マンションでの防音工事の種類をご紹介!

サンテレビ「アサスマ! 」で防音工事の匠が紹介されました!

今回は、マンションなど、集合住宅で騒音に悩んだ時、どのような防音対策が可能なのかについて解説します。マンションなど、集合住宅における防音工事の取り扱いについては、以下のポイントが大前提となります。

  • ・賃貸物件の場合は部屋を傷つける防音工事は基本的に認められない
  • ・持ち物件の場合、専門業者による本格的な防音工事が可能

上記のように、同じ集合住宅であっても、防音工事の取り扱いが大きく変わります。賃貸物件に住んでいる方の場合、隣人や上に住む人の騒音に悩んだとしても、壁や天井に防音リフォームを施すことは基本的にできないと考えましょう。自分が住んでいる部屋であっても、住人さんは借りているだけで、所有者は他に存在するからです。賃貸の場合は、管理会社などに相談し、騒音を出さないようにしてもらうという対策になるのが基本です。
これが、分譲マンションなど、持ち物件の場合であれば、専門業者に依頼して本格的な防音工事を施すことも可能です。ただ、一口に防音工事といっても、施す対策には種類があるので注意が必要です。悩んでいる音に対して適切な対策を施さなければ、音の問題が解消できない…、余計なコストをかける結果になる…など、いくつかの問題が存在するのです。

そこでこの記事では、マンションで可能な防音工事の種類と、実際に工事を行う際の注意点などについて解説します。

マンションで対応すべき音の種類

マンションの防音を考える時には、音の種類についておさえておかなければいけません。「音」と聞くと、人の話し声など、耳に直接入ってくるものをイメージするかもしれませんが、マンションで発生する音は、大きく分けると以下の2つの種類の伝わり方があるのです。

  • 空気伝搬音
    空気伝搬音は、空気中に放たれた音が、空気を振動させて伝わっていくものを指しています。皆さんが音と聞いたときにイメージする、人の話し声やテレビの音、屋外から入ってくる救急車などのサイレンなどがこれに該当します。空気伝搬音は、「空気を介して伝達する」という音のため、音の発生源と距離を離す、壁などの遮蔽物を設置するといった対策で音を減少させることが可能です。鉄筋コンクリート造のマンションなどは、分厚いコンクリートの壁によって、空気伝搬音は大幅に軽減されます。しかし、隣人との生活空間が近いことから、度を越した大声などは、伝わってしまうことがあります。
  • 固体伝搬音
    固体伝搬音は、衝撃などにより発生した振動が、床などの固体を伝わり、伝搬した先で空気中に放たれる音を指しています。例えば、足音やドアの開閉音、物体の落下音、電化製品の駆動音など、衝撃による振動で発生する音が該当します。
    固体伝搬音の厄介なところは、空気伝搬音と比較すると、距離による音の減退が少ない点です。固体の振動により遠くまで音が伝わりやすいという性質を持つため、マンションなど、各家庭の生活空間が繋がっている場合、騒音問題に発展しやすいのです。ちなみに、固体伝搬音は、音の発生源を特定することが難しい点も、騒音問題を考えるうえでは、非常に厄介です。

上記のように、マンションなどの集合住宅では、防がなければならない音が存在します。戸建て住宅の場合は、家と家が独立しているため「上の階に住む人の足音が…」なんて問題は発生しにくいですよね。

マンションでの防音工事の種類について

それでは、マンションで行われる防音工事の種類について解説します。防音工事と聞くと、普通の部屋に防音リフォームを施し、防音室に作り替えるという工事をイメージする方が多いと思います。しかし、対処したい音の種類や大きさによっては、一室まるまる防音室にする必要がないケースもあるのです。

