防音工事は待った方が良い?建材価格の高騰状況から考えてみる【2026年8月版】
サンテレビ「アサスマ! 」で防音工事の匠が紹介されました!
現在、自宅に防音室を作りたいなど、住宅リフォームの実施を考えている方の多くが悩んでいるのは、「建材の価格が高騰していると聞くし、しばらく待った方が良いのかな?」と言うことだと思います。
コロナ禍には、世界的に木材が不足し、日本国内でもウッドショックと呼ばれるような状況となり、新築工事やリフォームにかかる費用が高騰したことがありました。そしてその後も、ロシアによるウクライナ侵攻や、円安傾向が続くことで輸入品の価格高騰があった、さらにアメリカによるイラン攻撃で石油製品関連の供給不安などがあり、住宅を構成するさまざまな建材の値段が一気に高騰しているのです。
このような状況を見ると、防音工事など、自宅のリフォームを考えたとしても、材料費の高騰によって工事にかかる費用が普段よりも高くなってしまうのではないかと不安に感じる人が多くなるわけです。そのため、今すぐに防音工事を実施するのではなく、建材価格がある程度落ち着くまで待っていた方が良いと判断し、リフォーム工事を先延ばしにする方が増えているようです。
そこでこの記事では、本当に防音工事の実施は待った方が良いのかについて、建材価格の高騰状況などから考えてみたいと思います。
住宅周りの資材は確実に値上がりしている
日本国内における建築資材価格については、残念ながら確実に値上がりを続けています。円安やイラン紛争の影響もあり、2026年の春ごろには、住宅を構成するためのさまざまな建築資材の値上げが大手メーカーから発表されたのは皆さんの記憶も新しいのではないでしょうか。この際には、「ナフサショック」と呼ばれる事象が大手メディアなどでも盛んに報道されたこともあり、石油関連資材について「入手」すること自体が困難に陥ってしまうという状況になっています。実際に、大手菓子メーカーが、商品の包装をカラーから白黒に変更するなど、塗料関連の業界では非常に深刻な事態に発展するのではないかと不安視されていたのです。
なお、この建築資材の入手状況については、多くの面で2026年8月現在、品薄状態そのものは回復傾向にあるとされています。一部の建材については、通常通りの納期とはならない可能性があるものの、仕入れそのものが出来ない…と言う状況にはないので、その点は安心できるでしょう。ただ、建築資材価格の推移については、一般社団法人建築物価調査会のデータを見ても、驚くような勢いで上昇傾向を見せています。以下のグラフは、2026年7月における東京都の建築物価指数の推移を表したものです。
上記の通り、2015年を100とした時、2026年7月時点では、建築部門で149.2、建築補修部門で146.2と、約1.5倍にまで高騰しているのです。さらに、この価格上昇の状況は、ほとんど下落の傾向を見せることもなく、右肩上がりの状況を続けており、今後もさらなる価格高騰があるのではないかと考えられるような状況となっています。
それでは、住宅リフォームで利用されるさまざまな建築資材について、細かくその値上げ状況を確認していきましょう。ここでは、各メーカーが公表している値上げのお知らせなどを集めて、皆さんにその状況をお届けします。
2026年8月時点までの値上げ状況
まずは、2026年8月までに実施された建築資材の値上げ状況をご紹介していきます。ここでは、住宅リフォームなどに良く使用される建材について、それぞれの値上げ幅を大まかに紹介する形でまとめてみます。防音工事にあまり関係のない建材についても、業界の状況を把握するのに役立つので、一緒にご紹介していきます。
- ・メラミン化粧板、化粧ボード(アイカ工業):2026年6月1日出荷分より10~30%の値上げ
- ・壁装材製品および住器建材製品(アイカ工業):2026年6月29日出荷分より8~30%値上げ
- ・屋根材・外壁材(アイジー工業):2026年6月1日出荷分より18%以上値上げ
