家カラオケの防音方法をご紹介!隣人にうるさいと言われない自宅カラオケは可能?
近年、防音工事の匠のような防音の専門業者に依頼して自宅に防音室を用意するという方が多くなっています。ただ、防音室の利用用途に関しては徐々に変化してきており、ここ最近では「自宅でカラオケを楽しむための防音室が欲しい!」というご依頼が急増しています。一昔前までの防音室工事を考えてみると、音楽関連の仕事をしている、音楽学校に通っているという方が、自宅でも気兼ねなく楽器の練習ができる環境を作りたいと、費用をかけてまで防音室を作るといった感じで、どちらかというと防音工事は特殊な住宅リフォームという扱いを受けていました。しかし、コロナ禍以降は、自宅にいる時でも、思い切り自分の趣味を楽しめるような環境を作りたいと考える人が増えているのだと思います。
さらに、家カラオケの需要が高まっている昨今では、スマートフォンアプリや家庭用のゲーム機を用意することで、家の中で誰でも気軽にカラオケを楽しむことができるようになっているのです。実は、これらのカラオケシステムについても、コロナ禍に外出自粛が求められ、なかなかカラオケボックスに足を運べなくなった時に、自宅時間を楽しむためのアイテムとしてその知名度が一気に拡散し、多くの方に利用されるようになったと言われています。
ただ、誰でも気軽に家カラオケを楽しめるようになって以降、隣人との騒音トラブルに頭を悩ませる方が増えているとも言われています。当然、カラオケの音はマイクとスピーカーを通した大きな音になるため、人が普通に会話する時に音量とは比較になりません。それなのに、何の防音対策もせずに家カラオケを楽しめば、隣人にとってはうるさい騒音にしか感じられなくなるでしょう。最悪の場合、騒音を理由に警察を呼ばれてしまうなど、ご近所さんとの関係が致命的に悪くなってしまう可能性があります。
そこでこの記事では、家カラオケを楽しみたいと考えている方が、隣人に「うるさい!」と苦情を言われないようにするための防音方法について解説します。なお、家カラオケの防音に関しては、個人でカラオケを楽しむ場合とカラオケボックスのように複数の人で楽しむ場合で必要な対策が変わります。記事内で、両方の防音方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみましょう。
家カラオケ用の防音グッズを利用する
冒頭でご紹介したように、家カラオケの需要が高まっていることもあり、誰でも気軽に自宅でカラオケを楽しめるよう、スマホアプリやゲーム機でもカラオケ機能が登場しています。これらのシステムを利用すれば、カラオケボックスのような大掛かりなカラオケシステムがなくても、自宅でいつでもカラオケを楽しむことができるようになっているのです。ただ、カラオケボックスとの違いをきちんと理解しておかないと、すぐに近隣の方と騒音トラブルを抱えてしまう結果になるでしょう。というのも、商業用のカラオケボックスは、我々のような防音の専門業者に依頼し、外部にカラオケの音声が漏れていかないよう、しっかりと防音工事を行っています。カラオケボックスのドアを思い出していただければ分かりやすいですが、通常のドアとは比較にならないほど開け閉めする時に重たく感じるのではないでしょうか?
