防音室を作る際に見落とされがちなポイント。見積り時に確認しておくべきポイントをご紹介!
今回は、専門業者に依頼して防音室を制作する場合に注意しておきたいポイントについて解説していきたいと思います。防音室を作るまでの工事になると、かなりのコストがかかってしまいますので、誰でも複数の業者に相見積もりをしてもらい、提案内容を比較検討し工事業者を選ぶというのが一般的です。それでは、防音工事の相見積もりに関しては、何に注目して工事を依頼する業者を決めれば良いのでしょうか?
例えば、自宅にピアノ室を作るという場合には、250万円から300万円程度の見積り金額になることも珍しくないので、工事を依頼するお客様からすれば「できるだけ安い方が…」と工事にかかる総額に着目して依頼する業者を選択したくなるものではないでしょうか?もちろん、全く同じ性能の防音室が安くできるのであれば、安い見積り金額の業者を選べば良いと思いますが、実際にはそのようなことはなく、安い業者を選択して後々後悔してしまうケースが非常に多いです。
近年では、各ご家庭の距離が近くなってきたこともあり、防音工事の需要が非常に高くなっています。実際に、建材メーカーなども、防音性に着目し、テレビCMなどでも「静かな生活空間を作れる!」と言った点をアピールしているような商品が多くなっていますよね。こういった状況から、本来は防音工事の知識が全くないような業者がwebサイトを作り、防音工事の集客をするようになっているのです。そして、相見積もりになった際には、価格を下げることで契約を取ろうとするわけですね。実際に、見積もり段階で「そこまでの予算が無い…」と断ると、いきなり数十万円単位の割引をしてくる業者などもあるそうです。こういった状況から、現在では、本当に信頼できる防音工事業者に出会うのが非常に難しい状況になってきているのです。
そこでこの記事では、防音工事業者を選ぶときに、皆さんが着目しておきたいポイントをご紹介していきます。
防音室は音を防げるだけでは意味がない
「防音室を作る防音工事」と聞くと、皆さんは何に注目するでしょうか?多くの方は、「音漏れがしないようにしっかりとした防音性能が欲しい」や「性能と価格のバランスが重要」と言った感じに、防音室の能力と工事にかかる費用ばかりを気にしてしまう傾向にあります。実は、満足のいく防音工事にしようと思えば、このようなポイントに着目するのは少し間違っていると考えてください。
そもそも、防音性能に関しては、技術と知識を持ったまっとうな業者に依頼すれば、工事を契約する前に、性能保証をしてくれますので、工事後に、お客様が要望していた性能が発揮できていない…なんてことになる可能性はないのです。また、価格に関しても、なぜその費用がかかるのかと言う納得のいく理由をきちんと説明してくれますので、契約時には費用に関する心配などもほぼないはずです。それでは、防音工事は何に注意すべきなのでしょうか?