- ・床材など取扱い全製品(朝日ウッドテック):2026年6月1日受注分より床材:10~15%値上げ、その他製品:15%値上げ
- ・フェノール樹脂断熱材(旭化成建材):2026年5月7日出荷分より、当面の間20%の値上げ
- ・グラスウール断熱材全品種(パラマウント硝子工業):2026年6月1日出荷分より15%値上げ
- ・グラスウール断熱材全品種(マグ・イゾベール):2026年7月1日出荷分より25%以上値上げ
- ・グラスウール断熱材全品種(旭ファイバーグラス):2026年9月1日出荷分より15%以上値上げ
- ・パイプ類、継手など一部製品(アロン化成):2026年7月1日出荷分より10%以上の再値上げ
- ・透湿防水シート(イノービス):2026年5月1日出荷分より15~20%値上げ
- ・塩ビ関連製品および接着剤関連製品(アイカ工業):2026年6月1日より、塩化ビニル管:12%以上、関連製品:6%以上、接着剤など20%以上の再値上げ
- ・建具などの建材、システムキッチンなどの住宅設備(ウッドワン):建材は2026年6月22日受注分より一律15%値上げ、住宅設備は2026年8月18日受注分より一律15%値上げ(カタログ設計価格より)
- ・不燃ボード、不燃断熱材など(エーアンドエーマテリアル):2026年7月1日出荷分より20%以上値上げ
- ・床材、室内ドアなど(永大産業):2026年7月1日受注分よりカタログ価格が改訂され、それぞれ10%以上の値上げ
- ・各種塗料(関西ペイント):2026年6月15日より価格改定
- ・壁装材や床材、ファブリック(サンゲツ):2026年7月1日受注分より18%〜30%程度の値上げ
- ・壁装材、カーテン、接着剤等の副資材(シンコール):2026年7月1日受注分より20~30%以上値上げ
- ・各種建材製品(DAIKEN):2026年7月1日出荷分より価格改定。天井材・軒天井材:10~20%、床材製品:15%など、値上げ幅は製品によって変わる
- ・各種断熱材(デュポン・スタイロ):2026年5月1日出荷分より40%値上げ。今後の状況次第で追加値上げの可能性
- ・塗料類全般、直送運賃(日本ペイント):2026年6月1日出荷分より、各種値上げ
- ・建材商品(LIXIL):2026年9月1日受注分より、外壁・屋根:13%程度値上げ。
- ・壁装材、カーテン、床材など(リリカラ):2026年6月29日出荷分より15~30%値上げ
- ・壁装材、副資材関連(ルノン):2026年7月1日より20~30%値上げ
- ・シンナー類・塗料類全般(ロックペイント):2026年5月18日出荷分より10~40%値上げ
- ・システムキッチンなど住宅設備(WOODON):2026年8月18日受注分より約15%の値上げ
一部、2026年9月1日より値上げされる建材も紹介していますが、8月までに上記のようなさまざまな建材の値上げが行われているのです。防音工事に関しても、断熱材や床材、壁紙や接着剤など、工事に利用するさまざまな建材の値上げが続いています。そのため、防音工事会社によっては、1年前と比較すると、同じ防音室を作る際の費用が数万~数十万円程度高くなっているといったケースも見られるようになっています。
この状況だけを見ると、さまざまな建材価格が高騰しているわけなので、「今すぐ防音工事を依頼するのは損になるのでは?」と考えてしまう方も多いかもしれません。
建材の値上げ傾向はまだ終わっていない
先程紹介したように、円安やイラン紛争による石油の供給不安などもあり、2026年4月以降、さまざまな建築資材の価格が高騰しています。中には、価格改定がこの短期間で複数回あったような建材もあるなど、新築の購入や住宅リームを検討している方にとっては、非常に悩ましい状況となっているのです。実際に、ここ数カ月の物価高騰の状況を見て、防音工事などの住宅リフォームについては「先延ばしにした方が良いのではないか?」と考え始めた方も多いと思います。