ここでは、マンションに住んでいる方が何らかの音に悩んだ場合、選択可能な防音工事の種類をご紹介します。

①部分的な防音リフォーム

マンションなどの集合住宅での音の悩みは、その大半が生活音由来だとされています。例えば、上の階に住む人の足音、お隣に住む人の話し声やTVの音など、日常生活を進めるうえで誰もが出してしまう可能性がある音で騒音問題が発生するのです。ただ、防音室が必要とされる楽器演奏やホームシアター、自宅カラオケなどと比較すれば、音の大きさがそこまで大きくありません。したがって、こういった音に対して、家全体を防音仕様にする…なんて対策は、コストパフォーマンスが良いとは決して言えないのです。

したがって、マンションなどの防音工事でも、問題となっている音に対して、ピンポイントの防音工事が選ばれるケースも多くなっています。例えば、以下のように、問題となっている音に対して的確な部分の防音工事を施すのです。

  • 足音など上下階の住人同士の騒音問題
    集合住宅では、上下階に住む住人が足音やイスを引きずる音、家電の振動音を原因として騒音問題を抱えるケースがあります。この場合、音を軽減したい部屋(リビングや寝室)について、天井の防音工事が選ばれることが多いです。また、苦情を言われた側のお宅が、床の防音工事を行い、振動音が階下に伝わらないようにするといった防音工事が選ばれる事もあります。なお、先ほど紹介したように、足音などの固体伝搬音は、騒音源の特定が難しく、天井に防音工事を施しても、音を消しきれない…なんて可能性もあるので注意しましょう。
  • 外部から騒音が侵入してくる
    マンションなどでも、外部騒音の侵入に悩む人は多いです。例えば、交通量の多い幹線道路沿いのマンションに住んでいて車の走行音やクラクションがうるさい、目の前に公園があって子供が騒ぐ声がうるさい…なんてパターンですね。このほか、お隣の話し声やTV・オーディオの音が侵入してくる…なんてことも考えられます。これらの音の問題は、窓や換気口から音が侵入していると考えられます。そのため、防音工事としては、窓を二重窓にする、換気口の中に消音材を設置するといった対策が施されます。マンションの場合、窓は「共用部」とみなされるため、窓ガラスを交換するなど、窓そのものに対策を施すことが基本出来ません。そのため、窓の内側にもう一枚窓を設置するという対策が施されます。

このように、マンションでも部分的な防音工事で対処可能な場合も多いです。ただ、固体伝搬音への対策については、騒音源の特定が難しいので、経験豊富な防音工事業者に相談することが大切です。昨今では、一般のリフォーム業者が防音工事業界に進出してきており、防音性の高い建材を使えば防音性が高くなると考え、見当違いな対策を施している…なんて失敗事例をよく耳にします。防音工事は、問題となっている騒音について、騒音源の特定、またその音を軽減するためにどんな対策が必要かを判断できる業者に相談しなければ、問題を解消することが難しいです。

②ユニット型防音室を設置する

防音の目的が「自宅で楽器の演奏がしたい」など、生活音とは比較にならない音が生じるためという場合は、防音工事で防音室を作るか、ユニット型防音室を設置するという方法が選ばれます。なお、防音室の性能だけを考えると、専門業者による防音工事で実現する防音室の方がおすすめです。しかし、マンションの場合、以下のような理由で、防音室を作ることができないケースがあるのです。

  • ・マンションの管理規約で居室を大幅に作り替える工事が禁止されているため、防音工事ができない
  • ・防音室は欲しいけど、あまりコストをかけられない
  • ・仕事の関係で、引っ越しの可能性がある

ユニット型防音室は、広さや音響環境など、専門業者が作る防音室と比較すると、いくつかのデメリットがあるのは確かです。しかし、短工期、低コストで防音環境を構築することができ、引っ越しの際は移設することができるという非常に大きなメリットがあるのです。性能が高くて大きなユニット型防音室は、価格も高いのですが、一室まるまる防音室に作り替えるよりはコストを抑えられるはずです。

③防音工事で防音室を作る

マンションなど、集合住宅でも防音室を作ることは可能です。鉄筋コンクリート造のマンションは、もともと建物が持つ防音性能が高いため、そこに床や天井が二重構造になる本格的な防音室を設置すると、高度な防音環境を構築することが可能です。

