Web会議の音で家族に迷惑をかけないようにと言った考えで開発されたものです。要は、動画配信者が利用する目的で作られたものではないので、実際に使ってみると、さまざまな問題が生じてしまうようですね。
その中でも、防音室内はかなり狭いスペースになるので、配信しているとすぐに室温が高くなってしまい、とても長時間の配信は耐えられない…と言うのは大きな問題のようです。防音室は、音漏れしないように、非常に高い気密性を持っているのですが、その気密性の高さから、自分の体温や機材の熱により、室温をドンドン高くしていってしまうのです。ただ、暑いからと、ドアを開けて撮影したので、防音室を購入した意味が全くなくなりますよね。要は、現在テレワーク用に販売されている組み立て式の防音室の多くは、長時間の動画配信などが想定されていないため、とても使えない…という点が大きな問題のようです。

動画配信のために、自宅に防音室を用意したいのであれば、我々のような防音工事の専門業者に依頼すべきです。もちろん、上述のような組み立て式の防音室よりはコストがかかってしまいますが、楽器用の防音室を作るほどのコストなど掛かりませんし、自分の配信スタイルに最適な防音室を一から設計したうえで作れるので、防音室の使用時に問題が生じることはありません。

まとめ

今回は、VtuberやYoutuberと言った動画配信者さんがおさえておきたい、動画配信のための防音対策の基礎知識をご紹介しました。近年では、誰でも簡単に動画配信をスタートすることができる時代になっていますし、思い立った瞬間にYoutuberとして活動することができるような時代なのです。

ただ注意しておくべきなのは、動画配信を行う時には、映像の編集能力や企画能力だけが必要なのではなく、周辺の方に迷惑を掛けないような撮影環境を用意しなければならないのです。人の声は、皆さんが思っている以上に拡散してしまうもので、動画配信の声が騒音トラブルの原因になってしまうことも珍しくないと思っておきましょう。

現在、動画配信のために自宅に防音対策を行いたいと考えている方がいれば、お気軽に弊社までお問い合わせください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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古民家再生ショールーム防音工事の匠はショールームがあります

ピアノ防音室

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鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物にショールームがある会社さんが多い中、特に施工後にショールームと性能や音の反響がちがうといったトラブルが戸建てのお客様に多い業界ですが、町家再生事業として難易度の高い防音室を防音性能が最も出にくいとされる木造町家のショールームをご用意いたしました。

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