つまり、家カラオケ周りのシステムが整ってきたとはいえ、きちんと音漏れを防ぐための防音対策のことも考えなければ、騒音をまき散らす迷惑な隣人になってしまうのです。そもそも、人の声は、通常の話し声でも60dB程度あるとされていて、周囲が静かな夜間であれば十分に騒音トラブルの原因になってしまうのです。これが、マイクやスピーカーを通すカラオケの音声になれば、100dBを優に超える音量となり、楽器が生じさせる音の大きさと何ら変わらないレベルとなってしまうのです。自宅での楽器演奏は、専用の防音室が必須と解説されることが多いのですが、本来は家カラオケもそれと同等の防音対策が必要になります。
ただ、家カラオケに関しては、音を外部に出さないための消音グッズなども販売されるようになっています。そのため、「家でカラオケの練習をしたい」など個人でカラオケを楽しむレベルなら、カラオケの音を防音できるグッズを利用するのも悪くないのです。ここではまず、個人で家カラオケを楽しむ際に便利なカラオケ用の防音グッズをいくつかご紹介します。
ミュートマイク(防音マイク)
家カラオケの需要が高くなった近年では、防音対策が施されていない場所でカラオケを楽しんだとしても、外部に音が漏れて迷惑をかけないようにするためのマイクが開発されています。
いわゆる「ミュートマイク」や「防音マイク」などと呼ばれる製品ですが、このタイプのマイクは、先端部分に防音カップと呼ばれる部品が装着されていて、口に当てて歌うことで歌声が拡散しにくくなっているのです。使い方は非常に簡単で、以下の動画のように普通にカラオケをするだけなのに、外に音が漏れにくくなっています。
マイクの先端に酸素マスクのような部品がついていて、そこに向かって歌声を出せば、カップの中で消音されるという仕組みです。スマホやゲーム機に接続すれば、いつでもどこで音漏れを気にせずにカラオケが楽しめるようになります。ちなみに、口に当てるカップに関しては着脱可能で、使用後に洗うことができるため、衛生面も安心できるでしょう。
防音マスクもある
防音マイクをさらに簡易化した防音マスクで対策するという方法もあります。こちらは、マイクを使用するわけではないので、家で一人でカラオケを楽しむ、歌の練習をする際に活用できるアイテムと言えるでしょう。
防音マスクの中でも「CHURACY」と呼ばれる商品が有名で、販売サイトなどを確認してみると、このマスクを装着して歌うことで、なんと歌声の約50%をカットすることができるようになるとしています。
ただ、防音マスクは、大人数でカラオケを楽しむといった場面ではおあまりオススメできない製品であることに注意しましょう。分かりやすく言うと、口にコップのような物を当ててカラオケをするという方法なので、一緒にいる人にもちゃんとした歌声が届かなくなってしまいます。ボイストレーニングや、友人とカラオケに行くための練習に利用するという場合なら良いのでしょうが、家族と家カラオケを楽しみたいという場面ではおすすめできる商品ではないです。
小さなカラオケ用防音室を購入する
防音室と聞くと、専門業者に依頼して作るものというイメージがあると思います。ただ、防音室にもいくつかの種類が存在していて、中には低コストで導入することができるような物もあるのです。特に、コロナ禍以降、在宅時間が長くなってきたこともあり、家族間や隣人間の音の問題を解消するための簡易的な防音室が低価格で販売されるようになっています。例えば、現在ではテレワークと言った働き方が一般化していますが、家族が生じさせる音で集中力を乱される…と言った声が多く、その対策のために一人用に防音BOXが10万円前後で販売されるようになっています。そして、これらの小型簡易防音BOXは、家カラオケを楽しむためのアイテムとして非常に効果的なのです。
例えば、ダンボールを利用して小型の防音室が作れる「ダンボッチ」と呼ばれる製品があります。当然、専門業者が作る本格的な防音室と比較すると、その性能は低くなってしまいますが、人ひとりが入ってカラオケを楽しむことができるレベルの性能を持った製品が、約10万円で購入することが可能です。原材料はダンボールですので、防音室の重量も軽いですし、素人の方でも簡単に組み立てることができるでしょう。家カラオケを利用して、自宅で本格的なボイストレーニングをしたい、一人カラオケのためにわざわざカラオケボックスに行きたくない…と考える方であれば、ダンボッチのような簡易的な防音BOXを購入するというのは非常に有効な手段だと思います。
