ピアノって調律しないとどうなる?調律の頻度もご紹介
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自分がピアノを弾くわけではなく、お子様の情操教育などで自宅にピアノを設置するという場合、「ピアノの調律って本当に必要なの?」「調律をしないとどうなるの?」といった疑問を抱えてしまう人も多いようです。
ピアノは定期的な調律が必要という話は、皆さんも耳にしたことがあると思うのですが、特に調律などは行っていないというピアノであっても、鍵盤を叩けば音が出るため「別に必要ないのでは?」と考えてしまう人もいるようです。最初に行っておきますが、「ピアノに調律は必要か?」という質問への答えは「Yes」となります。購入したピアノを、長く使用したいと考えているのであれば、定期的なメンテナンスとして調律を欠かすことはできないのです。
ピアノは、木材やフェルト・革・金属などによって構成されているのですが、これらは経年劣化や使用による消耗、温度、湿度の影響などを受け、状態が変化してしまいます。そのため時間の経過とともに、音程や音色が変化してしまうことになり、正しい音を整えるためには、定期的な調律が必要とされているのです。長く調律を怠った場合、間違った音感が身についてしまったり、最悪の場合はピアノの寿命が縮んでしまうなどの問題に発展します。
そこでこの記事では、ピアノの調律をしなかった場合にどうなるのか、また調律はどの程度の頻度で行うべきかについて解説します。
ピアノの調律をしないとどうなる?
それではまず、長期間にわたってピアノの調律をせずに放置した場合、そのピアノはどうなってしまうのかについて解説していきます。ピアノの調律を怠ると、以下のようなさまざまな問題が生じる可能性があります。
内部の部品が劣化する
ピアノは、皆さんが考えている以上に多くの部品で構成されています。1台のピアノを作るには、アップライトピアノで約8,000個、グランドピアノになると10,000個ものパーツが使われているのです。
そして、ピアノを構成するパーツの中には、木材や金属、フェルトで作られているものが多くあります。日本は、夏場は湿度が高く、冬場になると乾燥するという気候なので、ピアノに使用されている木材は、湿気で膨張したりカビが生えたりすることがあります。また、乾燥する時期になると、水分が抜けて木が割れてしまうこともあるのです。実際に、木材で作られている鍵盤が湿気により膨張し、押しても動かなくなったり、戻らなくなるといったトラブルはよく耳にします。
この他、金属部に関しては、湿気によりサビてしまったり、フェルトは害虫に食べられてボロボロになってしまうといった被害が生じるのです。定期的な調律メンテナンスを実行していれば、こういった問題を事前に防止したり、何らかの問題が生じても素早く気付くことで大きな問題に発展することを防ぐことができるようになります。
つまり、調律メンテナンスを長期間実行せずに放置するという行為は、ピアノそのものの劣化を進めてしまう恐れがあるのです。
音程が変わる
ピアノの調律を行わなかった場合、正しい音程を維持することができなくなるという問題に発展しやすいです。
ピアノは、弦を叩いて音を出す楽器なのですが、この弦1本には約70~90kgもの張力がかかっています。ピアノ1台に対して鋼鉄の弦が200本以上張られているため、1台分の張力の総数はおよそ20tに達するとされています。
そして、ピアノの弦は、温度や湿度の変化によって、目には見えないレベルですが伸び縮みをしています。そのため、時間の経過とともに少しづつですが音程がズレて行ってしまうのです。つまり、調律を行わない期間が長くなればなるほど、音程のズレも大きくなってしまいます。
音程がズレた状態でピアノの練習をすれば、当然、間違った状態のピアノを弾くことになるので、上達に悪影響を及ぼしてしまうことになります。
長期間調律をしていない場合、調律の費用が高くなる
長期間調律をせずに放置していたピアノについて、改めて調律をしようとすると、定期的に調律をしていたピアノと比較した場合、費用も時間もかかってしまう可能性が高くなります。
長期間放置されたピアノの弦は、張力を急に調整することによって、弦への負担が大きくなり、最悪の場合、弦が切れてしまうことがあるのです。このようなリスクは、弦だけに限らず、その他のパーツも調律時に大きく破損してしまうリスクを伴うため、調律とは別に修理費用がかかってしまう可能性があるのです。
実際に、ピアノの調律を請け負っている多くの業者は、前回の調律からの空き年数によって、追加料金を設定しています。長期的に放置したことで音程がズレていた場合、一度の調律で正確な状態には戻らず、短期間での再調律が必要になるケースも多いので、この点も費用が高くなる要因になるでしょう。
ピアノを良い状態で、長く維持するためには、定期的に調律を行っていく方が、ピアノへの負担も少なくなるため、期間を決めて実行するのがおすすめです。
ピアノの調律は、どの程度の頻度で行うべき?
それでは、ピアノの調律について、どの程度の頻度で実行すべきなのかについてもご紹介していきます。
ピアノの調律については、一般的に、年に1回という頻度で実行するのが推奨されています。これについては、使用していないピアノでも同じで、ピアノは使用していなかったとしても音に狂いが生じてしまうことがあるので、最低でも年に1回は調律が必要と考えておきましょう。
ただ、ピアノの音の狂いについては、使用頻度が高いほど早くなっていくので、最適な調律の頻度はそれに合わせて考慮しなければならないと考えてお行きましょう。ピアノ教室に置かれているものなど、毎日のように長時間使用されるピアノに関しては、年に2回程度の頻度で調律を行うのが推奨されています。
なお、購入したばかりの新品のピアノに関しては、最初の1~2年の間は、弦の伸びが大きくなるとされているため、年に数回の調律をするのが望ましいです。新品のピアノであれば、購入した店舗のスタッフに相談することで、適切な調律スケジュールをアドバイスしてもらうことができると思います。また、ピアノは非常に高額な楽器であるため、初期のピアノの取り扱いについて、保証サービスなどとして2年程度は無償対応してもらえるサービスなどが用意されている場合もあります。ピアノを購入する時は、調律についても相談しながら購入する店舗を決定するのがおすすめです。
まとめ
記事内でご紹介した通り、ピアノは定期的な調律が必要な楽器です。これを行わないと、音に狂いが生じてしまい、間違った音程での練習になってしまうなど、ピアノの上達に悪影響を与えてしまう恐れがあるのです。
また、数多くの部品で構成されているピアノは、調律を怠ることで損傷する可能性が高くなり、気付かないうちに内部部品が破損して、音が出なくなったりすることもあります。このような状況になると、調律で元に戻すことができず、修理対応にかなりのお金がかかってしまうことになります。
ピアノの上達や良い状態で長く使いたいと考えている方は、定期的な調律を欠かさないようにしましょう。