確かに、ここ数カ月の資材価格の高騰状況だけを見ると、価格が落ち着くのをしばらく待った方が良いと考えてしまうのは致し方ないことだと思います。しかし実は、建築資材の価格上昇については、現在が天井ではなく、今後さらに高くなっていくのではないかと言う予測もあるのです。実際に、以下のような建材については、今後さらなる値上げが公表されているという状況なのです。
- ・サッシ・ドア・内装建材(LIXIL):2026年10月1日受注分より約13%の値上げ
- ・エクステリア(門・塀・フェンス等)(LIXIL):2026年10月1日受注分より約15%の値上げ
- ・キッチンなど全商品(クリナップ):2026年10月2日受注分より約10%の値上げ
- ・住宅用サッシ・玄関ドアなど(YKK AP):2026年10月受注分より約10〜15%の値上げ
- ・床材・室内ドア・玄関框などの建具(Panasonic):2026年10月1日受注分より約10%程度の値上げ
- ・収納・家具建材等(南海プライウッド):2026年10月1日受注分より10%の値上げ
このように、10月以降も各種建材の値上げが既に発表されています。ウクライナ情勢やイラン紛争など、世界情勢の不安定化はまだまだ続きそうな様相を呈していますし、多くの製品の仕入れを輸入に頼っている日本は、現在の円安傾向が大きな打撃となり、今後も値上げ傾向が継続されるのではないかと予想されています。
特に、木材や合板については、現在のところ、10月以降に確定した値上げの情報は出ていないものの、専門機関からは2026年後半にかけて価格が上昇し始める可能性が指摘されています。住宅リフォームでは、木材、合板が多く利用されることになるわけなので、リフォーム全般にかかる費用はさらに上昇する可能性があると言えるでしょう。
防音工事は、待っても安くなるとは言えない
ここまでの解説で分かるように、防音工事など、住宅リフォームに使用される建材は、そのほとんどが値上がりしているという状況になっています。中には、1年前と比較すると、仕入れ価格が70%程度も高くなっているような製品もあり、防音工事などの見積りをとった時には、以前よりも高く感じる…と言った方も多いはずです。
このような話を聞くと、「やはり防音工事はしばらく我慢して、建材価格が下落してから実施したほうが良いのでは?」と感じるかもしれません。しかし、この考えについても、正しいとは言えないのが実情なのです。先程も紹介した通り、2026年10月以降も、さまざまな建材の値上げが既に公表されていますし、木材や合板に関しては、2026年後半に向けて値上げを予想している専門機関が多く存在します。つまり、住宅リフォーム周りの価格については、待っていても状況が好転する可能性はかなり低く、最悪の場合、さらに建材価格が高騰し、現在よりも高い見積りが提示される可能性の方が高いと言えるのです。
さらに、現在の日本は、物価の上昇に賃金を追いつかせるための政策がどんどん実施されています。実際に、新築工事やリフォーム工事に携わる建設業界の人件費は、年々上昇しているという状況なのです。建設業界は、その他の業種と比較しても、職人の高齢化や「きつい仕事」と言うネガティブなイメージによる若手人材の獲得に苦戦しているという状況が続いています。そのため、人手不足の解消を目的に、他業種よりも給料を良くすることで、人材の確保に動く企業が多くなっていると言われています。つまり、新築工事やリフォーム工事を実施する職人自身の人件費が今後さらに高騰すると予想されており、それが工事費に反映されて、リフォームを依頼する時に費用が高くなる可能性があるのです。
こういったことから、現在防音工事の必要性を感じているという方は、「しばらく待ってみる」という選択をするのではなく、「できるだけ早く工事を実施する」という動きにした方が、結果的に安く防音室を完成させられる可能性が高いと言えます。自宅に高性能な防音室が欲しいとお考えの方は、ぜひ防音工事の匠にご相談ください。
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