ただ、簡易的な防音BOXに関しては、安価で販売されているものの、複数人でカラオケを楽しむといった使い方には適していません。10万円前後で購入できる製品は、人ひとりが入れるだけのスペースしかありませんし、その中でカラオケを楽しんだとしても他の人に歌声は聞こえなくなるのです。さらに、小型の防音室は空調設備を設置できないことから、長時間中に滞在することが難しい、音響環境を整える事が難しいなど、いくつかの注意点があるので、その点は慎重に検討しなければいけません。
例えば、家族でカラオケを楽しみたい、友人を呼んでカラオケを楽しみたいなど、複数人で家カラオケを楽しみたいなら、専用のカラオケルームを作らなければならないでしょう。
簡易の防音対策を施す
部屋の防音対策は、専門業者に依頼しなくても、自分で対策を施すことも可能です。したがって、家カラオケを家族と楽しみたいなど、上で紹介した方法がなかなか採用できないという場合は、自分たちで防音対策を施すのも良いでしょう。例えば、以下のような部分に対策を施してみましょう。
・窓の隙間を埋めるため、隙間テープを設置する
・窓からの音漏れを防ぐため防音カーテンを設置する
・ドアに隙間テープを設置する
・壁に防音パネルを設置する
上記のような対策を複合的に施すことで、部屋の防音性を高め、音漏れを軽減することが可能です。
ただ、カラオケの音量は、100dBを超えるような大きな音となるため、お住いの状況によってはこれらの対策では不十分な場合もあります。例えば、マンションのような集合住宅に住んでいる、戸建てでも隣家との距離が近いなどという状況の場合、簡易的な対策では防音が不十分で騒音トラブルの可能性が残ります。簡易的な防音対策で対処可能なのは、隣家のとの距離がしっかりと離れている住居でなければ心もとないです。
本格的に家カラオケを楽しみたいなら防音室を
自宅カラオケを楽しみたいと考えた時には、近隣の方に配慮するために何らかの防音対策が必要不可欠です。上で紹介したような対策であれば、低コストで音の問題を解消できる可能性があるのですが、あくまでも家で一人カラオケを楽しむ程度なら有効な対策と言った感じです。
例えば、カラオケを趣味としていて、家族全員や友人を招いてカラオケを楽しむなど、カラオケボックスと同じような楽しみ方を考えているのであれば、上述したような対策では不十分です。ミュートマイクや防音マスク、小型の防音室は、一緒にいる人も歌声が聞こえなくなるわけですので、複数人でカラオケを楽しみたいという要望の場合は不適切な対策と言えるでしょう。
このような場合には、カラオケボックスと同様の環境を自宅に作る必要があるため、防音工事の専門業者に依頼して防音室を作らなければならないです。なお、カラオケ用の防音室は、単に音漏れが防げれば良いのではなく、長時間防音室内にいても不快に感じない環境にしなければいけません。そのため、空調設備の導入や音響環境の調整など、商業用カラオケルームの施工実績を豊富に持つ業者に工事を依頼しましょう。
カラオケ用防音室の費用
家カラオケが楽しむためのカラオケルームは、100dBを超える大音量をシャットアウトしなければならないため、近隣住宅に対してはDr65程度の防音性能をクリアしなければいけません。なお、集合住宅にカラオケルームを作る場合は、Dr75をクリアすることが最低条件となります。このレベルの防音室を作るための費用については、以下のような感じとなります
防音性能:Dr65~70
工事内容:浮き遮音防音壁4面、浮き遮音防音天井、浮き床工法、防音ドア、防音サッシ、エアコン工事、電気工事、音響作り
防音工事費用の目安:190万円~(6畳程度)
防音室の性能に関しては、建物構造や近隣住宅との距離、環境騒音の大きさなどによって変わります。カラオケ用の防音室は、内部の音響環境間でしっかりと調整が行われるため、動画配信やホームシアター用の部屋としても活用可能です。
まとめ
今回は、家カラオケを楽しみたいと考えている方に向け、自宅でカラオケを楽しむときに近隣の方から「うるさい」と苦情が出ないようにするための対策について解説しました。
カラオケは、人の声によるものですが、マイクとスピーカーを通すことで、楽器騒音並みの音量となってしまいます。したがって、なんの防音対策もなしに、自宅でカラオケを楽しんでいると、高確率で近隣との騒音トラブルを抱えてしまう結果になるのです。記事内では、コストをあまりかけずに対策が施せるカラオケ用防音グッズもご紹介していますが、これらは大勢でカラオケを楽しむという時にはあまり役に立つグッズではありません。基本的に、家で一人カラオケを楽しむとかボイストレーニングのために使用するための防音グッズですので、家族や友人と家カラオケを楽しみたい場合は、他の対策が必要です。
カラオケが生じさせる音量は、100dBを優に超えるほどの大きな音となりますので、住宅が密集している地域で家カラオケをしたい場合は、専門業者による防音室が必要不可欠です。