実は意外に見落とされがちなのが、「防音室は、それなりに長時間滞在する」と言うポイントなのです。自宅に、数百万円のコストをかけてまで作る防音室ですし、その利用用途は、楽器の演奏やホームシアターなど、住人さんの生活スタイルの中でも非常に大きな割合を占めているはずです。そのため、防音室を作れば、その中で長時間過ごすことになるわけです。
つまり、防音室を作る際には、「壁紙の色や柄は?」「床材はフローリングかカーペットか?」など、室内をどのような内装にするのかまでしっかりと考えておかなければいけないのです。防音工事業者を決める時には、見積りの内容をしっかりと確認し、どのくらいの自由度を持った内装工事なのかはチェックしておきましょう。以下に細かな内装のポイントもご紹介しておきます。
コンセントの位置
これは防音室に限らないのですが、住居で実際に使ってみて後から後悔してしまいがちに失敗ポイントです。新築住宅でも「ここにコンセントがあればよかった…」と後悔してしまいがちです。
防音室は、中で何をするのかにもよりますが、電源が必要になる機材を設置するケースも多いです。したがって、防音室を設計する段階で、何を防音室内で使用する予定で、どのようなレイアウトにするのかをきちんと話し合っておかなければいけません。そして、業者と話し合ったうえでコンセントの数と位置を決めることが、防音室の使い勝手に大きな影響を与えます。
例えば、天井にスピーカーを設置したい、照明を設置する場所、電子機器の設置場所など、防音室の実際の使い方をしっかりとイメージして、それぞれの設置場所を防音工事業者に相談してみると良いでしょう。防音工事業者は、いうなれば「音のプロ」ですので、最も音漏れがしない設置方法だけでなく、心地よい音に聞こえる設置方法などもアドバイスしてくれます。
これをせずに、安易にコンセントの場所や数を決めてしまうと、後々「ここにコンセントがあればよかったのに…」となったり、部屋の中が配線だらけでストレスを感じるようになってしまう恐れがあります。
吸音パネルについて
防音室は、「外に音が漏れないように!」と言う目的が重要です。そのため、非常に気密性が高く、音が反響しやすい環境が作られるのです。防音室の目的だけを考えれば、これで十分目的が果たせると思うかもしれませんが、そうではありません。室内が反響しすぎる環境になると、防音室の中で長時間の演奏などとてもできません。
こういったことから、過ごしやすい、使いやすい防音室にするため、防音室内に吸音パネルを設置して反響音を抑えるわけですね。ただ、吸音パネルは、無計画に設置して良いわけではなく、非常に存在感のあるアイテムになるので、室内の雰囲気にマッチするような吸音パネルを選ぶのが理想的です。逆に、吸音パネルを使って室内のデザインを検討することもできますので、防音工事の見積りの中でも注目してほしいポイントな訳です。
吸音パネルは、基本的に既製品の中から選んでいくことになるのですが、製品によってはお客様が色や柄をオリジナルで制作できるような物もあります。したがって、見積りの段階で、どのような吸音パネルを選べるのか、またオプションでどういったものがあるのかなどはしっかりと確認しておきましょう。
換気システムについて
防音室の快適性を高めるには、換気システムは必須です。見積書の中に、空気を入れ替えるための換気システムがきちんと入っているのかは確認しておきましょう。
他にも、防音室内にエアコンを設置すると思いますので、エアコンに関する費用がきちんと入っているのかも確認しておきましょう。現在エアコンが設置されている場合、移設することが可能なのか、新しくつける場合、どういったエアコンが採用できるのかはしっかりと確認しておきましょう。
性能保証について
最後は、見積り内容の防音工事を行った時、きちんと工事の性能保証がしてもらえるのかと言うポイントです。防音室は、いくら素敵な部屋に仕上がったとしても、音漏れが発生するのであれば何の意味もありませんよね。したがって、防音工事が完了した際に、きちんと音が防げているのかチェックするための性能測定などが行われるのかは確認しておきましょう。
なお、性能保証があるかどうかを質問して「性能保証などは特にありませんが安心してください!」などと言う業者は信用しない方が良いですよ。口約束で何と言っていたとしても、契約書に記載されていないのであれば、完成後の防音性能を保証してくれないという事実に変わりはありません。これが、きちんと性能保証がついている業者であれば、工事後の測定で約束した音の減衰値が確保できない場合、業者負担で性能が発揮できるまで追加の工事を行ってくれます。
まとめ
今回は、防音工事を正式に依頼する前に確認しておきたい、見積り上の細かなポイントについてご紹介してきました。防音室を作る工事に関しては、音漏れを防ぐという目的がありますので、多くの方は「ご近所さんに迷惑をかけないような防音性能がいくらで発揮できるのか?」と言う点に着目します。そのため、その性能が発揮できるのであれば「できるだけ安い業者が良い!」と考えてしまうのだと思います。
しかし、この記事でご紹介しているように、防音室と言うのは、性能だけに着目するのではなく防音室の使い勝手や、快適性のことも考えておかなければいけません。特に、工事後の性能保証については、あるとなしでは本当に大きな違いが生じますので、絶対に性能保証はつけてもらった方が良いですよ。