専門業者に依頼して防音室を作る場合、用途に合わせて必要な性能の防音室を実現してくれるほか、防音室内の音響環境まで自分好みの状態に調整してもらうことが可能です。そのため、自宅でも長時間の楽器練習を想定している、大音量で映画を楽しむなんて場合でも、苦痛を感じにくい最適な環境を実現することが可能です。

ただ、部分的な防音工事やユニット型防音室を比較した場合、防音環境を作るためのコストが高額になりやすい点に注意が必要です。

防音工事にかかる費用について

上で解説したように、マンションの防音工事でも、いくつかの種類が存在ます。当然、採用する方法によって、防音工事にかかる費用が変わるので、ご予算などと相談しながら採用する方法を選択すると良いでしょう。なお、防音工事にかかる費用については、大まかに以下のような感じになります。

  • ・窓の防音工事(二重窓工事)・・・5~15万円/1箇所(新たに設置する窓ガラスによって変わる)
  • ・床の防音工事・・・5~85万円(面積や方法によって変わる)
  • ・壁の防音工事・・・5~25万円(面積や方法によって変わる)
  • ・ユニット型防音室の設置・・・20~150万円(防音室のグレードによって変わる)
  • ・防音室工事・・・100~500万円(部屋の広さや性能によって変わる)

上記のように、防音工事にかかる費用は、同じ工事を行う場合でもかなりの格差が生じます。例えば、床の防音工事のことを考えた場合、「フローリングの上にクッション性のあるカーペット生地を設置する」という対策と「床材の下に防音材を充填し、遮音性の高い床材に交換する」という対策では、後者の方がお金がかかるとわかりますよね。
防音工事は、軽減しなければならない音の問題に合わせて、最適な対策を施す必要があるため、工事にかかる費用は案件ごとに大きく変わります。現在、防音工事の必要性を感じている方で「いくらぐらいかかるのだろう…?」と気になっているという方は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

マンションでの防音工事の注意点

分譲マンションに住んでいる方の場合、持ち別件であることから住人が希望すれば勝手に防音工事を行っても良いと考えている方もいます。多額の費用をかけて購入している自宅なので、そう考えてしまうのも致し方ないことだと思います。

しかし実は、マンションでの防音工事に関しては、住人さんの考えだけで進める事が出来ないと考えなければいけません。たとえ多額のコストをかけて購入した部屋でも、あくまでも建物の一部分を購入しているだけで、同じ建物内には他の購入者も住んでいるのがマンションなのです。したがって、マンションでは、建物や他の住人に大きな影響を与える可能性がある、規模が比較的大きなリフォームに対しては、管理規約としてルールを設けています。

例えば、防音工事のように、壁や床、天井など、建物そのものに対して施工を施すリフォーム工事は「できない」というルールを作っているマンションもあり、その場合、住人さんの考えだけで防音工事を進められないのです。そもそも、防音工事は、通常よりも重量のある建材を多く使う工事のため、防音室完成後は、建物の耐震性などに影響を与えてしまう可能性があります。したがって、あなたが購入した専有部分内の工事だとは言え、マンションに住んでいる他の人にも大きな影響を与える問題と捉えられてしまうのです。このほか、建材の搬入のため、エレベーターを利用することになるので、工事中はどうしても他の住人に影響を与えてしまうことでしょう。

マンションでの防音工事を検討した時には、まず初めに「管理規約でリフォームのルールを確認する」、その後「管理組合に防音工事は行っても良いのか相談する」ことが重要です。先に防音工事業者に相談したとしても、防音工事ができない建物の場合、時間の無駄になってしまいます。

ちなみに、防音工事などのリフォーム工事が認められ要る物件でも、楽器の演奏が禁止されているケースなどもあるので、その辺りの確認も忘れないようにしましょう。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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